商品開発に活きる、お客様の声

福島 れい

お客様の本音がアンケートでわかる

お客様の声をECサイトでの接客やサイトの構成、商品に反映しようという動きが高まっているように思う。お客様の声と一口に言っても様々な形が考えられるが、その一つとして「アンケート」がある。今回はアンケートからお客様の声を拾い、反映する、そんなサービスに注目したい。

 株式会社フェリシモは、『フェリシモ モノコトづくりラボ』というユーザー参加型サイトをオープンした。フェリシモは、色やデザインが異なる商品が毎月1つ定期便で届く「フェリシモ定期便〈コレクション〉」などを提供している。

『フェリシモ モノコトづくりラボ』 では、「アンケート」「雑貨大賞」「フェリシモ商品のモニター」「部活動」「座談会」などにおいてお客様の声を集め、商品やサービスに反映するという。アンケートの内容は「暮らし」や「家事」、「育児・介護」など生活に寄り添ったカテゴリに分類され、ちょっと気になるお客様の声が集まっている。こだわりのある商品を楽しみたいというユーザーに向けた商品を展開するからこそ、お客様の声を大切にする姿勢を持っているのではないだろうか。

 ECサイトでは直接お客様に接するシーンが少ないため、細かなニーズや要望は汲みとりずらいのが現状だ。『フェリシモ モノコトづくりラボ』では、「アンケート白書」としてフェリシモユーザーが回答したアンケートの結果なども公表されており、ユーザーの声を直接聞くことができる場としても活用できそうだ。

コールセンターを主体とする単品通販企業などにおいては、お客様との距離感が近いため、敢えて、商品開発において全く新しいものを開発するという形をとらず、購入者の声を取り入れて、商品開発をする事例も多く見られる。

 このフェリシモにおいても、定期購入を通じて、お客様との関係性が築かれているからこその「モノコトづくりラボ」なのだと思う。こういった企画を通して、一層の顧客との関係性を深めることが、フェリシモ自体の売り上げの土台を支えるという意味において、極めて大きな意味を持つに違いない。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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