台湾の宣伝事情

陳 珏如(ちんかくじょ)

エスプールロジスティクスの陳カク如でございます。
台湾人はどのようなメディアから情報を得るでしょうか?また、台湾ではどのような宣伝方法があるでしょう?
本コラムでは台湾現地でよく使われているメディアと宣伝方法についてご紹介いたします。また、年齢層によっても訴求内容が異なるため、本コラムにて説明いたします。

台湾でのメディア

台湾で使われているメディアは様々ありますが、よく利用されているメディアは日本と同様に主にテレビとインターネットの二種類です。それ以外の宣伝方法としては、従来の印刷物の広告(カタログや新聞に宣伝用の記事を掲載)やラッピング広告(乗り物に商品の広告を掲載)があります。ただし、お年寄りはラジオを聴く習慣があるため、高齢者向けの商品(薬など)はラジオで宣伝することがあります。

テレビ広告について

台湾のテレビチャンネル数は日本より多く、ショッピングチャンネルも多く存在しています。日本と同じように、テレビ局にお金を払って番組で商品を紹介してもらう宣伝方法もあります。テレビを利用する宣伝方法の中で最も効果のある方法は、ドラマの主人公に宣伝したい商品を使ってもらうことです。ドラマを観ている視聴者は主人公に憧れる気持ちから、商品の購買に繋がりやすくなります。ドラマが人気になればなるほど、使われた商品はよく売れます。

インターネット広告について

以前のコラム「台湾進出、お薦めする理由?」でご説明したように、台湾人のインターネット使用率はかなり高いです。台湾のネットショッピング人口は86.1%を占め、ネットショッピング利用率はアジア第一位です。台湾人が10回買い物する中で、そのうちの4、5回はネットショッピングを利用しています。よく使われている宣伝方法はGoogleアドセンス広告です。効果が抜群にあると言われています。ネット記事に商品の紹介を加えて宣伝するケースもあります。

そこで、現在台湾のネットで影響力を持っている「網紅」と「網美」を紹介いたします。

「網紅」(ワンホン)とは

「網紅」(ワンホン)とはネット上で「直播」(ジーボー)という生放送配信を行う、人気のあるインフルエンサーを指す総称です。「網紅」には様々な配信者がいて、化粧品、ファッション、アニメ、旅行、クッキングなどを紹介しています。お金稼ぎのために商品を紹介する「網紅」もいますが、純粋に人気になりたくて商品を紹介する「網紅」もいます。ちなみに筆者は日本を紹介する「網紅」とお笑いの「網紅」をフォローしています。

「網美」(ワンメイ)とは

「網美」(ワンメイ)は「網紅」と似ている存在で、ネット上に自分のスナップ写真を掲載する綺麗な人を指す総称です。「網紅」も「網美」も影響力を持っているため、彼らが紹介した商品は多く売れています。「網美」は化粧品やアパレル系の商品を中心に宣伝しています。「網美」が綺麗な服を着て、綺麗なメークをしている写真を見れば、女性は「私もこんなふうに美しくなりたい、綺麗になりたい」という気持ちから、「網美」が使用している商品の購買に繋がるという流れです。

台湾でよく使用されているSNS

台湾人がよく使うSNSのTOP3はFacebook、LINE、YouTubeです。また、若い人や特に女性はInstagramを頻繁に使用します。

Facebookについて

統計結果によりますと、台湾の人口2,300万人のうち、約1,900万人がFacebookを利用しています。利用者の年齢層は25歳から 34歳までのサラリーマンが一番多く、(約510万名)次に35歳から 44歳までの世代です(約430万名)、18歳から 24歳までの若者(約360万名)と続きます。Facebookの若者の利用率が高くない理由に、自分の親がFacebookを使い始めたため、自分のページを見られたくないため利用をやめるケースが多くあります。
日本と同様に、個人だけではなく店舗、ブランド、デパート、企業、大学などもFacebookファンページを持っています。各ファンページに掲載する内容はそれぞれ異なりますが、例えば、ブランドは新作や販促イベントの情報を載せ、レストランは美味しそうな料理の写真や新メニューを掲載します。大学は生徒募集の宣伝記事や入学試験の日程などを発表します。台湾では気になるアカウントをフォローするのは一般的です。

LINEについて

友達や家族と連絡するときに、よくLINEを利用します。日本も同じだと思いますが、台湾もスマホを持っている人は必ずと言っていいほどLINEをインストールします。台湾ではLINEの利用人口は1,800万人を超え、利用率は世界第三位です。台湾人がLINEを愛用している理由は、LINEのスタンプ機能にあります。スタンプは気持ちを表す時に使えますし、何を言えば分からない時などにもまずはスタンプを送ることができます。
商品の宣伝にもよくLINEは使用されています。例えば、企業は条件付の無料スタンプを提供しています。スタンプをダウンロードする条件は「企業のアカウントを追加すること」です。企業のアカウントを追加することで、企業側がユーザーへ商品の情報を宣伝することができます。

YouTubeについて

台湾人はYouTubeも大好きで、YouTubeを観る平均時間は毎週14.6時間です。「網紅」(ワンホン/人気インフルエンサー)はYouTubeで自分のチャンネルを持っている人が多いです。動画の制作スタイルはそれぞれ違います。
企業の商品紹介の動画もYouTubeに掲載します。インフルエンサーマーケティングとして、インフルエンサーに商品を使用した感想の動画を作成してもらい、YouTubeに掲載する宣伝方法もあります。

Instagram (インスタグラム)について

台湾ではInstagramの利用者数は740万人で、台湾人口の31%を占めています。利用者の性別の比率は 47:53(男:女)です。女性の利用者が多いため、アパレル系の商品はよくInstagramにて宣伝します。Instagramは主に写真を掲載するために使われています。例えば、旅行の風景写真を掲載し、美味しいものを食べた時、料理の写真を掲載します。Instagramを使って友達に自慢します。また、若者は先ほど説明した理由から、Facebookの代わりにInstagramを使います。

以上が台湾宣伝事情の紹介でございます。
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著者

陳 珏如(ちんかくじょ)

台湾出身で、大学は日本語を専攻し、大学院は経営学を専攻していました。
2018年3月にエスプールロジスティクスに入社し、経営統括本部に配属され、現在は越境ECの営業サポートを担当しています。常に好奇心を持ち、新しいことを知ろうとして、勉強し続けています。

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