ニッセン、通常送料を値上げ。ヤマトの要求に応じる動き

ECのミカタ編集部

 ニッセンは、セブン&アイ・ホールディングス傘下の通販大手である。今回、同社は一部の商品における、送料の引き上げに踏み切ることを決定した。宅配便最大手のヤマト運輸が、大口顧客の約1000社に対して求めている、宅配運賃の値上げを受けての措置だ。

ヤマト運輸の対応による大きな変化

 ニッセンは、料金を5月24日の注文分から、通常送料390円(税別)だったものを490円(税別)に改定した。100円ほど値上げする計算である。ニッセンは配送業務をヤマト運輸に委託しており、ヤマト運輸が大口顧客の約1000社に要請している割引率の引き上げなどに対応したようだ。
 ニッセンは「弊社内でのコストアップ分の吸収に努めてきたが、送料価格の維持が困難な状態となった」と説明し、ECサイト上で料金値上げへの理解を求めている。近年の配送コストの上昇に伴い、送料の値上げを実施することにしたという。

 ECサイトから5000円(税別)以上の購入をした場合、通常送料が無料となるサービスは今後も継続。なお、ニッセンでは、3000円(税別)以上の購入をした際に、通常送料・手数料が無料となる「セブン-イレブン店頭受取りサービス」を展開。グループインフラを活用した受け取り方法も提案している。

健全な発展のためにも、変化の時か

 ニッセンは2010年、ヤマト運輸から日本郵便(当時は郵便事業)へ配送業務を変更。その後、2016年に配送サービスを、再度ヤマト運輸へ変更していた。再びヤマト運輸に配送業務を委託したニッセンでは、メールアドレスを登録している消費者に、ヤマト運輸の「宅急便お届け予定eメール」で配送予定日を告知するなど、ユーザーのライフスタイルの多様化に対応してきた。

 ヤマト運輸の労働環境の変化に伴い、これまでは配達時間の指定などで変化を要してきた。それに引き続き、運賃の値上げという新たな発表がなされたことで、ECサイトにも与える影響が出てきている。今回の値上げが、EC含め、業界全体の健全な発展につながることを願ってやまない。

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