「一日の遅れは、一生の遅れ」スピード命のCRM最前線〜人工知能時代のIT世界を勝ち残るため〜

ECのミカタ編集部 [PR]

アーカス・ジャパン株式会社 代表取締役社長 松原晋啓氏 アーカス・ジャパン株式会社 代表取締役社長 松原晋啓氏

CRMはもはや対岸の火事ではなく、ECを含めたB to Cビジネスを行う企業にとって喫緊の課題となっている。いま始めるCRMが、未来の明暗を左右するといっても過言ではない。そこで今回は改めて、日本のCRM第一人者として数々の企業をサポートしてきたアーカス・ジャパン株式会社(アーカス・ジャパン)取締役副社長 兼 CRM事業部事業部長 松原晋啓氏に、CRMの重要性と未来の動向について伺った。

「CRMの8割以上が失敗する」といわれた過去の理由

 「読者の方に、ご質問です。いま、御社にはどんなお客様がいらっしゃいますか? そのお客様は、どういう時に購入してくださいますか? 何をすればクロスセル・アップセルにつながりますか?」と松原氏は問う。なぜならこれらの質問に即答できなければ、顧客の顔、動き、流れを把握できていないこと示し、CRMへの取り組みが喫緊に必要だからだ。

 「CRMとは『顧客関係管理』すなわち『お客様の見える化』。顧客中心主義の考えによって顧客満足度を高め、収益性を向上させていく考え方です。言い換えれば、お客様に対してサービスをする企業・団体すべてに必要であり、これからのB to CにおいてCRMを適切に行えていない企業は、確実に競争に負けるでしょう」。

 しかしほとんどの企業で実施されていないのが実情だ。そこには、CRMへの誤解があると松原氏は言う。「日本でCRMというと、SFA(Sales Force Automation)やMA(Marketing Automation)、コールセンターなどをイメージする人が多いのですが、それらはあくまで“CRMのサブシステム”であり、“CRM”とは別物です。前者は“戦術”、後者は“戦略”。CRM自身が正しくシステム化されていないと、CRMサブシステムは意味を成しません」。

 さらに同氏は、日本のITリテラシーの低さも指摘する。「今やITは、企業経営のみならず、国の運営においても必要不可欠かつコアになっています。アメリカでは大統領選においてもIT活用が重視されるのに、日本ではいまだ電子化すらもされていません。経営者においても、あまりに無知な方が多すぎます」。全体最適よりも部分最適を優先する経営方針、ITへの理解の欠如などが日本をIT後進国に押し止め、CRMの8割以上が失敗するといわれた誤解につながっている。

「勝つために、一度負ける」。日本が牽引すべきCRM

 「CRMの世界では昔から、『企業は一度、負け組にならなければならない』と言われています。お客様に認知され、商品を購入してもらうには、いままでのやり方では勝てないと理解し、プライドを捨てることが肝心です」と松原氏は語る。もはや大量生産・大量販売による『規模の経済』はとうの昔に終わりを告げ、世界はベンチャー企業優位の『連結の経済』に突入。しかし日本は未だ過去の成功体験にしがみつき、バブル崩壊とともに終焉した古い考え方・やり方を続けているという。

 「日本人一人ひとりの能力は世界でもトップクラス。しかし、会社になった瞬間、非常に低くなる。なぜか。組織が人を潰しているからです。また一方で、日本は人工知能やロボットなどの研究に秀でているのに、外資企業が先にその価値を見つけて実用化。日本企業は後塵を拝することを繰り返しています。日本が世界の先進諸国に遅れをとっていることは、右肩下がりの景気、経済、GDPが数値で証明しています。世代も、考え方も根本的に刷新すべきなのです」。

 現実を直視した上でなお同氏は、「CRMは日本が一番になるべき考え方」と熱を込める。「なぜならCRMの根本は、きちんとお客様を見るということ。つまり、おもてなしの精神といえます。世界一のおもてなし文化を持つ日本がCRMを牽引していくことで、より高度なCRMが生み出されていくと考えるからです。日本復活の鍵は、CRMにあるはずです」。

CRMを成功させる転換。CRMがもたらす価値

CRMを成功させる転換。CRMがもたらす価値

 CRMを成功させるためにはまず、企業の中にそれを執行できる人物もしくは組織を配することが重要だという。「海外ではすでに、部署の枠を飛び越えて横断的に顧客を管理していくCCO(Chief Customer Officer)というポジションが確立されています」。そこでCRMを統括した上で、戦略を練り、戦術を立て、システム導入などのプロセスに落とし込んでいくことが大切だという。

 二つ目は、投資を増やすこと。「ITはもはや社会インフラです。企業経営では人件費よりもIT投資が先。その上で不足分を考えて採用すべき時代なのに、日本の経営者の多くにはその意識がありません」。さらに松原氏は指摘する。「ERPには膨大な投資しても、CRMに予算を割かない会社が多すぎます。初期投資として少なくても売上の1割。最低限、基幹と同じくらいの金額は必要です」。基幹システムやERPは「守りのIT」で、過去から現在を作るもの。しかしCRMは「攻めのIT」、未来を作っていくもの。そして後者にこそ、IT投資の真価があると同氏は語る。

 「もう一点。従業員を大切にすることも、CRMの大きなポイントです。なぜなら、ブランドのインターフェイスとなる従業員のクオリティー向上は、直接お客様に影響するからです。スターバックスの言葉ですが、『従業員の笑顔が顧客を笑顔にする』という発想が抜け落ちていると、CRMは完成しません。お客様を見るということは、従業員も含めたすべてのオムニチャネルをコントロールするということだからです」。事実、CRMが徹底されている企業は世界的に強い。

 そして正しくCRMを運用できると、企業の体質は大きく変化する。「何より、お客様のことを理解できるようになります。つまり、どういう商品を提供すべきか、何を望んでいるかなどのニーズが顕在化するため、商品企画や販売方法が明確に見えてきます。いままで手探りで行ってきた企画やマーケティング活動が確実にやるべき施策に変わり、ひいては利益コントロールまでも可能になります。なぜならお客様のニーズと自社商品のシーズがマッチすれば、必然的に売れるからです」。

CRMとAIがつくる未来。待った無しの企業改革

 松原氏は、「今後のCRMはインプリシットカスタマーエクスペリエンス(暗黙的だが明らかな顧客体験)に基づくパーソナライゼーション(個客化)に向かっていきます」と分析し、人工知能との組み合わせが不可欠になっていくと語る。「心理学上、人間のコミュニケーションの8割は『暗黙的な情報』、つまり仕草や目線などの言外コミュニケーションにあると言われています。しかしそこに人工知能というソリューションを活用して様々な情報を組み合わせていくと、深い感情に基づいた個客化が可能になるからです」。

 アーカス・ジャパンでは世界に先駆けて、CRMにAIを融合した次世代ソリューション『EMOROCO』を提供している。これは、CRMによって顧客情報を整理し、それに合わせたアルゴリズムで人工知能に学習させて「顧客」の「個客化」を図るもの。つまり感情をITで理解し、日本流のおもてなしを支援するシステムといえる。

 「CRMの必要性は過去も未来も一切変わりません。いますぐ取り組むべき課題です。特に、CRMにディープラーニングのような人工知能が組み合わされた以上、先に導入した競合企業に二度と追いつくことはできません。正しく顧客データが一箇所に集まり、それに基づいた戦略が立てられていてはじめてAIが稼働するからです。“やるか・やらないかではなく、やってから考える”。それが人工知能時代のIT世界であり、攻めのITの考え方であり、CRMです。一日の遅れが一生の遅れになる前に、いますぐ行動を」。


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