楽天EXPO潜入!③出店店舗が語る成功への道のり

利根川 舞

 楽天株式会社(以下「楽天」)が7月20日に楽天EXPOを開催。

 代表取締役会長兼社長の三木谷氏の講演や、上級執行役員の河野奈保氏による戦略共有会に加えて、クリエイティブディレクター佐藤可士和氏による基調講演、トークセッションなどが行われた。

楽天市場出店後の最初の壁。月商100万円を超えるには?

楽天市場出店後の最初の壁。月商100万円を超えるには?

 今回、楽天EXPOで行われた中の2つのフォーラムに参加。その模様をお届けしようと思う。まずは、楽天大学の動画コンテンツ、RUxで人気の楽天出店者が登壇した「RUx人気店舗さんが月商100万円突破のコツを教えます!」というフォーラム。ここでは、次の4店舗が登壇し、トークセッションが行われた。

おいしいものショップ「海と太陽」 谷口 竜一氏
e-花屋さん 古永 崇氏
キッチン雑貨のお店 エコキッチン 柳川 実氏
アクセサリーSalt 木村 太郎氏

 トークセッションでは、転換率をアップする方法や月商100万円に突破するのに必要だったことなど、各登壇者の経験や実践していることが語られた。

 印象的であったのはやはり、”月商100万円突破に必要だったこと”という話。古長氏は「その日にできたこと、できなかったことを毎日洗い出し、何故できなかったのかを考えました。壁はいつか、諦めなければ乗り越えられます。」と語る。

 また、谷口氏は「ECコンサルタントとの信頼関係、常にやりたいことをECコンサルタントや社員と共有すること」、木村氏は「一生懸命やること」、柳川氏は「覚悟、そして自分を追い込むこと」と語る。

 もちろん、テクニックも重要ではあるが、目先のことに囚われるのではなく、まずは意志を固め、向上心を持って取り組むことを重要視しているようである。

 また、このフォーラムはワークショップにも似た形式となっており、事前に配布された用紙に自店舗で行っている取り組みを記入。その後トークセッションを聞いて、そこから自店舗で実践できるものを記入し、トークセッション前に交流した他の出店者と共有を行った。

 楽天市場では出店者同士の交流の場を積極的に提供しているが、わずかな時間の中でもそうした時間が設けられているのだという印象を受けた。

月商1,000万円を目指せ!「Rakuten Nations」

月商1,000万円を目指せ!「Rakuten Nations」

 続いて、「月商1,000万への道 Rakuten Nationsの実体験から学ぶトークセッション」と題した「Rakuten Nations」に参加している店舗によるトークセッション。「Rakuten Nations」とは楽天市場で実績のある出店者が同じく楽天市場に出店している店舗をコンサルティングするサービス。4月から第1期が開始し、現在コンサルタント5名全25店舗で実施されている。

 トークセッションの前半ではコンサルティングを行う側である名物店長が実際にコンサルティングを行っての印象や効果が語られた。今回登壇したコンサルティングを行う出店者は次の通り。

SILVER BULLET シルバーバレット 高木 孝氏
Z-CRAFT 近藤 武志氏
イーザッカマニアストアーズ 今石 雄介氏
北海道お土産探検隊(ギフト通販) 小笠原 航氏
爽快ドラッグ 小森 紀昭氏

 5名が共通して語っていたのは、まずはじめに取り組んだこととして「土台」を作るということだ。これまでの運営の中で普通や当たり前になってしまっていることを改めて見直し、売上が伸びるように地盤を固めていく。その一方でやらなければならなのにもかかわらず、できていないことを見直していく。それぞれの店舗が独自の方法で行ってきただけあって、この部分が一番難しかったと語る方々も多かった。

一方、「Rakuten Nations」チャレンジャーは?

 後半では、「Rakuten Nations」に挑戦する店舗も登壇。今回登壇した店舗は9月がリミットのコミットラインにすでに到達した店舗で、今後は月商1,000万円を目指すこととなる。後半に登壇した店舗は次の通り。

グラニーレプラス 厳島聡子氏
パジャマ屋さん 小林秀樹氏
solemo 二木恵理奈氏
グルメ&ギフトお取り寄せ山形 eLab 遠藤哲也氏

 コンサルティングをする側、受ける側両者が揃ったところでサービス開始前後の変化や成果が出た取り組みなどが語られたが、各々扱う商材が異なるだけに行われる施策や思いも様々だ。

 その中で共通して語られたのは今まで孤独になりがちであったが、目標を共に切磋琢磨することができる仲間ができたことの喜び、そして失敗に対しての理解者がいることの有り難み。壁にぶつかった時、「俺たちもそうだったから、そういう失敗やるよね。」という言葉が、チャレンジャーたちの励みになったのだ。

 こうしたコンサルティング業務といえば、楽天市場にはECコンサルタントの存在があるが、その違いに対してはコンサルティングを行う名物店長たちは大まかな道筋を立て、ECコンサルタントの方々は細かい、実践的なテクニックをなどでフォローをしてくれるという話、そして、両者がいて成り立っているのだと。


 この「Rakuten Nations」は第1期の結果を見て拡大するか否かを決定することが第3回R-Campで語られていたが、楽天市場の新たな取り組みとして注目である。

 今回の楽天EXPOは東京国際フォーラムのいくつかのホールを利用して開催。楽天市場に出店する店舗にとって、楽天の下半期の戦略を知る場であり、学びの場であり、そして他の店舗との交流の場でもあった。

 この場をきっかけに、いくつもの店舗が楽天市場で成功を収めるべく2016年を駆け抜けていくのだろう。「Empowerment -インターネットを通じて人々と社会に力を与えること-」この言葉の真髄がそこにはあった。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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