売上はあるのにお金がない!? 有名店が陥るありがちな罠!

山本 哲也 [PR]

山本哲也のコラムはこちら
コラム#1:今導入すべき? 受注管理システム、外部依頼の検討ポイント
http://ecnomikata.com/ecnews/strategy/6423/

コラム#2:あなたの会社に最適な受注管理システムがわかります!
http://ecnomikata.com/ecnews/backyard/6503/

コラム#3:Amazonのシェアを取り返せ! 日本の「おもてなし」と受注管理
http://ecnomikata.com/ecnews/backyard/6576/

前回の記事「Amazonのシェアを取り戻せ」はおかげさまで多くの反響を頂きランキングにも入ることができました。皆様のご愛読、心より御礼申し上げます。今回はちょっと視点を変えて、ネットショップの皆さんが陥りやすい罠についてお話しできれば、と思います。

ネットショップの経営をしておりますと「売上は実店舗の頃よりもあったのに手元に残るお金がない」。その上「持ち出しの方が多い」。そのようなことが、しばしば見られます。実店舗の運営からネットショップの運営に代わってまず驚くのが、"ハマればどこまでも売上が伸びる"です。

実店舗はある程度商圏が決まっていますので、どんなに調子がいい日でも1日の売上が10万円の店舗が100万円を売上ることはまずありえません。しかし、ネットショップでは商圏が無限ですので、売上が10倍100倍1000倍は頻繁にあり、実際、そういう経験もしました。だからこそ、罠に陥りやすいと思うのです。

"ここからは今まで封印していた失敗談です"

私は20歳から実店舗を始めて24歳ごろからネットショップを始めましたが、進出が早かったことやいち早く携帯(ガラケー時代)に注力したおかげで、難なく月商1000万を突破していました。当時の私は「俺って商売の天才だったんだ」と本気で思っていましたので、浅はかというしかありません。当然のごとく直ぐにしっぺ返しがきます。

・実店舗と比べて売上が何倍にも増えているので自然と自転車操業となる (この時はまだ楽観)
         ↓
・売上が多くなるので、人も増やして倉庫も増やして設備も増やして、で経費が多くなる (まだまだ楽観)
         ↓
・毎月かかる経費が多くなったので、売上を落とすわけにはいかない (ちょっとアセる)
         ↓
・売上を維持するために売れる商品ばかり注力して、売れない商品の在庫の事は後回し (スタートの自転車操業がボディーブローの様に効いてくる)
         ↓
・売上は実店舗の頃に比べて何倍にも多いのに何故かお金がない!(本人はまだ原因が分かっていない)
         ↓
・ここでやっと、売上は多いが利益がなく自分が一生懸命やっていたのが"商売でない"事に気づく

10年近く経って振り返ると冷静に分析できますが、当時はとにかく出荷をしなければいけない。とにかくお客様からの問い合わせメールに返信しなければいけない。とにかくとにかくとにかく…それを繰り返していたのです。24時間働いても間に合わないぐらい忙しい状態でしたので利益の計算まで頭が回らず、実店舗の頃よりもちょっと少ない利益率なだけだからきっと儲かっているだろうと考えていました。

でも、昔の自分にコンサルティングとなった今の自分が忠告するならば、

「売上は落ちてもいい、実力が伴えば自然と売上はついてくる」
「売上と経費、在庫の計算をしっかりとして、利益が確保できるまでは現状維持、焦らない」

この二つの言葉だけで全く違う結果になったのでしょうが、当時の私は聞き耳を持ちませんし、今思い出すと周りからよく言われていました。ネットショップで調子がいい時はジェットコースターの様なスピードで物事が変化していきますので、当時の経営経験の浅い自分ではそのスピードに着いていくことができず判断を誤っていました。

今になって色々な企業様にお邪魔することで気づいたのが、事業基盤がしっかりしている老舗企業はこの様な自体には陥りません。多角的な視点で経営状況を判断していますので、どこかでストップや方向転換が入ります。

ネットショップは下剋上の世界です。小さな企業でも大企業に喧嘩を売ってそのジャンルではナンバーワンを取ることができます。しかし、大事なのは「継続してナンバーワンを取り続けることができるかどうか?」「その為に必要な経験や情報、人材、設備はあるか?」という事です。

安売りをすれば売上を伸ばすことはできます。たくさん仕入れば仕入先にもチヤホヤされます。とてもいい気分になります。それでいいのでしょうか。一呼吸おいてみてください、起こりうる罠に陥ってないでしょうか。本当の意味での勝者になる準備はできていますでしょうか。そこを改めて、考えていただければと思います。

次回は受注ソフトを使った、正確な在庫管理と経営分析方法のをお話しいいたします。


著者

山本 哲也 (Tetsuya Yamamoto)

2007年創業からネットショップの受注ソフトを開発。創業当時より受託開発に力をいれており、あらゆる業種のクライアント様のご要望に答えてきた。代表の私自身がリアルショップの経営、楽天での最年少オレンジ店長の経歴があり、その経験を元に出荷職人を開発する。効率的なシステムであることは勿論のこと、店舗様にとって将来的に安定して安心してお使いいただけることを第一に考えております。

http://zonzon.jp/