【連載コラム】 カメラのキタムラ EC成長の道のりと今後の展望

逸見光次郎の連載コラム「カメラのキタムラ EC成長の道のりと今後の展望」
第2回:「本当の人間力ECとは」
http://ecnomikata.com/ecnews/strategy/6830/

はじめまして。キタムラでEC事業を進めている逸見(へんみ)と申します。プロフィールの通り、5年前の2011年にキタムラに入社しましたが、これまで三省堂書店、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)、アマゾンジャパン、イオンと4社を経験してきました。その中で学んだ事を活用しながら、キタムラECの成長にどう関わってきたのか、今後どのような事を考えているのか、お話しさせていただきます。

キタムラに入った経緯

キタムラに入った経緯面接時の提案資料。説明文をみたい人はこちら→ http://ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=6751

イオンでネットスーパーをイチから立ち上げ、その後はイオン全体のネット戦略を考える部署で仕事をする中で、どうしたらECが伸びるんだろうとずっと考え続けていました。その時に考えていたのは、ネットモールとしてのイオンを作り、リアルのイオンモール同様、専門店に出店していただき、手数料を稼ぐモデルです。店受取ならもともと手数料はモールに入っているので不要、宅配に関してはいくばくかの手数料を頂戴する、というものです。リアルにたくさんのハコ(ショッピングセンター)がある会社だからこそ出来るモデルですが、会社からの要望は“ネットで事業を立ち上げる”事でした。

会社の方針とのギャップの中で試行錯誤している時、たまたま「カメラのキタムラ」でEC事業の責任者を探しているという話があり、ちょっと話を聞いてみようという事になりました。私自身は小学生の頃に、家族が使っていたオリンパスOM-1というフィルムカメラを貰い、それ以来、ずっと写真を楽しんできました。さらに中高生の頃は、天文部で天体写真を撮影しては、学校の暗室で白黒現像するというオタクぶりでした(笑)

そんな私にとって、好きな写真とカメラの事業であり、事業責任者として、専門性の高いECを展開する事が出来るというのは非常に興味深い話でした。とても情報公開に積極的な会社だったので、事前に経営状況などを調べ、自分なりの提案書を整理して経営陣との面接に臨みました。

面接で私が重視していたのは“相性”でした。どんなにやりたい事があっても、上司・経営者との相性が悪くて意思疎通がうまく出来なかったら、なかなか前に進みません。こればかりは会ってみないとわからない話です。誰が良い、悪いという話でもありません。会社も5社目となると、こういう事を気にするようになります。

幸い“私の印象としては”相性が良く(笑)、お世話になる事に決めました。それから前職での仕事の引継・整理をし、12月20日に退職、翌1月1日より勤務開始となりました。同時に妻には、“転職の目的と家族への好影響について”パワポでプレゼンした事は言うまでもありません(笑)

会社を知る。会社に馴染む

私の直属の上司は、社長の浜田さんです。最初に浜田さんと話したのは、半年は遊ばせてください、という事でした。まずキタムラという会社の事業、部署、組織、従業員そしてお客さまをよく理解するのに時間を下さい、という目的です。浜田さんからは、まずは焦らず自由にやれ、という温かい後押しをいただきました。
 
会社をかわってまず困るのは、数字です。売上・利益・固定費・変動費と、P/Lの項目は会社ごとには変わりませんが、その大きさや感覚的な変化、というものがなかなか身につきません。大体1年から1年半はかかりますね。幸いキタムラには、毎朝、経営幹部が4拠点(新横浜、川口、高知、高松)をTV会議で結んで行う「朝会」があり、そこでは必ず数字共有があるため、毎日手帳にメモを書き続け、何とか体に数字が馴染むようにしました。ここが身につかないと数字でずれた話をしてしまい、誰からも信用されなくなります。

また最初のうちは浜田さんがとにかくあらゆる会議に参加させてくれて、その中で会社の課題、重要政策、方向性、組織と人について学ぶ事が出来ました。その際にキタムラならではの写真入り名刺を社内でも頂く事は、相手を早く覚える事に大変役立ちました(笑)

会議に参加する事はただ聴きに行くだけではなく、いくつものプロジェクトに参加する事にもなります。スマホ事業の立ち上げや様々な事業に関わる事で、より深くキタムラを知り、そして馴染む事が出来たと思います。

私が事業責任を持つことになったEC事業は、株式会社キタムラの商品EC部に所属する部隊と、高松にある子会社 株式会社ピクチャリングオンラインの二つの部隊に分かれていました。当然、馴染むためには高松にも足繁く通い、顔を合わせて話をしなければ駄目です。毎回、勝手に出張していく私を、浜田さんは状況を理解しながら「またうどん食べに行くのか?(笑)」と声をかけて送り出してくれました。       

(第二回へ続く)

逸見光次郎さんがキタムラの採用面接にて経営陣にプレゼンした資料はこちら
http://ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=6751