【徹底理解】エコ配!取締役会長 谷田大輔氏にも突撃取材

石郷“145”マナブ

エコ配の集荷場所は限定されており、自転車を主な配送手段としている。配送先は、全国に対応している。
配送サイズは、基本的には、レターケース(248mm×350mm)と宅配バッグ(400mm×320mm×110mm)の2種。
谷田会長が重要視しているのは品質の保持で、人に投資。ヨソではやらないことで、他 の同業者と差別化を図りたい。

エコ配のこと、どれだけ知っていますか?

 自転車を使った格安宅配便を売りにしている 株式会社エコ配(以下 エコ配)は、2015年度7月において創業以来の貨物取扱総個数が1億個を突破するなど、その存在感を現し始めている。改めてそのサービスについて検証し、また、取締役会長 谷田大輔氏にもお話を伺ったので、それもあわせてご覧いただければ、幸いだ。

 エコ配の集荷場所は限定されている。東京23区、愛知県(名古屋市)、大阪府(大阪市、茨木市、門真市、吹田市、摂津市、豊中市、東大阪市、松原市、堺市〈堺市南区はエリア外〉)、兵庫県(神戸市東灘区、神戸市灘区、神戸市中央区、尼崎市)、京都府(京都市中京区、京都市下京区、京都市上京区、京都市南区)に絞っており、自転車を主な配送手段としている。
 配送サイズは、基本的には、レターケース(248mm×350mm)と宅配バッグ(400mm×320mm×110mm)の2種。

 集荷エリアを限定することで効率良く荷物を届けられ、荷物のサイズも通常の宅配便であればバラバラであるところを同社は標準化しているため、一度に沢山の配送を実現可能にしているのだ。

 配送先は、全国に対応している。エコエリア(東名阪エリア<◎下記参照>※一部山間部や離島については、中継料金が必要な地域や配達不能な地域がある)は、390円。その他、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県(エコエリア除く)、三重県、滋賀県、京都府(エコエリア除く)、兵庫県(エコエリア除く)、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県であれば、490円。北海道、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県・鹿児島県であれば、590円となる。ちなみに、沖縄県(沖縄本島に限る)は、1590円だ。

◎エコエリアとは
東京都(※離島はエリア外)、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県(名古屋市)、大阪府、兵庫県(神戸市※一部六甲山山間部はエリア外、伊丹市、尼崎市、明石市、西宮市、宝塚市、芦屋市)、京都府(京都市※京都市右京区京北及び一部山間部はエリア外、向日市、宇治市、八幡市、城陽市、長岡京市、乙訓郡 大山崎町、久世郡 久御山町)奈良県(※吉野郡はエリア外)

 また、特筆すべきは、冒頭に触れた通り、貨物取扱総個数が1億個を突破したことを記念して、9月末日まで、エコエリア内の配送料を創業当初の価格250円にする「250 EXPRESS」キャンペーンを開催。こうした機会を通して、エコ配の良さをトライアルで実感してみてもいいのかもしれない。

取締役会長 谷田大輔氏に聞く〜健康機器メーカー「タニタ」トップ経験者がなぜ物流?

なお、特別に取締役会長 谷田大輔氏にも話を伺った。谷田氏は、株式会社タニタ(以下、タニタ)の代表取締役として、その手腕を発揮して、タニタを健康機器のトップメーカーにまで育て上げた人物。2010年より、エコ配の取締役会長に就任している。

■なぜ健康機器のメーカーのトップだった方が物流に興味を持ったのか?
谷田氏「タニタにいても、10年以上前から物流への関心は強かったです。商品も問屋だけにまとめて送っていた時代もありましたが、次第に細分化されて、最終的には個人に送るようになっていき、物流に目を向けざるを得なくなった。また、営業所も全国に増やす上で、各営業所に物流の機能をもたせたところ、逆に、高くつくことが分かった。結果、タニタは物流拠点を新潟で一本化しました。東京へも、仙台へも、名古屋へも都合が良いんですね。この物流拠点にも、あるキッカケがありまして。問屋が「タニタは、朝一番に商品が出荷されているかもしれないが、届くのは昼過ぎじゃないか。岡山の同業の会社から出荷されたものは、もう朝に着いている」というんです。物流をいかに工夫するかは、企業のあり方そのものにも影響するなと。このようにして、物流の意味なり、重要さを、事業を続けるほどに、痛感していったのです」。

■なぜ、エコ配に興味を持ったのか?
谷田氏「私も、企業としてはユニークなこと、ヨソがやらないことをやってきたんですね。そこで、たまたま、エコ配もそうだった。当時、250円で、東名阪しかやらないという密度の濃いところだけやっているというところに、惹かれて、私も出資させていただいた。やってみてると、物流業というのは取引先の大きさも本当に様々で、それだけ取引先の気持ちも様々です。その中でより良きサービスと存在感を出していくか、これは大変だぞと思いました。私が加入してからの話ですが、配送先を東名阪から少し拡大して、全域を取り扱おうとしていった時、価格をどうしても当時250円で死守しようとしてきた、けど、やっぱりそれができなくて、差別化という点で、何を優先すべきか考えたりしましたね」

■エコ配に入られてから一番重要視していることは?
谷田氏「品質の保持ですね。どうしても人間がやっていますので、間違いとか、対応の悪さということは生まれる可能性を秘めています。働く環境を整える必要があるけど、そこで設備投資をするとお金もかかる。でも、実際、どこにお金をかけているかと言われれば、弊社においては、人の部分が占める割合というのはとても大きいと思います。」

■今後の方向性は?
谷田氏「まずは物を届けるというシンプルな行為をどうやって合理的にできるか、なのだと思います。荷物のサイズであったり、重量の制限を明確にして標準化することで、そこの部分を徹底し、効率化をはかる。その上で、ヨソのできないサービスをどれだけ模索して差別化できるかだと思います。労働習慣が変化し、女性の在宅時間が変わっていたり、社会の変化は色々あります。物流自体の考えるべき点は、常に変化している中で、他と差別化できる要素をどれだけ作って、お客様にとって使いやすいサービスと思っていただけるか、ここが要なのではないかと思います」

 「ヨソではやらないこと」がキーワードの谷田氏。日々変化する物流業界の中で、エコ配は今後、ヨソではやらないどんなサービスで、どう存在感を見せてくれるか、期待したい。

構成:石郷“145” マナブ


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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