「Spoke」人力翻訳で正確な多言語ECサイトを作ろう

ECのミカタ編集部

 越境ECと多言語WEB制作を手掛ける株式会社huddleは、36言語の翻訳者とWEBサイトを直接つなぐ人力翻訳支援ツール「Spoke」のベータ版サービスの提供を開始する。

注目される越境EC、対策はできている?

 日本政府観光局の調査によると、2015年の訪日外国人数は1974万人と過去最高を記録した。それに伴いEC業界でも、越境EC市場に対するアツい視線が寄せられており、ECサイトの多言語化など外国人に向けたサービスを充実させることが、越境ECを成功させていくための鍵となりそうだ。

 そこで、注目なのが「Spoke」。「Spoke」は、36言語ものネイティブ翻訳者をCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)でつなぐことで翻訳プロセスの自動化を実現し、機械翻訳には難しい正確な翻訳を1文字5円から24時間365日依頼できるサービスである。

 ちなみにCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)とは、Webコンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築したり編集したりするソフトウェアのこと。(出典:IT用語辞典

「Spoke」が実現するサービスとは

 機械翻訳では、対応のスピードは速いものの正確さに欠ける。なので、機械翻訳で間違った表現がなされたものをそのままECサイトなどに反映させてしまえば、ECサイト運営側は相手に伝えたいことを上手く伝えることができず、チャンスを逃してしまうということになりかねない。

 しかし、「Spoke」を利用すれば、人の手による翻訳サービスを得られるため、誤解を生むような表現やトラブルを必然的に避けることができる。

 また、HTMLを自動生成する機能により、これまで翻訳費用とは別に必要とされてきたHTML制作費用が不要となるので、多言語サイトのトータルコストを従来の1/3以上削減することが可能となるのだ。

 ベータ版についてはWordPressに対応しているが、今後はその他のCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)にも順次対応の予定。

機械の力と人の力の共存

 最近では、様々なAIやロボットなど、機械が人間の業務を担うシーンが多くみられる。そんな中でも、「Spoke」はあえて”人の力”を提供するサービスなのである。

 機械が発達するスピードは速く、今では街の至る所でAIロボットである「Pepper」を見かけるなど、その存在感は当たり前になりつつもあるのではないだろうか。しかし10年前であれば、現在のようなロボットと人間の共存はそこまで見られなかったのではないかと思う。

 機械が言語を翻訳することも、最初は人々に驚きを与えていたはずだが、現在では、翻訳結果に少しでも誤りがあれば、人々は納得できないはずだ。

 そういった便利さゆえに発生する問題に対処するためには、結局のところ”人の力”が必要である気がする。もちろん、機械の利便性を理解したうえで、人が行うからこその”正確さ”や”温かみ”は今後も活かしていきたいもの。

「Spoke」のように、人の力と機械の力をうまく融合させたサービスが、海外に目を向けた時代の流れに対応し、ECサイトに変化をもたらすことを期待したい。


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