Amazon決済の効果は?FutureShop2導入企業に聞く!(フューチャーショップ調べ)

福島 れい

Amazon ログペイ、94%が効果を実感!

株式会社フューチャーショップ(以下、フューチャーショップ)は「FutureShop2」に「Amazon ログイン&ペイメント」をオプション追加して4か月経過したことを受け、導入や利用の状況について調査し、その結果を発表した。

フューチャーショップでは、2015 年 9 月 1 日に「Amazon ログイン&ペイメント」を利用できるオプションサービスをリリースし、それと同時に4か月間に渡って導入キャンペーンを実施した。その間に導入意向を示したのは、451店舗。それらの店舗に対して同年12月中旬にサービス継続の意思確認とアンケートを実施したところ、301 店舗(回答率 67%)の回答を得、そのうちキャンペーン期間内に実際に稼働した店舗数は 229(稼働率 76%)であった。さらに稼働した店舗のうち、キャンペーン後も「継続する」意向を示した店舗数は 216 となり、94%の店舗が継続して導入する結果となった。

実際に導入した 83%の店舗が「効果を感じた」、または「見込めそう」とアンケートに回答しており、肯定的な意見が高い割合を占めている。継続理由として最も多かった選択肢は、「今後の売上増加が見込める」で約半数が回答した。さらに「受注額が増加した」「カゴ落ちが改善した」と続いた。

また、継続されなかった理由としては、「利用率が低かった」や「手が回らず試せていない」などが挙がった。フューチャーショップは「決済処理が面倒」という回答に対して調査期間中において FutureShop2 では決済処理の一括機能を実装していなかったことによるものとし、これについては2016年1月27日より済処理の一括処理機能を提供するとしている。

Amazon ログイン&ペイメントとは、Amazonアカウントを利用することで配送先情報やクレジットカード情報の入力が不要となるサービス。ECショップで購入する際の手間が減少することで、回答にもあるように「かご落ちの改善」や「売上アップ」を見込める。

最近では電車の中などの外出先からスマートフォンを使ってネットショッピングを楽しむ人も増えていることを考慮すると、簡単に、スムーズに決済まで終えられることは非常に重要になってくる。ECショップが売り上げを上げるには、多様な決済手段を揃えておくことが求められていると感じる結果と言えるだろう。

EC サイト来訪者の利用状況や導入効果

EC サイト来訪者の「Amazon ログイン&ペイメント」の利用状況や導入効果を測定するために、3つの調査・分析を行った。

まず、”利用状況”に関して、 2015 年 12 月 1 日~31 日に「Amazon ログイン&ペイメント」を決済手段として提供していた 260 店舗を調査した結果、全決済に対する「Amazon ログイン&ペイメント」を利用した割合は平均 30.18%となった。この結果は前回の調査より1ポイント向上しており、サービスのリリースから時間が経過し、消費者の認知度が上がったことによるものと分析している。

また、”導入により新規会員登録数が増加したか”を検証するため、 2014 年 12 月に月間流通総額 100 万円以上を達成した店舗で、現在も継続利用している店舗の中から約 600 店舗を無作為に抽出して調査し、2015 年 12 月の新規会員登録数の増加率を調べた。新規会員登録数の増加率は導入済店舗で平均151%、未導入店舗で平均110%、全体で119%となった。これに加え、2015 年 12 月は新規購入顧客全体で「Amazon ログイン&ペイメント」を利用して会員登録を行った割合は 44.67%という結果も出ていることから、フューチャーショップは、Amazon アカウントを持っている EC サイト来訪者が Amazon 以外のサイトでも利用したため新規会員数が増加したと分析している。

受注件数への影響も調査しており、2014 年 12 月と 2015 年 12 月を比較した受注件数の増加率を見ると導入済店舗で平均124%、未導入店舗で111%、全体で114%となっている。各店舗が行った施策はそれぞれ異なり、さまざまな要因が影響しているものの、取り組みの1 つとして「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した店舗は導入していない店舗より 「月間受注件数」が増加していると、明らかになった。特に、スマートフォンからの受注件数は導入済店舗が 25 ポイントも高いなど、高い効果を示した。

フューチャーショップはこれらの理由として、自社 EC サイトでこれまで課題の一つであった、購入までのハードル を「Amazon ログイン&ペイメント」導入によって下げることができたのではないかとしている。

購入者にとってAmazon ログイン&ペイメントは”情報入力の手間の減少”と”Amazonブランドに対する安心感”という2つの意味を持つのではないだろうか。Amazon ログイン&ペイメントの導入により、これまで情報入力が面倒だから、情報流出の心配があるからと入力を嫌がり、別のECショップに流れていた来訪者を、自ショップに留められていることが調査結果から読み取れる。

前評判の高かったAmazonログイン&ペイメントだが、実際店舗の声を聞く限りにおいては、その期待に応えるものだったと言えよう。今後様子見をしている店舗がどれだけ、Amazonログイン&ペイメントを利用するか、がEC業界の未来を左右しそうな予感がする。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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