【後半】海外初Inagoraがタオバオと提携。新戦略発表会で語られたこと

ECのミカタ編集部

 昨日、中国向け越境ECプラットフォーム「豌豆プラットフォーム(以下、ワンドウ)」を運営するInagora株式会社(以下、Inagora)は、「資金調達および新戦略発表会」を行った。今回の発表会の内容は前半・後半に分け、後半である当記事では海外初となる「淘宝全球購(タオバオグローバル)との業務提携」の詳細について紹介したい。

【前半】海外初Inagoraがタオバオと提携。新戦略発表会で語られたこと
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タオバオグローバルと提携でどう変わる

 今回Inagoraは、海外でも初めてアリババグループのCtoCオンラインショッピングモールである「淘宝全球購(以下、タオバオグローバル)」と業務提携を行うと発表した。タオバオグローバルは中国でもナンバー1の越境ECプラットフォームであり、約10万ショップがタオバオグローバルで事業を展開している。

 Inagora 代表取締役 翁 永飆氏は、タオバオ全体でニセモノ品が横行していること、事業を展開するショップオーナーの多くが個人での展開であるために海外企業との交渉が難航し仕入れルートの確保が困難であること、個人ショップでは日本商品の良さを伝えるコンテンツ制作に限界があること、効率的な物流システムの構築が不可能であることなど、タオバオ全体が抱える現状の問題点を示し、それらを解決するために今回の業務提携に至ったことを説明した。

 提携により、日本企業は在庫を抱えずにタオバオグループの10万もの個人ショップ経由で4億人の中国消費者に商品を販売することができ、タオバオグローバルで日本の商品を販売する中国個人事業者は、タオバオグローバルとInagoraが認証した正規の商品からセレクトして販売することができる。

 販売の流れとしては、まず、Inagoraの商品受注システムとタオバオグローバルのプラットフォームを連携させ、Inagoraが商品の在庫価格、商品数、商品説明を登録する。そして、タオバオグローバルを利用する中国個人事業者は取り扱いたい商品を検索して選び、自分のお店に追加する。このとき中国個人事業者は、無在庫での販売が可能であるため仕入れが必要ない。

 そして中国の消費者に商品が購入されると、そのオーダー情報がInagoraへと届き、Inagoraは自社の物流システムを活用して発送を行う。このとき、タオバオの物流システムとも連携しているため、より正確なトラッキングが可能となる。日本企業は、Inagoraの倉庫に自社商品を預けるだけで越境ECが完了してしまうのだ。

 また、物流の一元管理がされているので商品の横流しを阻止することができ、販売価格もワンドウが管理するため、商品価格が極端に下がるようなこともない。ブランドイメージはそのままで、中国のKOL(インフルエンサーのような、消費者の購買行動に影響をもたらすような存在のこと)や専用アプリによって口コミが広がることで中国での認知度も確かなものにしていけるはずだ。

東急ハンズがワンドウに決めた理由。Inagoraの今後

 発表会も終盤に差し掛かり、今回Inagoraへと出資を行った株式会社WiLの松本真尚氏、そして2016年10月からワンドウを活用して販路を中国へと広げている株式会社東急ハンズ(以下、東急ハンズ)の白井勝己氏が登壇した。

 特に印象深かったのが、東急ハンズ 白井氏の話だ。創業40年となる東急ハンズは普通の商品ではなく、“ちょっと便利な”商品を販売している企業であるため、商品の使い方を伝えることが非常に重要であった。しかし中国へ販路を広げようと考えたときに、そうした商品の魅力をどのようにして伝えるかといった悩みと、そして日本で売れている商品が中国では素直に受け入れてもらえないもどかしさを感じていた。

 そんなときに、東急ハンズが出会ったのがワンドウであった。東急ハンズが悩んでいた「どのようにして商品の魅力を伝えていくか」という課題に、ワンドウが重視している“情報の越境”がピタリとはまったのだ。

 「提携してよかったと思っています。2016年10月からサービスを展開していますが、既に手ごたえを感じています。東急ハンズはお客様の生活を助ける、ライフスタイルをサポートすることを企業理念としています。これから中国消費者のニーズを探りながら、まだ紹介できていない商品を提供していきたいです。」と、白井氏は語る。

Inagora株式会社 代表取締役 翁 永飆氏

 東急ハンズの他にも、今後は、年間約350億円を売り上げる株式会社ミキハウストレードの「HOT BISCUITS」や、1902年創業の老舗である株式会社資生堂パーラーなど、様々な企業がワンドウへと出店予定だ。

 「ただ日本の商品を販売するのではなく、中国における日本の商品の認知度を上げ、簡単に越境ECが行えるようにしたい。そして、中国消費者のライフスタイルを充実したものに変化させていきたいと考えています。」と翁氏は語る。

 Inagoraは、ただ出店店舗やワンドウのユーザー数を増やすことに注力しているわけではない。まずは日本企業の販路を拡大し実績が得られるようにと、どれだけの日本企業を支援出来るかといったことを重視しているのだ。

 「ショッピングに国境はない」。そう掲げるInagoraが、1年後、2年後に中国と日本においてどれほど影響力を持った架け橋となっているのかにも期待がかかる。

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