【続報】Yahoo!ロコ×NEARLY対談〜リアルの“ネット化”

福島 れい

先日のヤフーの記事に続く第2弾!!

18日月曜に【速報】Yahoo!ロコ×NEARLY”店頭”情報追加!(http://goo.gl/MQQBqi)として、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)と株式会社ipoca(以下、ipoca)の業務提携に関する記者発表の模様をお伝えした。今回は、その記者発表の第2部として行われた特別対談「スマートデバイスの普及がもたらす集客、購買活動の変化について」からECショップと関係が深い内容をお届けする。

特別対談に登壇したのは以下の6名。
〈モデレーター〉
飯嶋 薫 氏(一般社団法人 日本ショッピングセンター 理事)
〈登壇者〉
山口 正人 氏(JR西日本SC開発株式会社 代表取締役社長)
佐藤 和弘 氏(株式会社東急モールズデベロップメント グランベリーモール総支配人)
津森 暁史 氏(ヤフー株式会社 メディアカンパニー 生活メディア事業本部長)
一之瀬 卓 氏(株式会社ipoca 代表取締役社長)

リアル店舗が抱える課題にみる、ECショップの未来

リアル店舗が抱える課題にみる、ECショップの未来

一之瀬氏によると、既存の情報発信と集客の方法は上記の図のようになっているという。スマートデバイスの普及により情報取集の場がインターネット上に、街中に移動しているにも関わらず、それに十分に対応できていないというのがリアル店舗の課題だ。このリアル店舗の課題を補う存在がECショップといえるだろう。顧客は検索エンジンやモールで欲しいものを検索するだけで、購入までたどり着くことができるため好んでECショップで購入する顧客も多い。

対談の中で一之瀬氏は、ライト層、つまり特定の施設の情報をチェックしないユーザーに対して「店に来て買ってもらうための情報提供が必要となる。」と話し、このライト層向けのインターネット上での情報提供を行うのが、NEARLYであり、今回の業務提携はこれを強化するものであるというわけだ。これは考え方によってはECショップのライバルとなりかねない。

今後Yahoo!ロコに掲載される店頭情報が強化、普及することでインターネット上で、実店舗の情報が入手しやすくなった結果、ライト層がどのような動きをとるのか、注目すべきだろう。

また、津森氏は上記の図で各情報提供手段、集客方法の時間と距離のイメージを説明する。NEARLYは店舗そのものの情報と売り場の棚、まさに商品が置かれている場所の中間に位置する形の情報提供の場ということだ。

この図にECショップを追記するとしたら、NEARLYと売り場の間に配置できるように思う。というのも、ECショップは情報を得たその場で購入できるという意味でNEARLYよりも売り場に近いと言える。しかし、実際に商品に触れることができない、購入してから商品が手元に届くまでに時間がかかるという意味では、リアル店舗のほうが購入に近いだろう。このように考えてみると、分かりきっていることだが、ECショップ、リアル店舗双方に良さがあり、欠点もあることを改めて実感する。ひょっとすると近い将来、ECショップで売れるものとリアル店舗で売れるものがはっきり別れてくるかもしれない。

また、角度を変えると、リアル店舗がショールームのような役割を担い、商品はECで購入する日が来るという話も耳にする。これはリアル店舗よりもECショップのほうが利益率が高いことが大きな理由の一つだが、ECショップ向けのモールYahoo!ショッピングを展開するヤフーがECと並行してリアル店舗での事業に力を入れていることをみると、ECとリアル店舗の垣根がほとんどなくなる日がくるかもしれないという予感もしてくる。

今後ECショップの売り上げ拡大を目指していくには、EC業界だけでなく、リアル店舗を含む、顧客から見た「購入」という行為が発生するすべての場の動向を敏感に察知してくべきだろうと思う。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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