中国「独身の日」商戦をアプリ視点で振り返る!(アップアニー調べ)

ECのミカタ編集部

当日に向けて増えるアプリDL数!買い物もアプリで便利!

 App Annie(以下「アップアニー社」)は、Alibaba(以下「アリババ」)の11月11日「独身の日」商戦をアプリ視点で分析したレポート、「アプリ視点で振り返る、中国「独身の日」の爆買い」を発表した。

アリババの今年の11月11日「独身の日」商戦は24時間の取引額が前年比59.7%増、過去最高の1兆7600億円にものぼった。

アップアニー社によれば、消費者の奪い合いは11月11日より以前から始まっていたという。モバイルショッピングが売上を牽引している中国では、ショッピングアプリがユーザーとの関係を構成するための新たな主戦場となっている。

アリババのTaobaoやTmall、およびその競合など、Eコマース大手のアプリは、11月11日のセールに向けて消費者の関心を引くために、アップデートを数週間前から実施。「11.11」の日付がすべてのアプリのアイコンに追加され、来るイベントに向けて多くのユーザーから注目を集めた。

昨年、人気ショッピングアプリは11月11日が近づくとダウンロード数の増加が見られたが、iOSで今年新たに追加された「ショッピング」カテゴリーでも同様であった。アップアニー社が提供する、世界最大のアプリストア情報データベース「Store Stats」を見ると、TmallのiOSにおけるダウンロード数ランキングは、11月11日までの数週間に急上昇している。同アプリは10月末には50位台であったが、11月11日前には2位まで上昇した。

11月11日当日には、中国のiOS App Storeの無料アプリが上位6位のうち、5つが「ショッピング」カテゴリーのアプリとなり、この「独身の日」がいかに中国の消費文化に浸透しているかがわかる。

アップアニー社によれば、アリババにとって今後の成長のカギは中国の外にあるという。例えば、中国のローカル販売業者を国外の積極的な消費者と結びつけるAliExpressもまた、11月11日の波に乗っているが、同サービスはすでにスペインやロシアなどで人気を得ている。ロシアでは11月11日に現地小売業者の一部にプラットフォームを解放するなど、AliExpressは中国以外の主要都市にも着実に進出を果たしている。「Store Stats」で見ると、同アプリのダウンロード数ランキングはこの時期、主にGoogle Playのブラジルやインドといった重要な市場で急上昇している。ちなみに、ブラジルとインドはこの時期、主にGoogle Playでそれぞれ2番目と3番目にダウンロード数が多い市場だ。

中国における11月11日商戦の成熟に伴い、現地の小売業者はグローバル市場に目を向けつつある。今後は、中国のEコマース大手が国外の消費者をターゲットにしてプロモーションが増えるかもしれないという。その一方では、中国の消費者の高い購買力の恩恵にあずかるために、国外の競合各社も中国の商戦に参加を試みていくだろう、とレポートは締めくくられる。

ショッピングアプリのダウンロード数が11月11日に向けて増加していることからも、「独身の日」の盛り上がりが伺える。そして、多くの人がウェブ上だけでなくショッピングアプリで買い物をしているということもわかる。スマートフォンの普及によって、アプリで買い物をする人は珍しくなくなった。

日本でも様々なショッピングアプリがリリースされている。ウェブとはまた異なったアプローチができるアプリだからこそ、他のショッピングアプリとの差別化が必要になりそうである。


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