商品と人の新たな出会いを創造する「Deqwas」

サイジニア株式会社（以下、サイジニア）は、米カリフォルニア州のMagento Inc.（以下、Magento社）が提供するオープンソースECプラットフォーム「Magento」において、サイジニア開発のレコメンデーションエンジン「Deqwas（デクワス）」を簡単に導入できる拡張機能「Deqwas Magento Extension」（以下、「DME」）を開発、連携したことを2月24日に発表した。

サイジニアは、北海道大学大学院 複雑系工学講座の准教授と研究メンバーによって立ち上げられたテクノロジー企業。先端科学の知見を工学的に応用、複雑ネットワーク理論を活用した解析技術を実用化した。『情報が多すぎて欲しいものが見つけられない』という21世紀の課題を解決することを目指し、旧来型のレコメンデーションロジックとは根本的に発想が異なる業界唯一のレコメンデーションエンジン「Deqwas」を開発、提供している。

「Deqwas」は、複雑ネットワーク理論に基づいていることが、従来のレコメンデーションエンジンと大きく異なるポイントだ。市場で主流となっているレコメンデーションエンジンは、協調フィルタリングによる確立計算で、おすすめ商品の表示において、どうしても人気上位アイテムに偏ってしまうが、「Deqwas」は、共通の趣味や嗜好性を持つ仲間を見つけ出すことで、ユーザの好みに合ったおすすめ商品を表示。ユーザの嗜好に合っているが知られていなかったアイテムをおすすめし、思いがけない掘り出し物に「出くわす」体験を提供することが可能となる。

過去、ECのミカタ取材で、サイジニアの代表取締役 吉井伸一郎氏は、「友人の友人は気が合う可能性が高い、商品にもこのような関係が見いだせる」と「Deqwas」における商品と人の出会いを人間関係に例えた上で、「インターネットで検索するには、キーワードを入力しなければならない。しかし、この方法では、自分の頭に浮かんでいること以外は見つけられない。私たちは、インターネット上で商品を探すのではなく、商品に『出くわす』ようにしたい。」と「Deqwas」が創造する商品と人の新たな出会いの価値について語っている。

Magentoと連携、導入のための拡張機能を開発

Magento社の提供する「Magento」は、240,000以上のECサイトが利用、年間500億ドル相当の取引が行われているプラットフォーム。越境ECが活況を示す近年では、多言語、多通貨、複数ドメインへのニーズが高まっており、グローバルコマースに対応する豊富な機能を持つ「Magento」の利用者は、日本でも世界でも今後増えていくと予想されている。

これまで、「Magento」を利用するショップオーナーにとって、レコメンデーション機能の追加は重要な課題でありながら、時間と費用がかかると考えられていた。今回の「Magento」と「DME」の連携により、こうした課題をクリアし、英語圏だけでなく、世界のECサービスオーナーが、言語に依存しないレコメンデーションエンジン「Deqwas」を利用できるようになる。

「Magento」へ「Deqwas」を導入するための拡張機能「DME」は、ソース上でダイレクトに情報収集タグを設置した。データフィードのアップロードなし、利用費用無料で、簡単にマーケティングに必要な拡張機能を追加することができる。また、おすすめサービスに関するトラッキングも、タグに関する特別な知識や煩雑な作業も不要とのこと。

「Deqwas」が世界トップクラスのECプラットフォーム「Magento」と関係を深めたことは、ECにおけるWeb接客の更なる進化という意味に直結する。今後もレコメンデーションエンジンは、EC界においてなくてはならないものへとなっていく。ECショップオーナーは、これまで以上にレコメンドへの理解と知識を深めていかなければならないだろう。