ユニクロ通販即日配送対応へ 大和ハウス工業と新会社

首都圏での即日配送を 2016年より稼働

「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは大和ハウス工業と新会社を設立し、東京都内に大型物流拠点を建設し、2016年に稼働させ首都圏での即日配送を始める予定だと日本経済新聞が伝えている。
「ユニクロ」のネット通販は現在、受注した商品を翌日発送し、購入者に届くには3〜6日かかっている。新物流センターの稼働で、この工程を短縮する狙い。

もともと同社と大和ハウスはパートナーシップを結んでおり、現在の「ユニクロ」の一大成長を築いた全国の他店舗展開の出店を支え、現在のユニクロ店舗フォーマットも共同で開発してきた蜜月の関係にある。
2006年には、大和ハウス工業株式会社との出店に関する協定書締結し、大型店を主力とした様々な店舗開発の実効性を高め、店舗開発を更に協力に支援し流通店舗事業の業務内容を拡大するとしていた。

大和ハウス工業は1955年の創業時より倉庫建設をルーツとしており、小売店などの出店戦略もサポートするなど、物流施設だけでも3000棟を超える実績を持っている。
特に、近年の急激なグローバル化により海外で生産された物品が国内で輸入されるケースが増加。大ロットで搬入された荷を適宜配送する重要拠点として物流施設の重要性を説いてきた。物流ニーズの多様化に対応するため開発された複合機能型センターでは、アパレル製品の簡単な加工や検品、タグ付け作業を可能とし、実店舗とネット通販を併合したオムニチャネル的物流センターも登場してきているという。
同社では物流施設として一社専用の「BTS」(ビルド・トゥ・スーツ)型と複合企業が入居する「マルチテナント型」の2パターンを展開しているが、今回の「ユニクロ」との新物流センターはどちらになるとの発表はないが「BTS」型が濃厚だろう。

即日配送サービスはヤマトと検討開始

国内「ユニクロ」のネット通販売上高は、全国に占める4%程度に留まっており、中国や東南アジア、欧米など15カ国で展開している同社にとってネット事業の増強は不可欠、まだまだ伸びる可能性が大きい。新物流センター開発により、首都圏での即日発送を軌道に乗せた上で国内外に同様の物流センターを順次開発、それに伴った世界的な生産店舗網の拡大、上昇している物流コスト削減を狙って、最高水準の物流や販売の仕組みを作るとしている。将来的に店舗とネット通販の売上がどのような比率に変化するか注目したいところ。

ネット通販において、価格、買い物のしやすさ、購入した物品の品質、配送までの時間、配送の品質などは重要な要素であり、各社のサービス合戦は熾烈。配送サービスに対する要求は常に高く伸び続ける一方で、対価が追いつかずアマゾンとの取引から撤退した佐川急便のような例もある。

今回の新配送センターの配送に関してはヤマトホールディングスなどと効率的な運用について検討を始めた。AMAZONから佐川急便が撤退した際はヤマトが補填し、なんとか回していた経緯も考えると、今後ヤマトは益々負担が大きくなる可能性がある。
どのような体制で即日配送サービスを展開していくのか、同社の掲げる最高水準の物流や販売の仕組みは2016年から稼働予定だ。


-編集部-