越境在庫の一元化!ネクストエンジンと豌豆公主が連携

ECのミカタ編集部

豌豆公主 ネクストエンジン 連携

 中国向け越境ECプラットフォーム「豌豆プラットフォーム」を運営する、Inagora株式会社(以下、インアゴーラ)と、「ネクストエンジン」を運営するHamee株式会社(以下、Hamee)は、11月1日より、システム連携を開始した。

 今回は、両社が抱えていた課題と連携によって可能になったことを紹介する。また、同時に中国進出について考えていく。

両社が抱えていた課題

 Hameeの「ネクストエンジン」は、約17,700店舗のECショップを抱えており、2014年には、北米のECマーケットプレイス/カートを中心に在庫・受注管理の連携を行い、海外進出に向けたサポート体制をこれまで強化してきた。

 一方、中国消費者向けECモールとの連携を行っていなかったため、利用者が中国進出を望む場合には、在庫・受注管理などのバックヤード業務を個別に対応する必要があったのだ。さらに、「チャット対応」「翻訳」「類似品の氾濫」など、中国ECに進出する際には、様々な課題もある。ゆえに、バックヤード業務の増加を考え、中国展開をためらう日本のEC事業者は多かったのではないだろうか。

 また、インアゴーラは、越境ECに必要不可欠な「決済の越境」「物流の越境」「情報の越境」をワンストップで解決できる中国向け越境ECプラットフォーム「豌豆プラットフォーム」を運営し、出店に関するサービスの提供を行ってきた。だが、出店を希望する企業の中には、他国のECモールにてEC展開をしている企業も多く、その場合は、日本国内向けと中国向けで別々に在庫を管理する必要があり、それが障壁になっていたようである。

連携で中国進出も容易に

 今回の連携により、中国向け越境EC運営を国内・北米と一元化することが可能になる。つまり、システムが連携することにより、出店の際に最も煩雑となる在庫数管理や受注件数などの情報の二重管理が不要となるのだ。そのため、日本国内での出店先を一つ増やすような感覚で、中国向け越境EC事業への参入することができるのである。

 また、「豌豆公主」は、中国大手ECプラットフォーム「淘宝」「小紅書(RED)」「唯品会(VIP)」「考拉(Kaola)」等の他社チャネルとの連携も行っているため、「豌豆プラットフォーム」に商品情報を登録し出店するだけで、複数のプラットフォームを通じて中国国内へ展開することも可能になったのだ。

 ちなみに、利用方法は以下のようになっている。
1.「ネクストエンジン」と「豌豆プラットフォーム」とを契約し、ネクストエンジン上にて「豌豆公主」アプリを購入
2.「ネクストエンジン」と「豌豆公主」の商品情報が同期し、審査を通過した商品が中国語に翻訳され、自動で出品
3.「ネクストエンジン」と「豌豆公主」で在庫・受注情報が同期

中国進出に向けて

 経済産業省が発表した、2015年〜2019年までの日米中の越境EC市場規模の推移を予想した調査結果では、日本は約1.50倍、アメリカは約1.57倍、中国は約2.94倍と、今後、中国市場はますます拡大するとみられている。

 そして現在、ショッピングアプリ「豌豆公主」は日本の商品に特化した中国向けの越境ECサービスとして、中国ですでに人気のアイテムから中国ユーザーの認知度が低い商品まで約5,000種類と幅広く揃えていて、昨年8月のリリースから約100万もの中国ユーザーがインストールしたようだ。

 中国消費者にとって質の高い日本の商品は人気であり、中国進出はチャンスとなっている。また、「豌豆公主」アプリでは、SNS機能などの様々なコンテンツにより、積極的に消費者に情報発信をすることで商品を浸透させることも可能となっている。

 インアゴーラとHameeの両社は、今後もシステムの連携を進め、中国への越境ECを希望する事業者の販売・マーケティングを支援していくという。このように、越境EC進出の環境が整備されているが、ただ出店をすればいいという訳でもないだろう。つい最近、株式会社東急ハンズは「豌豆公主」にて越境ECを展開したが、”ファン作り”などの施策を事前に行った上で、スムーズな越境展開を可能にしたのである。

【東急ハンズの「豌豆公主」展開はこちら】

 越境ECを展開するための環境は整ってきているので、それらをうまく活用し、勝ち抜いていく必要がありそうだ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事