潜入!KDDI ∞ Labo発表会。靴のECで世を変える

石郷“145”マナブ

 KDDI株式会社(東京都新宿区 代表取締役 田中 孝司 以下、KDDI)は東京都渋谷区のヒカリエで「KDDI ∞ Labo(ケイディーディーアイムゲンラボ)」第8期プレゼンテーションと、優秀なビジネスアイデアを表彰するレセプションを開催した。

 KDDI ∞ Laboとは、2011年8月から革新的なインターネットサービスのアイデアを有するスタートアップ企業やエンジニアを対象としたプログラム。そうした企業が出すアイデアのうち魅力的なものは、KDDIからのサービス開発・経営サポート等の支援をする他、メンタリング企業・サポート企業から成るパートナー連合15社からの支援を受け、3カ月間で事業を立ち上げようというわけだ。日の目をみないジャンルやアイデアに光を当て、ビジネスへと変えていく、先進的な企画なのである。

 その企画の第8期のアイデアの披露の場とその成果、そして、その中で優秀なものを表彰する。会場には、勿論、投資家もいるので、ここから世界を変えるビジネスとなることもあり、ECを考える上で弊社記者もそのイノベーションをキャッチするべく、この現場に潜入したのである。

 幾つかの企業によるアイデアの発表の末、表彰の時間となった。オーディエンス賞、最優秀チーム賞W受賞となったのは、株式会社シンデレラ(東京都足立区 代表取締役 松本久美 以下、シンデレラ)のアイディアからなる「シンデレラシューズ( http://www.cinderella-shoes.jp/ )」というものだ。

 多くの女性が悩むハイヒール。大切な日だからお気に入りの靴を選んだのに、駅までの5分が耐えられない程痛い、などの経験が、女性にはよくある。多くの女性の靴の悩みの一つとして、フィッティングにこだわった靴は「デザイン的に」「価格的に」合わないということが多く、デザインを重視すると、その逆で、フィッティングがイマイチである。足は、単純に何cmというレベルではなく、高さや厚み、幅など、本当に、フィットするのにめぐり合うのは大変、という理由からなのである。だから、フィッティングとデザイン、どちらか諦めざるをえない。

ECで蓄積された靴のデータが今ここに生きる!

 そこでシンデレラが着目したのは、ECの中にある莫大な靴の数。シンデレラ側で足のサイズを診断し細かな部分に至るまで足の情報が把握できれば、それを莫大な靴のデータと紐付けしてすべてが納得出来る靴を提案できるのではないか、としたわけである。そもそもシンデレラは、シンデレラシューズというECをやっているので、そのデータも揃っているというわけだ。

 これにあたっては、スマートフォンで足の写真を撮り、それをアルゴリズムによってWEB上で形状マッチングさせ、ぴったりの靴をレコメンドするというものだ。
 このアイディアをビジネスとして、具現化のために、大量の靴のデータを計測分析できるように、KDDI画像解析の技術を活用。また、実際に多くの人のフィットする足のパターンを出していくために、三井不動産の協力を得て、測定会の一足一足チェック、そうした企業の様々な支援をもって、このアイディアが具現化できたというわけだ。
 いよいよビジネスとして成立したところで、「シンデレラシューズ」がまもなく多くの人へサービスとなる。
 まだまだ、本当はビジネスになりうるアイディアが、世の中で開花せず、眠っていることがあるかもしれない。一つのアイディアが多くの人を喜ばせるビジネスに化ける可能性に目を向け、その支援の機会を与える「KDDI ∞ Labo」がECに革新を与えるかもしれない。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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