日中でこんなに差が!?ネットスーパー利用実態調査。〜GMOリサーチ調べ

石郷“145”マナブ

利用頻度も、利用理由も、日本と中国大きく異なる。

 GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社(代表取締役社長 細川 慎一 以下、GMOリサーチ)は、GMOリサーチが保有する日本と中国のモニターを対象に「ネットスーパーに関する利用実態調査」を実施した。

 この調査の背景としては、昨今の日本において、女性の社会進出に伴い、ライフスタイルが多様化し、仕事や家事、子育ての合間に、インターネット上で商品を注文し、希望時間に自宅まで届けてもらえる、ネットスーパーの利用が進んでいることが挙げられる。日本国内においては、大手小売業が次々ネットスーパー市場に参入し、中国においてもこンゴの市場拡大が予想されていることから、日本と中国のモニターを対象とした。


■ネットスーパーの利用頻度
日本・中国におけるネットスーパーの利用頻度に関しては、日本では半数以上の人が「不定期」が52.7%。しかも「月1回」の人は、21.7%も占め、大半が必要なときにだけ利用しているということが分かる。一方で、中国では、「月に3回以上利用している」と答える人が多く、3回以上を足すと、45.6%となる。中国ではネットスーパーを定期的に利用する人が多く、それだけ身近な存在となっている。(参考:図1)


■ネットスーパーの利用理由
 それではネットスーパーを使っている人に対して、なぜ利用するのかと聞いてみた(複数回答あり)。理由として日本で一番多かったのは「重たいものを持つのが負担になるから」で、50.8%。実に、半分を占める。
 一方中国では全く異なり「商品が一覧できて店頭よりも選択しやすいから」が58.8%と高い。さらに「買物に時間をかけたくないから(商品を探し回る時間やレジに並ぶ時間を節約したい)」も多く、52.3%となった。つまり、店頭での買い物と比較した際の時間短縮や利便性を主な目的としていることがわかった。(参考:図2)

利用の仕方が異なれば、日中で購入するものにも差。

■購入する食品の種類
 購入する食料品の種類についても、同社は調べた。それによれば、日本では「生鮮品(鮮魚・生肉・野菜・果物)」(39.7%)、「米穀類」(34.3%)、「飲料」(32.5%)と続き、一方中国では「牛乳(乳製品を含む)」(46.0%)、「パン・菓子類」(34.0%)、「調味料(醤油・砂糖・みりん・味噌など)」(31.8%)と続き、両者にやはり、ここでも違いが見られた。
 中国では、水以外の飲料では「牛乳」が最も飲用されているという調査(※)もあることから、定期的にニーズの発生する品目の購入についても、ネットスーパーが活用されていると考えられる。

■ネットスーパーへの不満や要望、今後の利用意向
 また、今後のネットスーパーの改善点を把握するべく、不満や要望を尋ねたところ、日本では「特にない」(19.2%)を除いて、「配達料金が高い」(33.2%)、「当日配達ができない(締切時間が早すぎる)」(22.5%)、「配達時間を指定したい(時間帯を細かく設定してほしい)」の順となっている。
 一方中国はというと、「配達料金が高い」(27.5%)、「当日配達ができない(締切時間が早すぎる)」(24.5%)、「配達時の破損・型崩れ(容器・商品)がある」(20.5%)となり、ここは、日中ともに共通して、料金や時間指定など配達に関する不満が多いことがわかった。

 今後の利用意向については、日本では「今後も利用状況は変わらない」が60.3%であったのに対し、中国では「今後は利用が増える」が58.7%と半数を超える結果となり、それだけ、ネットスーパーが一般消費者に市民権を得ていることがわかった。


【総論】
 今回の調査で、日本と中国におけるネットスーパーの位置づけや利用目的について、こちらが考える以上に、違いがあることがわかる。日本では半数以上の人が不定期で利用していることから、持ち歩きに負担のかかる重い商品や、かさばる商品を購入する際など、必要なときに利用するといった活用が主流となる。一方中国では、月3回以上利用する人も多く、日常的に飲んでいる牛乳をはじめ、定期的に必要となる食品購入における商品の選択から購入までの時間短縮を目的に、ネットスーパーが活用されていると考えられ、ネットスーパーに対しての考え方がそのものが違うと言って良いだろう。

 しかし日中ともに、ネットスーパーの配達に関する不満や要望が多いことから、今後は配達エリアや即日配達可能時間の拡大といった物流網の強化のほか、配達料金を抑える工夫や、配達料金に見合う付加価値の高い商品・サービスを提供していくことが、ネットスーパーの利用拡大につながる、とGMOリサーチは指摘している。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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