2017年第2四半期、中国オンライントラベルマーケットの成長率が低下

賈 韶蕾

2017年第2四半期、中国オンライントラベルマーケットの成長率が低下

2017年第2四半期、中国オンライントラベルマーケットの流通総額が1760億元に達しました。
流通総額は前年比24.8%の伸びを見せていますが、流通総額の成長率に関しては前年同期と比較して3.9%低下しています。

インターネットを介したトラベル産業が衰退傾向にある一方で、顧客獲得のためのネット広告費用などのコストは増加傾向にあります。
そのため主要オンライントラベル企業は、オンライン販売ではなく店舗販売に移行し始めました。
その結果、オンライントラベルマーケットの成長率が低下したようです。

2017年第2四半期、中国におけるOTA(Online Travel Agent:オンラインでのみ営業する旅行会社)の収益は92億5000万元を記録しました。
収益を見ると前年比35.6%の伸びを見せていますが、成長率に関しては前年同期と比較して低下しています。
多くのOTAがオフラインマーケットに移行したことからオンライントラベルマーケットが停滞期に突入しました。

中国のオンラインバケーションブッキングサービスのマーケットシェアは、2017年第1四半期の0.8%から第2四半期には16.5%にまで成長しました。

人々が旅行するのに最適な短い休暇が第2四半期に集中していたことが、オンラインブッキングサービスの成長率上昇に影響しているようです。

航空券オンラインブッキングサービスは、オンライントラベルマーケットにおいて現在も50%以上のシェアを占めています。
しかしマーケットシェアが僅かながら減少しているのもまた事実です。

2017年第2四半期、そのシェアは中国オンライントラベルマーケットにおいて58.9%を占めていますが、第1四半期と比較すると2%減少しています。
第1四半期に伸びを見せた理由は、春節の休暇を利用して親族や友人を訪ねるために飛行機を利用するユーザーが増加したためです。
その反面、第2四半期は仕事で忙しい人や、飛行機を利用しない移動範囲内で短い休暇を過ごす人が多かったためユーザーが減少しました。

先に述べた通り、第2四半期には短い休暇が集中していたため、宿泊施設の需要が高まりました。
それに伴い、中国における宿泊施設オンラインブッキングサービスのマーケットシェアは2017年第1四半期から1%増加して第2四半期には20.2%を占める結果を見せました。


著者

賈 韶蕾 (SHAOLEI JIA)

中国山西省出身、2010年来日し、2015年に(株)ヴァリューズに入社。
化粧品や日用品のメーカー企業を中心にコンサルティングを行う。
来日後は日本語の勉強をしながら、日本の人気商品を中国で販売するビジネスを3年間行っていたため、
この“転売”経験を活かし、現在は日本市場のマーケティング調査だけではなく、中国市場の分析事業も担当している。

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