LINE、四半期業績発表。営業収益341億円へ

利根川 舞

LINE、海外でも急速に成長

 LINE株式会社(以下「LINE社」)が2016年1月−3月期(Q1)の業績を開示。LINE社全体の営業収益は341億円(前年同期比21%増)となった。また、基幹事業であるLINE事業単体の2016年1-3月期の売上収益は309億円(前年同期比22%増)となった。

 全体の営業収益に占めるサービス別の割合は、広告35%、コンテンツ35%、コミュニケーション22%、その他6%、その他の営業収益2%となり、なかでも広告の割合は2015年Q1に30%だったものが2016年Q1に35%へと増加するなど、海外を中心に急速に伸長している。

広告分野の売り上げ額が順調に拡大!

広告分野の売り上げ額が順調に拡大!左:LINE株式会社 業績推移 右:サービス別の割合

 広告の分野では、日本・タイ・台湾など主要国を中心に広告分野の売上額が順調に拡大し、事業全体がバランスの良い収益構造に変化している。

 従来のLINE公式アカウント・スポンサードスタンプ・LINEフリーコインなどの広告商品に加えて、日本ではニュース配信サービス「LINE NEWS」の広告メニューや、2015年12月より開始したLINEのタイムライン上での広告配信が好評を得ているという。

 今後、LINE社の連結子会社であるM.T.Burn (エム・ティ・バーン) 株式会社(以下「M.T.Burn」)が保有するスマートフォン向けネイティブ広告プラットフォーム「Hike(ハイク)」を基盤とした広告配信システムに移行し、LINEのタイムラインなどを掲載面とした、より詳細な属性・興味関心分野に基づく運用型広告を2016年6月より開始する予定だ。

 コンテンツの分野では、コンテンツサービス分野の主軸であるLINE ゲームにおいて、2016年1-3月期にミッドコア領域を中心にグローバルで2タイトルを新たにリリースしたほか、2015年12月にリリースした自社製タイトルである農場ゲーム「LINE ブラウンファーム」が堅調に利用者数を伸ばしており、約4カ月で222万ダウンロード(2016年4月6日時点)を記録。

  また、定額制オンデマンド型音楽配信サービス「LINE MUSIC」では、LINEアプリと連携し2月にLINE MUSIC収録曲の中から好みの楽曲をLINEアプリ内のプロフィール画面に設定できる「BGM設定機能」の提供を開始し、導入前後でデイリーアクティブユーザー数(DAU)が4倍以上増加。今後は、キャンペーン等を通じて、さらなるユーザー数の拡大を目指していくという。

 このほか、動画配信事業においては、日本で展開しているライブ配信プラットフォーム「LINE LIVE」を通じ、映画会社やテレビ局と連携したコンテンツを増やしており、2015年12月10日のサービス公開より3ヶ月間の延べ視聴者数が累計1億人を突破するなど、多くの視聴者数を獲得している。さらに、タイと台湾で展開している「LINE TV」においても、順調に視聴者数を伸ばしており、同時に収益化も進んでいる。

 コミュニケーション分野においては、主軸であるスタンプの売上が公式スタンプ、クリエイターズスタンプともに国内外で堅調に推移している。また、直近では、ユーザーがLINEの「着せかえ」(LINE全体の画面デザインを変更することができる機能)を制作・販売できる「クリエイターズ着せかえ」の販売を4月26日に開始、発売前までに登録申請された「着せかえ」は5,000セットを超えるなど高い反響を得ている。また、夏には新たなスタンプの形として、LINEのトーク画面全体を活用した「ポップアップスタンプ」の提供を予定しているそうだ。

 そのほかにも、公式アカウンを使ったニュース配信機能を外部メディア向けに開放する「LINEアカウントメディア プラットフォーム」のパートナーが増加し、今年3月には60メディアとなった。

 また、“スマホのおサイフサービス”「LINE Pay」においては、日本で3月24日から株式会社ジェーシービーとの協業により開始したプリペイドカード「LINE Pay カード」の発行を開始し、申込件数が受付開始から約2週間で20万件を超えるなど利用者数が急激に拡大している。

LINEの魅力とはいかに?

 月刊アクティブユーザー数がグローバルで約2億1,840万人となり、その中でも中東地域がユーザー数の増加を牽引している。

日本国内においても、気軽に利用出来るLINEは多くのところで活躍しており、LINEユーザーにリアルタイムに情報を提供できるサービス、「LINE ビジネスコネクト」を利用して、ユーザーに情報提供、商品購入の訴求を行っている企業は多い。

株式会社ジャストシステム(以下「ジャストシステム」)が行った、「SNSプロモーションに対する消費者動向調査」では、企業からの情報取集でLINEを一番利用するという結果が出ている。Eメールの開封率の低さに頭を悩ませている今、LINEを活用しない手はないのかもしれない。

今月末でフリマアプリLINE MALLの提供を終了し、「LINE@」上で月額システム利用料が無料のネットショップを持てる機能を追加するなど、時代の流れに即したサービスを提供しているLINE。

消費者同士のコミュニケーションツールとしてだけでなく、消費者と企業をもつなぐLINE。今月末でフリマアプリLINE MALLの提供を終了する一方で、「LINE@」上で月額システム利用料が無料のネットショップを持てる機能を追加するなど日々変化は止まらない。今後も引き続き動向に注目したい。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

利根川 舞 の執筆記事