「ポイントサービスに関する実態調査」を日本・中国で実施

GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社(以下、GMOリサーチ)は、GMOリサーチが提携する日本・中国のモニターを対象に「ポイントサービスに関する実態調査」を実施いたしました。

●調査テーマ:ポイントサービス(*1)に関する実態調査
●調査地域 :日本・中国
●調査対象 :20歳以上で、ポイントサービスの利用経験があると回答した男女
      日本:880名、中国:865名 計1,745名
●調査期間 :2016年11月25日~30日
●調査方法 :インターネット調査(クローズド調査)

(*1)本調査におけるポイントサービスとは、実店舗やネット通販などで商品やサービスを購入する際に、一定の条件で設定されたポイントが付与されるサービスと定義します。

【調査背景】
昨今の日本では、特定の企業や店舗・サービス内で利用できる「独自ポイント」のみならず、業種や業態を越えた提携店舗・サービス内で利用できる「共通ポイント」など、各種ポイントサービスの普及が進んでいます。こうした中、国内のポイントサービス市場規模は、「共通ポイント」への加盟企業の増加を背景に、2015年度には前年度比105.2%となる1兆4,440億円に拡大し、2020年度には2兆300億円に達すると予測されるなど、今後もさらなる拡大が期待されています(*2)。
 
一方、中国においても、大手小売チェーンを展開する百聯集団が早くからポイントサービスを導入し、売上・利益の向上で効果が表れるなど、中国国民の生活に浸透しつつあります。また、2015年4月に「無印良品」が中国店舗向けポイントプログラムアプリの提供を開始したことを皮切りに、2016年11月にローソンが中国店舗向けポイントサービスの導入を発表するなど、日本の小売業によるアプリを活用した店舗への集客戦略として、中国国内向けポイントサービスへの参入が続いています。
 
そこでGMOリサーチは、今後も様々な企業の参入や「共通ポイント」への加盟が見込まれるポイントサービスについて、日本・中国での今後の普及を予測するとともに、現金化や連携する他ポイントサービスへの交換など、貯めたポイントをどのように活用しているのかを探るべく、2ヶ国のモニターを対象にアンケートを実施いたしました。

(*2)出典:矢野経済研究所「ポイントサービス市場に関する調査を実施(2016年)」

【調査結果】
■ポイントの貯め方について
<ポイントを貯める手段>
・ポイントを貯める手段について尋ねたところ、日本、中国ともに「ショッピング」(日本:91.7%、中国:86.2%)が最も多い結果となった。

・一方、中国では「ショッピング」、「アンケート」に次いで「会員登録、資料請求などのサービス利用」(日本:13.3%、中国:41.2%)、「アプリダウンロード」(日本:10.9%、中国:34.5%)が上位に挙がり、日本とそれぞれ20ポイント以上差がついたことから、中国は日本に比べてポイント獲得のためにサービスの新規会員登録やアプリのダウンロードを行うことに抵抗が少ないことがうかがえる。

<どこで何を買ってポイントを貯めるか>
・続いて、ショッピングでポイントを貯めると答えた人を対象に、どこで・何を購入する際にポイントを貯めているかを尋ねた。日本は、「店頭(食品/飲料/酒類)」(50.4%)、「ネット通販(書籍・音楽)」(45.8%)、と続いた。このことから、ネット通販では書籍・音楽の購入の際に、店頭では日常的に行われる食料品の買い物の際に、ポイントを貯めている様子がうかがえる。

・一方、中国では「ネット通販(衣料品/下着)」(63.2%)、「ネット通販(服飾雑貨(アクセサリー/鞄/靴など)」(51.0%)、「ネット通販(食品/飲料/酒類)」(47.0%)と続き、ネット通販が上位を占めた。また、中国では薬を除くすべての商品項目でネット通販が店頭を上回ったことから、ネット通販やそれに付随するポイントサービスが普及しているだけでなく、食料品や日用品を含む買い物自体を店頭よりもネットで済ませる人が多いことが想定される。

■ポイントサービスの利用について
<貯めたポイントの利用方法(図3)>
・貯めたポイントの利用方法について尋ねたところ、日本では、「ポイントの発行主体である会社が提供している商品・サービス」(48.4%)、「銀行口座への振り込みによる現金化」(43.6%)、「他のポイントと交換」(36.3%)と続いた。一方中国では、「ポイントの発行主体である会社が提供している商品・サービス」(55.9%)、「商品券への交換」(45.0%)、「商品を購入するときの代金から値引き」(40.0%)が上位に挙がった。

・両国で1位である「ポイントの発行主体が提供する商品・サービス」を除くと、日中の差が浮き彫りとなり、日本では現金や他のポイントへの交換がそれぞれ約4割と多い一方で、中国では約2割に留まった。また、中国は日本よりも商品の値引きに直接つながる方法でポイントを利用する人が多く、中でも「商品券への交換」(日本:22.8%、中国:45.0%)は日中で22.2ポイントもの差が生まれた。

<ポイントサービスを利用する理由>
・ポイントサービスを利用する理由については、日本では「商品をお得に買える」(62.3%)が1位となった。次いで「普段の買い物や行動などのついでにポイントを貯められる」(46.6%)、「色々な場所でポイントを使える・貯められる」(39.4%)となり、自身のライフスタイルの中で気軽に貯めたり使ったりできることがポイントサービスの利用につながっていることがうかがえる。

・一方中国では、「景品と交換できる」(75.1%)、「普段の買い物や行動などのついでにポイントを貯められる」(60.3%)、「商品をお得に買える」(55.2%)で過半数を超え、上位に挙がった。中でも1位の「景品との交換」(日本:33.0%、中国75.1%)は日本より40ポイント以上も上回り、中国は日本よりも明確な目的を持ってポイントサービスを利用している人が多いことがわかる。

<ポイントサービスを利用する際に重視すること>
・ポイントサービスを利用する際に重視することについては、日中ともに「ポイント還元率が高い」(日本:59.0%、中国:57.4%)、「普段よく利用するお店で使える」(日本:53.3%、中国:53.3%)が上位2位を占めた。次いで、日本では「有効期限がない」(52.3%)、中国では「多くのお店で使える」(46.7%)が3位となった。

・その他、特筆すべき点としては「実店舗でもネットでも同じポイントが貯まる」(日本:23.5%、中国:44.6%)が両国の間で20ポイント以上差が開き、各国の買い物の習慣やポイントサービスの普及の背景の違いがうかがえる。

<今後の利用意向>
・ポイントサービスの今後の利用意向を尋ねたところ、「大いに活用したい」と「少しは活用したい」を合算した「活用したい」(日本:96.9%、中国:97.6%)という人が日中ともに9割を超え、両国のほとんどの人が今後も引き続きポイントの活用意向があることがわかった。

【総論】
今回の調査で、日本と中国におけるポイントサービスの利用状況が明らかになり、今後のさらなる普及への見通しが見えてきました。両国ともに、ショッピングでポイントを貯める人が約9割にのぼったものの、その買い物をした場所については、日中で違いが表れました。日本では、店舗で食料品を購入する際にポイントを貯めるという回答が最多だった一方で、中国ではネット通販での買い物が上位を占めました。中国では、時間短縮や利便性を目的に定期的にネットスーパーで買い物をしているという調査もあることから(*3)、食料品や日用品などの買い物自体をネット上で済ませる習慣が結果に影響していると考えられます。加えて、利用するポイントサー
ビスは、実店舗でもネットでも貯められることを重視する傾向にあることから、中国ではネットとポイントサービスが切り離せない関係にあることもうかがえます。
 
また、日本ではお得に買い物をするために、普段利用する店舗やネット通販で気軽にポイントを貯めている人が多い一方で、中国は景品との交換など、明確な目的を持ってポイントを貯めている人が多いことがわかりました。
 
こうした結果から、今後日本では様々なシーンで気軽にポイントを貯められる仕組みが求められていくほか、中国では、各種景品をはじめポイントの交換先を増やすとともに、店舗とネット通販の双方で利用できるポイントサービスを展開することが、集客につながっていくとGMOリサーチは考えます。

(*3) ご参考:2015年6月16日発表 『ネットスーパーに関する利用実態調査』(2015年5月25日~2015年5月31日実施)