ユーザーの質問に瞬時に回答!「チャット」の活用法

ECのミカタ編集部

ユーザーの声を見失わないために・・・

 ECを運営していく上で、やらなければいけない業務がたくさんあり、大切なユーザーの声を見失うことがある。業務に追われていると、ユーザーの問い合わせが埋もれていき、質問に答えることができない恐れがある。それを防ぐために、開発されたコミュニケーション方法が「チャット形式」だ。このチャットを利用すると、簡単な接客を自動で行ってくれる。例えば、「○○の資料を出してほしい」と言うと、その資料を出してくれるように、欲しい情報をすぐに与えてくれる。

 ユーザーがECサイトを訪れる理由は、何だろうか。考えられる理由として、“欲しい商品を探しに来た”や“ECでしか買えない商品を買いに来た”、もしくは“ただ単に時間があるから覗いた”などが挙げられる。前者の2つは購入する確率が高いが、後者は確実に購入するとは限らない。それを購入に繋げる力が接客であり、チャットコミュニケーションだ。

 例えば、何気なく、商品ページを閲覧していた時に気になったことがあるとする。「その商品欲しいけど、○○が気になるから迷う」と思ったときにチャットがあったとしたら、おそらく、気になったことをチャットに書く。チャットということで返信が早いため、すぐに欲しい情報が入ってきて、それで気になることが解消されたら、そのまま購入に繋げることができる。

 チャットコミュニケーションの強みが“瞬時”に対応することだ。急いでいるユーザーも居るため、すぐに回答しなければ離脱する可能性がある。それを防ぐためにも、チャットコミュニケーションで瞬時に回答をすると、離脱を防ぐことができる。

“マナミさん”の登場により、丁寧な対応に!

“マナミさん”の登場により、丁寧な対応に!

 実際にチャットコミュニケーションを導入した企業がアスクル株式会社(以下、アスクル)である。アスクルが運営する「LOHACO」は、2014年9月からテキストベースのチャットを導入している。このチャットの際に登場するのが、人工知能チャットボットの“マナミさん”だ。可愛らしいキャラクターで親しみがあり、多くの人から愛されている。

 LOHACOは、売上が上がる度にユーザーからの問い合わせが増えていた。問い合わせの時間が午後6時で終わるため、それ以降の対応ができないことに悩んでいた。それを解決するために“マナミさん”を導入し、24時間365日問い合わせに対応できる体制を構築した。

 “マナミさん”は、ユーザーが入力した文章全体の意味を理解する「意味認識エンジン」と回答の基となるデータバースから最適な回答をユーザーに返すことで自然な会話を成立させる「会話制御エンジン」から出来ている。そのため、ユーザーとオペレーターが直接会話しているような感覚となる。ユーザーからも「回答について適切である」と好評だ。

 さらに、“マナミさん”の導入により問い合わせサービスデスクオペレーターの時間を創出し、オペレーターがより詳細かつ丁寧な対応が求められる問い合わせへの対応に注力ができるようになった。その結果、ユーザーの満足度向上と問い合わせ対応への高評価に繋がっている。

 LOHACOに限らず、問い合わせの時間が限られているECが多い。それは、24時間365日対応をすることは大変であり、そもそも、そのような余裕が無い。ユーザーの声に応えたいものの、対応ができなくても頭を抱えている人も居るだろう。その時こそ、LOHACOのようにチャットコミュニケーションを導入し、“マナミさん”のような親しみやすいキャラクターに対応を手伝ってもらうことも手段の1つだ。やはり、瞬時に適切な回答が返ってくることもあり、ユーザーの満足度が向上する。それにより、サイトの離脱を防ぐことができ、購買行動に繋がり、それが素敵な“接客”に繋がっていくだろう。


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