KIRIN×LINE タピネスに見る未来のデジタルマーケティング

キリンビバレッジバリューベンダー株式会社とLINE株式会社は、自動販売機にビーコン端末を接続し、LINE社が提供するコミュニケーションアプリ「LINE」およびその関連機能を活用することで実現した、独自の自動販売機コミュニケーションサービス「Tappiness（タピネス）」を4月13日（木）より首都圏・近畿圏で開始すると発表した。

　キリンビバレッジとLINEが「タピネス」という新たなサービスを開始した。「タピネス」は、スマートフォンをtapしてhappy！になって欲しいという願いを込めて「TapとHappiness」の造語として名付けられたそうだ。

　自動販売機に携帯をかざし、ドリンクを購入することでポイントが付与され、15ドリンクポイントがたまると好きな飲料と無料で交換可能な特典チケットが付与されるという。

　付与された特典チケットは、「LINE」の「友だち」へプレゼントすることも可能。また「LINE」上で展開するスマホのおサイフサービス「LINE Pay」による決済もできる。

　17年夏以降は、首都圏・近畿圏以外の全国主要都市部でも順次展開し、サービス開始から1年で20,000台の対応を見込んでいるとしている。サービス開始を記念して「タピネス」を初めて利用するユーザーへ10ドリンクポイントをプレゼントするとしていて、今後も継続的にユーザーが楽しめそうなキャンペーンが期待できる。

O2Oプロモーションとデジタルマーケティングの波

　「LINE Beacon」という機能をご存知だろうか。お店などに設置されたbeacon（近距離通信規格のBluetooth®の発信機）からデータを受信し、商品やクーポン情報を顧客に届けることができる機能だ。「タピネス」はこの「LINE Beacon」という機能と自動販売機のシステムを連動させた新たな試みといえる。

　キリンビバレッジとLINEだけにとどまらず、こうしたオンラインから、オフラインへ行動を促すO2Oプロモーションプロジェクトという施策は今後ますます増加してくる見込みだ。

　キリンビバレッジにとってはLINEという幅広い層へのリーチが可能になり、アプリ開発等の面でもかなりコストを抑えることができたという。LINEにとってはIoT化やそれを促進していくための布石となる。両社にとって、これまで取得できなかったデータが得られるという点は大きなメリットだろう。こうしたデジタル広告や、デジタルマーケティングの波は今後ますます広がっていくに違いない。