急成長の越境ECプラットフォームShopeeとは?今熱い東南アジアの越境EC市場に迫る
急成長している東南アジア・台湾へ越境ECを試みようとしているEC事業者が増えているが、今注目を集めている越境ECプラットフォームが「Shopee」だ。
今回、ペイオニア・ジャパン株式会社(以下、ペイオニア社)とShopeeが共同開催した越境ECセミナーの一部を抜粋し、Shopee、そして東南アジア市場についてお伝えしようと思う。
3年で総流通額70倍!越境プラットフォームShopee
Shopeeは東南アジアおよび台湾で急成長しているECモールだ。現在、台湾、シンガポール、インドネシア、たい、ベトナム、マレーシア、フィリピンの計7カ国で展開しており、アプリのダウンロード数は1億を超える。
Shopeeは、サービス開始当初、フリマアプリとしてリリースされたが、東南アジアのユーザーも増え、商品数を増やすために韓国、台湾、香港、そして2018年に日本でセラーを本格募集している。
2015年12月と2018年同期の総流通額を比較すると70倍、オーダー数も80倍へと増加しているのだが、越境ECの割合の成長幅には驚きだ。
登壇した廖 晨希(リョウ シンキ)氏によれば、Shopeeの魅力は手数料が無料であること、そして送料リベートの仕組みを上げる。セラーはリスクを抑えて、東南アジアへの越境ECが可能となるのだ。
また、他言語支援も充実しており、英語以外の言語に関しては英語情報からの邦訳が可能、また日本語対応可能な専属のアカウントマネージャーもいるそうで、英語圏以外への展開も安心だ。
Shopeeが語る東南アジア・台湾の魅力
日本のセラーにとって、東南アジアと台湾はどのような部分が魅力なのだろうか。廖 晨希氏はこの両地域が持つポテンシャルについて次のように語る。
まず1つ目として挙げられたのは東南アジアのGDPの成長率だ。若い世代が多いためか、まだまだ成長段階ではあるが、今後さらなる成長を見込んでいるという。2つめはモバイル普及率の成長だ。東南アジアの人口は6億人を超えているが、そのうちの半数以上、3.5億人がインターネットユーザーであり、そのうちの90%以上はモバイルを通してインターネットを利用しているという。
そうした土壌もあり、東南アジアでのEC市場は急成長。東南アジア6カ国のインターネット経済規模は2025年に2400億ドルを超える見込みだ。中でもシンガポールやマレーシアでは、個人輸入における関税負担を避けるためや日本製品への信頼などもあり、越境ECの比率が他の地域よりも高いのだという。また、中国などに比べて政治リスクが低いことも注目したい点だそうだ。
では、どのような商品が人気なのかというと、取引量として多いのはやはり美容健康食品が人気なのだという。その他のジャンルでは、電化製品であればゲーム関連や生活家電、子供用品ではベビーファッションやフィギュアなどが有力商品だそうだ。また、家庭用品では浄水器や空気清浄機が人気だという。
第一部ではその他にも、Shopeeで売り上げをアップさせるコツなどが語られ、Shopeeの魅力が満載に詰め込まれた講演内容であった。
そして、第2部で登壇したのはペイオニア・ジャパン株式会社の金城樹里氏。
現在、日本セラーがShopeeでの売り上げ金を受け取る場合は『Payoneer』を使用する必要があるとのこと。しかし、『Payoneer』のストアマネージャーというサービスを利用すると、一つのマーケットプレイスで複数のストアを持っている場合でも、各ストアの売り上げ金額が明確にできるということで、利便性の高さを強調する。
他にも、ペイオニア社が開催するイベントや現在実施中の友達紹介キャンペーンなど、『Payoneer』の最新情報が告知された。
出店者2名とShopeeによるパネルディスカッション
第3部では実際にShopeeを活用しているワールドトレーディングのチェ氏、クライアントの支援をするとともに、自社でもShopeeを活用しているトゥルーコンサルティング株式会社 代表取締役の萱沼氏、Shopeeのシニアコンサルタント 三宅氏に3名によるパネルディスカッションが展開。
その中でも両者が口を揃えたのはShopeeのサポート体制についてだ。「出店したものの、何を最初にやればよいかわからないと思うのですが、Shopeeは本社の方々がサポートをこまめにしてくれています。出店の時だけでなく販売を始めてからも、プロモーションのアドバイスや現在売れている商品の情報などを教えてくれる。これは短期間で成果を出すには大事な要因です」とチェ氏。
また、萱沼氏も「他のモールも経験して思うのは、対応が一番しっかりしています。Shopeeではタイムセールが非常に効果的ですが、そういうものに出したくてもわからない時、積極的にShopeeが声を掛けてくれる」と語る。
両者による東南アジアやShopeeを実際に使用しての感想なども多数上がり、参加者にとっても具体的な話を知ることのできる貴重な機会となった。
5月にはインドネシアとタイへも展開可能に
昨年、日本セラーの募集を本格開始したばかりであるものの、急成長している東南アジア・台湾への越境ECが可能ということで、日本国内でも注目の存在だ。
現在、日本セラーの進出可能国はシンガポールと台湾の2カ国だが、5月にはインドネシアとタイへの進出が可能となる予定だ。また、ベトナムやマレーシア、フェイリピンなども調整中とのことで、今後も東南アジアへの各国への幅広い展開が可能となるだろう。東南アジアへの越境ECを考えているのであれば、選択肢の一つとして検討をしてみてはいかがだろうか。