LINEが高級フードデリバリーサービス「LINE WOW」を東京渋谷で開始

iPhone版アプリはApp Storeで無料公開


LINEは11月20日、フードデリバリーサービス「LINE WOW」のiPhone版アプリを公開し、東京都・渋谷区エリア限定で注文受付けを開始した。アプリの対応OSはiOS 6.1以降となっており、App Storeから無料でダウンロード可能だ。

「LINE WOW」は、同社が10月に発表したオンデマンドECサービスだ。
メニュー第1弾は秋本(麹町)やア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー(広尾)、おざき(麻布十番)、小熊飯店(千駄ヶ谷)、二戀(広尾)、とり喜(錦糸町)など。いずれも高い評価を受けている有名店である。「LINE WOW」では各店が特別に開発したプレミアムランチが提供される。
なお、限定販売のため、メニューによっては1から3営業日前までの、事前予約が必要となる。初回配達日は25日だ。

注文は、「LINE WOW」アプリ内から配達日やメニューなどを指定し、氏名や住所・電話番号などの届け先情報、支払い方法を入力して行う。配達時間帯は11時~13時の間で指定する。
アプリからは配達状況の確認もでき、到着時には登録された電話番号にデリバリースタッフから直接、電話連絡が入る。商品とともに「LINE WOW」オリジナルのカトラリーセットやランチマットもプレゼントされる。

LINEユーザーとのマッチングには疑問だが、インパクトの強いサービス


今回のサービスに加わる店は、ミシュランで星がつくレベルの高級店ばかりだ。価格も高い。秋本の「共水うなぎ うな重」は4700円、二戀の「二戀謹製 四季菜弁当」は6500円、ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴーの「フレンチフルコースBOX“Solo”」やおざきの会席弁当は1万円と、サラリーマンが昼食に食べる値段ではない。
会社の重要な取引先との会食、あるいは麻布や広尾のマダムの昼食会などに利用されるものだ。

ただ、疑問点はある。LINEの本来のユーザーは若者が多い。最近は年齢層も広がっているが、無料のメールや電話が目当てなので、大部分は「庶民」だろう。
したがって、「LINE WOW」にはインパクトはあるが、他のサービスとユーザーを相互に送り合うようなことにあまり意味はない。フードサービスはフードサービスで、独立した事業としていくのだろうか?

その辺のことは不明だが、LINEは今後Android版を公開し、対象のメニュー、価格帯、店舗、エリア、配達時間などを順次拡大していくほか、店舗の予約システムなどとの連携や、「LINE WOW」アプリ内から店舗への送客につながる施策を展開していくとしている。また、フードデリバリーで構築された配達網をインフラとして、フード領域に留まらず、様々な分野のデリバリーを行っていくという。

今後の展開に期待したい。