EC購入時、消費者の心理的ボーダーライン
この記事のまとめ
・消費者がネットで気兼ねなく買える金額の平均は?
・広まるネットショッピングの利用動機とは。
・総括すると、もっともネットで売れやすい商材は…
平均金額と最多金額
ライフネット生命保険株式会社は、2014年6月28日~29日の二日間、20代~40代の男女677名を対象に「インターネットショッピングの動向(ボーダーライン)調査」を実施し、結果を発表した。
その結果によると、「月に1回以上ネットショップを利用している」回答者の割合は79.5%となった。その中で、一回の購入金額の項目では「5,001円から10,000円」が24.8%で最多の回答であった。その中の約2人に一人が「書籍(70.8%)」「衣料・ファッション(60.9%)」「CD・DVD(52.3%)」「日用品・雑貨(52.0%)」の4品目を購入経験があるとしている。このことから、多くの人がECを活用していることが分かるとともに、手頃な価格の商品を日常的にネットショッピングしているということが分かる
消費者の生活の中にネットショッピングは深く根付いており、日常の一部化しているといっても過言ではない。比較的高額な値段の「腕時計・貴金属・宝飾品」や「ブランド品」などにもEC化の波がきていることから、今後は購入金額の高額化も進んでいくのではないかと予測される。
また、「ネットで安心して購入できる金額のボーダーライン」についての設問では、「一万円以上五万円未満(41.1%)」「一万円未満(25.0%)」「五万円以上10万円未満(14.1%)」と続き、この平均金額を出すと8万6,146円であった。
この結果より、抵抗感なく安心して行える決済金額、つまり「ネットショッピングにおける購入決済のボーダーライン」の平均金額は8万6,146円であるといえる。一回あたりの最高購入金額の平均は15万9,328円となり、高額商品の場合はボーダーラインを大きく上回ることも分かった。明確な購入意志が介入すれば、高額商品もネット購入するという人の割合が大きくなっていることが判明した。
EC購入の利用動機は?
日常の購買行動の1つとしてすっかり浸透している印象を受けるネットショッピングであるが、利用する多くの消費者はどのような理由でネットショッピングを行っているのだろうか。
「インターネットショッピングを利用する理由は?」という設問では、「時間や場所を選ばず購入できるから」「実店舗で買うよりも安い場合が多いから」などの、ECならではのメリットが列挙した。店舗の営業時間等の制約なく、人件費や店舗費などのコストを抑えられることに起因する低価格実現など、販売者側のメリットも消費者のメリットにつながることが影響した結果といえる。
「実店舗で買うよりも安い場合が多いから」という回答が半数以上であったことから、やはり「安い」という理由が一番強力な消費者の訴求であることがうかがえる。
以上の結果を踏まえると、ネットショッピングでもっとも購入されやすい品目は、「一万円前後の価格帯の、書籍、アパレル、CD・DVD、日用品」であることが分かった。趣味の豪華本やBOXセット、ちょっとした服飾品、比較的高額な日用商材、消耗品セット、などが想定される。実店舗で現金で買うとなるとちょっと戸惑ってしまう類の物がネットショッピングでは売れ筋商品になりうる傾向が強いのかもしれない。