初心者がEC向けリスティング広告で成果を出すには ~運用前・その1〜

初心者がEC向けリスティング広告で成果を出すには(全6回)
第1回 〜運用前・その1〜

お久しぶりです。モネット(株)の藤森です。当社では“ECサイト専門のリスティング広告代行サービス”を扱っており、その過程で身に付けた経験・ノウハウを全6回にわたって公開していきたいと思います。

今回は 運用前に知っておくべきこと・その1 です。物事は始まる前の方が遥かに大事ですので、ECのリスティング広告運用での傾向・心構えを知っておきましょう。


①ECサイトの売上はリスティング広告経由と通常検索経由が半々
・SEO対策をちゃんとやってる支援先ECサイト様のデータを見ると、こうなることが多いです。もちろんやっていない場合には広告経由の売上比率が高くなりますが。
 当社で以前運営していた業務用清掃用品EC『Monet!』でも、月商900万のうち450万がリスティング経由でした。


②広告費の目安
・リスティング広告費は粗利の20~25%
・全広告費は粗利の25~30%
に落ち着くことが多いかと思います。Monet!では当初50%でしたが、最後は24%に落ち着きました。リスティングは時間が経つほど成果が良くなりますので。


③単品型か多品種型か
・これでも運用方針が大きく変わります。単品型は1回目の購入では赤字になることが多く、最初からそのつもりで運用すべきでしょう。また、リマーケティング広告で成果が出やすかったりします。
 多品目型は商品数を増やし続ける場合は広告費もうなぎ登りで増えていきますね。


④広告出稿で成果が出づらい商材もある。粗利額が低い商材・食品・美健ECは要注意
・客単価が低い商材(主に5000円以下)
・粗利率が低い商材(20%未満)
などは成果が出しずらい傾向があります。1注文あたりの粗利額が低く、CPA(顧客獲得単価)が粗利を超えてしまうのです。また、

・食品
・美容健康商品

も要注意です。競合が多い中、競合との違いが打ち出せないECサイト様が多く、売れないことが殆どです。広告以前の問題ですね。


⑤基準にするのは広告経由利益
・多くのEC様はCPA(顧客獲得単価)を基準にしていますが、それはあくまで基準の1つに過ぎません。CPA至上主義は危険です(値下げでもCPAは下がります)。

当社では “短期的には広告経由で稼ぐ利益(広告経由利益)を最大化する” を方針に、広告を運用します。算出方法は以下です。

広告経由利益
=広告経由の売上×粗利率-広告費-当社代行料(自社運営なら運営者の人件費)

・これを最大化しようとすると、CPAが悪化することもあります。が、無視していいでしょう。


⑥一方でLTVも
・一方で “中長期的にはLTV(1年間の購入額)を最大化する” を方針に、広告運用します。

 Monet!では業務用ワックスが売れ筋商品で、多くは1注文あたりの粗利額が500円ほどでした。が、当社ではそれらを700円の広告費をかけて売っていました。2~3か月後にまた購入されるからです(モップなど売り切り商品ではこうはいきませんが)。

(他の商品も一緒に購入する)売れ筋商品・リピート商材は赤字で売ることも必要ですね。


次回は 『運用前・その2』 です。