中国発、越境EC支援プロバイダーが【三銀河】として日本進出

ECのミカタ編集部

中国興長信達科技発展有限会社(中華人民共和国北京市、総経理:張偉)は、日本支社の「株式会社三銀河」を設立した。

ECにおける中国市場進出をサポート

中国興長信達科技発展有限会社(以下「同中国本社」)は、2022年2月、日本企業に対する中国越境EC代理運営サービス等を提供する日本支社の「株式会社三銀河」(以下:三銀河)を設立した。同中国本社は、2000年北京で創業されたECソリューション企業だ。

中国本土および香港にデータセンター・物流・倉庫を兼ね備えワンストップECサービスを提供している。これまでに複数の世界大手ブランドをはじめとした有名商品のEC販売を通した中国市場進出をサポートしてきた。

さらに、中国本社は天猫国際(Tmall-Global)、天猫(Tmall)の出店企業におけるサポートの運営代行企業「TP(TmallPartner)」としてアリババによる最高級評価である6つ星運営プロバイダーの認証を2018年より連続で獲得しているとのことだ。

事業内容・提供サービス

事業内容・提供サービス

三銀河は、日本ブランドの天猫(Tmall)や天猫国際(Tmall-Global)等の中国ECプラットフォームでのブランド旗艦店開設・運営を始めとし、中国においてブランドの認知度を向上し、売上に繋げるようなデータ分析・戦略的デザイン設計、Wechatミニプログラム/Redbook等のマルチチャネル運営などのマーケティングソリューションを提供するという。

また、既にTmall-Global等に旗艦店を出店されているブランドのキャンペーン企画、広告ツール、ライブ配信を含むコンテンツマーケティングなどによるプロモーション活用の支援も行うとのことだ。日本ブランドの中国代理会社として、または提携パートナーとしてブランドの出店費用やブランディング投資をケースに応じ、様々なスキームで対応するとしている。

◆中国ECプラットフォームでのブランド旗艦店運営事業

興長信達は、公式ショップおよびT-mall・T-mall-Global・JD等のECプラットフォームでのブランド旗艦店店舗開設および運営のための全面的なサービスを提供。

◆データ分析・マーケティング

優れたデータ技術に基づいて、ブランド向けのカスタマイズされたデジタルマーケティングソリューションを提供。様々なチャネルリソースを統合し、商品購入過程の全局面において正確かつ効率的な、追跡型マーケティングシステムを確立している。

異例となる中国側プロバイダーの日本進出

三銀河は、同中国本社の支援体制を背景に、日本に拠点を置くことで、より日本企業の課題を身近に解決し、出品商品の魅力を正確にユーザーへ届けることを目的として設立されたとしている。

中国は、いわゆる「チャイナリスク」が顕在化する一方で、EC化率が世界でもトップクラスとなっており、14億人超の人口と、その1割とも言われる富裕層を擁する有力なマーケットであることに違いないだろう。しかし日本国内にいながら中国現地ユーザーのトレンドやニーズを的確に把握することのハードルは、けして低くない。

また中国越境EC市場は競争も激しく、ブランドの認知度なくしては、天猫国際(Tmall-Global)等に出店し商品を掲載しても、商品の売上に結び付く保証もない。こうした課題を解決するために、TP(TmallPartner)企業には、中国国内に事業拠点があり、ローカルの視点からTmall-Global・Tmallの運営スタイルおよびデータ構築に熟練したスキルと実績が求められることにもなる。

そうした背景からECソリューション企業が中国に拠点を持つケースは多い。今回、それとは逆に異例の中国の大手ECプロバイダーによる日本進出となった。その意味でも同社が日本企業・日本のブランドにどのように受け入れられていくか、お手並み拝見となりそうだ。

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