拡大する中国EC市場 アパレルを引き金にさらなる加熱へ

EC全体のクオーターマーケット イベントで明るみに出た金額規模

中国の新華社通信によると2013年のアパレルネット取引は、中国の総オンラインショッピング市場の23.1%を占め、前年比42.8%増の4,349億元の規模に達し2014年もほぼ同様の増加傾向を維持すると報じた。

中国服装協会の陳大鵬常務副会長は、
「アパレルのネットショッピング市場は着実にネット取引市場シェアを占め、規模を拡大している。また、モバイル端末を使用したネットショッピングにおいてもアパレルは急速な発展を見せている」
と見解を述べた。
一方で、アパレルネット取引市場発展のボトルネックも存在し、セキュリティリスクのある支払い、不足気味なマーケティング、物流・流通システム開発の遅れなどが挙げられた。システムが完璧に成熟しきる前だからこその市場成長速度という背景はあるものの、プラス的な側面だけでなくまだまだ改善の余地は見える。

これは9月4日に開催された中国服装大会で明らかになったもの。今年のアパレルネットショッピング市場規模は6,153億元と前年比41.5%の伸びをみせる見込みであるとしているが陳大鵬氏の指摘するように更なる市場発展にはボトルネックとなっている問題の解決が必要となるだろう。

具体像を結び始めたアジアEC市場 今後さらに見える化する数値に期待

中国企業の阿里巴巴集団がアメリカで上場したり、各国EC企業の見せる積極的な市場参入など、昨今のアジアECの急速な発展にはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いが見て取れる。日本からも、オートバックスセブンが阿里巴巴の運営する海外企業向けECサイト「Tモール・グローバル」へ出店するなど、話題にあがる機会が非常に増えてきている。
その一報で、全体像は見えるものの細部にはなかなか具体的な数値をともなうデータが出にくいという、漠然とした不透明さは否めなかった。今回、具体的な数値が見え始めてきたことにより、さらなる市場発展につながる改善点なども明確化してきた印象を受ける。改善点が明確化すればEC支援企業の活躍の場も増え、さらなる参入の機会も増えておくだろう。
今後の市場成長にともなう数値の見える化に期待が高まる。