鮮度命の商品をどう送る?日本初のジュースクレンズ通販

ECのミカタ編集部

「ジュースクレンズ」という言葉をご存知だろうか?ジュースクレンズとは、モデルやタレント、特に美容やダイエットに関心の高い女性の間で人気になっている、低温圧搾のコールドプレス製法で作る野菜の酵素ドリンクを飲んで行うファスティング方法だ。5月19日(木)、コールドプレス専門店be-es(ビーズ)が、業界初・日本初となるジュースクレンズのEC通販サービスをスタートした。だが、酵素ドリンクを飲むジュースクレンズは鮮度が命。通販においてその品質をどのように保っているのだろうか?その方法は、生鮮食品を扱う中小規模の店舗にとって、参考になる取り組みだ。

通販でわざわざジュースを買う理由

 ジュースクレンズは最初、専用のジューサーで自宅で作るものだった。だが、現代の忙しい女性にとって、ジュースにするだけの質と量の野菜や果物を毎日用意したり、ジューサーをセットしたりする時間を確保するのは、なかなかに大変だ。その後、ブームの流れもあって専門店もでき始めているが、店舗数は限られており、たとえばコーヒーのようにいつでもどこでも飲めるものではない。

 だが、ジュースクレンズの効果は美容・健康分野で大きな話題になっており、実践したいと思う人は多い。そんな状況と思いを汲み取ったのが、今回のジュースクレンズの通販だろう。サイトを見てみると、目的別の単品ジュースの他、お試し半日用・1日用・3日用・5日用とセットになったジュースもあり、レシピを考える煩わしさもなく、目的に合わせて、これを飲めば大丈夫という手軽さと安心感がある。

 決して安い値段ではないので、必要としない人はまず手を出さないであろう商品なのだが、必要とする人には、お金を出す価値を感じるという商品でもある。そこにマッチして、さらにニーズを深堀りしたところに、独自の戦略が感じられる。

生鮮食品、質を損なわずに届ける方法

 酵素ドリンクによるジュースクレンズは、鮮度が命だ。be-esでは、提携農家から毎日新鮮な野菜・果物を仕入れ、アメリカから取り寄せた専用のマシンでジュースを作っているようだ。これをパウチに入れ、冷凍で届くというサービスになっている。作り置きのしにくい商品であるので、注文に合わせた調整が必要になるだろう。実店舗がECへ、ECが実店舗へと連動する場合、はじめにデータさえ連動しておけば、在庫を調整できるという利点がある。be-esはもともと実店舗を運営しており、連動することで調整もしやすくなっているのではないだろうか。

 EC店舗が冷凍・冷蔵で配送を扱う場合、手間やコストがかかることがハードルになる。だが、今回の商品は、商品の性質として高価であっても価値を感じるユーザーが注文をするため、他の商品に比べそのハードルが下がるように思う。商品によっては、冷凍・冷蔵を利用するだけの価値が作れるということだ。また、be-esのような形態は、大量の注文には不向きで、規模が小さいからこそできる形態ではないだろうか。小さいからできないのではなく、小さいからこそできる。それが大ヒットしたならば、次のステップを考える必要があるが、まずECを始めたいと思っている店舗にとっては、今回のサービスはヒントになるものだと思う。


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