アマゾン出店で利益を高めるカテゴリー戦略は?ブラウズドノードは重複。カテゴリーで手数料はこんなに違う!?

古西なつ子

数々のアマゾン店舗をコンサルティングしてきた松橋正一氏によるレクチャー

「ここでしか聞けない話が聞ける」、「最新情報とトピックが満載」と評判のジェシカ勉強会。
第七回はアマゾン出品で数々の店舗をサポートしてきた実績のある松橋正一氏(JECCICA特別講師・参事/PBサポート代表)を講師に迎え、「Amazon手数料を考える」のトピックでレクチャーいただきました。

ファイルメーカーを用いた独自の分析に基づき明らかになった、アマゾン手数料の新事実!!驚きのレクチャーの一部を抜粋してご紹介します。
(※アマゾンのシステムは変更されることがあるため、11月20日時点の情報であることをご了解ください)

アマゾンの手数料は高い?アマゾン出店で知っておきたいこと

アマゾンの手数料は高い?アマゾン出店で知っておきたいことアマゾン手数料について解説する松橋氏

アマゾンの手数料はやや複雑です。
出店者でも内訳を正確に把握している人は少ないのではないでしょうか。

大口出品者の場合は、月間登録料が4900円。
そして商品カテゴリーごとに定められた販売手数料とカテゴリー成約料、またFBAを利用している場合はFBA料金(在庫保管手数料と配送代行手数料)がかかります(その他、返金手数料、大量出品手数料、その他の各種手数料のほか、別途、消費税が課金されています)。

今回の勉強会で取り上げられたのは、商品カテゴリーごとに定められている「販売手数料」。
販売手数料は出品商品のカテゴリーによって6%~45%(!)と大きな幅があるのです。

では、現在の販売手数料を確認する方法は?
セラーセントラルの管理画面から「レポート」→「ペイメント」→「トランザクション」からダウンロードすることができます。

利益をアップさせる2つの方法!カテゴリーで手数料はこんなに違う

利益をアップさせる2つの方法!カテゴリーで手数料はこんなに違うファイルメーカーを使用したアマゾン手数料の分析

利益を伸ばすためには、二つの方法が考えられるそうです。

一つ目は、売上をアップさせること。
100万円の売上を200万にアップさせ、例として10万円だった利益を20万円に伸ばす方法です。

もう一つの方法が手数料を下げること。
管理費を下げることで、利益率を高める方法です。

通常で考えれば、アマゾン手数料を下げることは不可能に思えます。

アマゾン手数料を検証してみると、同一の商品を別カテゴリーで販売できるとした場合、カテゴリーにより手数料率が異なるわけですから、その手数料も異なるわけです。

商品のカテゴリーは「ブラウズドノード」で決まり、登録時にどの製品カテゴリーを選択するか、また一括登録の場合はどの在庫ファイルを使うかで、カテゴリーが決まるのではないかといわれています。

今回、松橋氏がファイルメーカーで分析した結果、全25のブラウズドノードリスト、14,750のブラウズドノードIDのうち、4割近くもが重複していたことがわかったのです!

合計ブラウズノードID:は14,750 件。
同一ブラウズノードIDは、5,712 件で38.7%にあたります。
また、カテゴリー内での同一ブラウズノードIDも2,376 件で16.1%を占めました。

ブラウズドノードが重複していたのです。

例えば、ブラウズドノードID 2393029051の「服&ファッション小物/メンズ/帽子」は、「スポーツ&アウトドア/メンズ/帽子」のブラウズドノードID 2393029051と同一です。

つまり、同じ商品が異なるカテゴリーで販売できた場合、販売手数料が低いカテゴリーに登録された方が、得になります。

カテゴリーを変更することで利益が上がるケースとは?

カテゴリーを変更することで利益が上がるケースとは?講師との距離の近さがJECCICA勉強会の魅力

カテゴリーによって販売手数料が6%~45%と大幅に違うため、販売手数料が低いカテゴリーへ変更できるとすれば魅力的です。

一方、カテゴリーを変えることでセッション数や売上に影響はないのか、という質問も出ました。
販売手数料率の低いカテゴリーが見つかったとしても、容易にカテゴリーを変更することはできません。

・同一商品を複数カテゴリーに登録することはできません。
・同一商品は一つの商品詳細ページに集約されます。
・出品者に編集権限がないとアマゾンカタログ部分は編集できません。
・カテゴリーによっては出品許可が必要です。全てに登録できるわけではありません。


松橋氏がカテゴリー検討をおすすめするのは、次の条件を満たす商品です。

・オリジナル商品(OEM商品)
・編集権がある商品
・評価レビューがあまりついていない商品

実際にカテゴリー検討を行ったことで、利益をアップさせた出品者さんが複数あると言います。
条件を満たす商品であれば、カテゴリー検討にチャレンジする価値がありそうです。

JECCICAの勉強会は講師に直接何でも疑問をぶつけられるのが魅力です。
質疑では、広告やアマゾン内検索に関する質問も出ました。


松橋氏はファイルメーカーで広告を分析運用しているそうです。
松橋氏のアドバイスのポイントは次のとおりです。

・広告運用は、キーワードレポートを活用すること。
・スポンサードプロダクトのオートでデータを集めて、効果的なKWをマニュアルで運用すること。

この他にも、商材の異なる様々な店舗を出店サポートしてきた松橋氏ならではのアドバイスがたくさん聞けました!


【講師・松橋正一氏】
松橋正一氏
JECCICA(ジャパンEコマースコンサルタント協会)特別講師・参事/PB Support代表
・モールEC構築(楽天、ヤフー、アマゾン)
・アマゾン出品支援、広告運用
・データ処理システム構築
1999年楽天市場にダイビング器材販売「海楽市場」を出店。メールマガジン「松とうちゃんのお生物講座」を発行。「楽天市場Shop of The Year 2000」総合3位受賞。その後、Yahoo!オークションプレミュアムショップ、Yahoo!ストア、自社ドメインネットショップを運営。2006年ネットショップ支援「PBサポート」立ち上げ、現在に至る。
楽天、ヤフー、アマゾン、自社サイトなど、ECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポートしてきた実績を持つ。
URL:http://www.pb-support.com/

個人的に、アマゾンは小さな店舗でも多くの人に買ってもらえる可能性のあるマーケットで魅力的だと感じました!

次回はカゴ落ち!

次回のJECCICA勉強会は年明けの1月22日を予定しています。
JECCICA特別講師・参事の笹本氏をファシリテーターに迎え、『2018 かご落ち』テーマに開催します。
参加者全員でかご落ちについて討論する特別企画です。

他では聞けないトップランナーの話が聞けるJECCICA勉強会はJECCICA会員であれば参加可能です。→ http://jeccica.jp/page-36/


■開催日時2018年1月22日18:00~(予定)
■開催場所:定員:12名
清水さん PCルーム:WiFi・PC無料貸し出しあり。


勉強会の後は、恒例の懇親会が開かれました。
毎回とっても楽しい懇親会。
深圳越境ECの話から、ここでは書けない話まで…。
刺激的で楽しいひと時を過ごしました。

勉強会会場からお店に向かう道のりも、おおっと驚く裏道で楽しかったです。

JECCICAの懇親会は、初参加でも楽しめます!
セミナー後の懇親会、勉強会の懇親会ともにおすすめです。
http://jeccica.jp/page-36/


著者

古西なつ子 (Natsuko Konishi)

出版社などを経て、ライターとして入社した会社でネット通販に携わるように。モール店舗運営、分析、OEM商品開発、LP作成、中国仕入れ、卸、ブログ関係の業務を行う。