AmazonでLGの大型超薄型テレビも手軽に買われる時代で、何を思う?

石郷“145”マナブ

「バックライトがない分だけ、ここまで薄くすることができる。」

 先ほど、声高々にLGエレクトロニクス・ジャパンのマーケティング部長 金氏が有機ELテレビ『LG OLDED TV W7P』に関して説明を行った。ここはアマゾンジャパンの本社で、要は、Amazonでの販売を開始したのだ。

 これを聞いていて気になった。思うところ、そうした有機ELテレビのような取り付けが難しい大きな商品などを、ECで買うというニーズがどれだけあるのだろうか?取り扱うに至った経緯について、ハードライン事業本部
映像音響事業部 部長吉田有美さんに話を聞くと、こんな答えが返ってきた。

Amazonに出ることがある種、メディアのようである

 「最初はネット通販で、こう行ったテレビが受け入れられるのかどうかは、実際、挑戦でもありました。ただ、近年、テレビのモニターの大型化と、それに対しての消費者のニーズがある以上、我々として取り扱いたいと、LGさんと話して、昨年からこれらのテレビのラインナップを強化しています。事実、プライムデーなどでは、自分たちの想像を超えるほどに、販売されており、Amazonはそう行った潜在的なニーズを発掘できたと考えています」

 また、それに続けて、こうも話している。「Amazonでは「大型家具家電、おまかせサービス」を展開しており、ウェブサイト上でのお届け日時指定、商品配達時の組立・設置、家電リサイクルサービスまで、対応をしてもらえるわけで、こういった買うだけではない環境がしっかり整得た上で、Amazonにとっても、商品の拡充を推進していることから、利用するお客様の数も増加し、また、利用したお客様からの反応も良い」と続けた。

 彼女の話によれば、Amazonの中で、有機ELテレビはほぼ網羅できているというのだから、気合いのほどを感じることができる。

有機ELテレビとは?

有機ELテレビとは?

 それでは次の疑問として、そもそも有機ELテレビとはなんだろうか。有機ELテレビは、液晶と違いバックライトを必要としない自発光素子による有機EL素材を使用したディスプレイのものをいう。通常、液晶テレビであれば、バックライトからの輝きを完全に遮断できなく、光が漏れてしまう傾向があり、結果、黒色は、画面に薄いベールを被せたように、やや白みがかって表示されるというウィークポイントがあったのが事実だ。

 さらに、液晶のように、バックライトを必要としない分、3.9mmという徹底した薄さを実現している。LGエレクトロニクス・ジャパンの金氏は、「四角いテレビでテレビを見るという行為は、限りなくなくなっていき、壁を見る感覚でテレビを見るのが当たり前になってくる」と話してくれた。

 金氏によれば、「今後は、それをペーパーのようになる目たりして、本当に家と同化してくるのも自然な光景になる」としている。ただ、そういうものが出てきても、認知されない限りは、広まらないので、そこで多くのものを買いたいと思うユーザーが集まる、Amazonというロケーションを通じて、こういうテレビがあることが知らしめられるのは、とても有益、と話しており、この話を聞いて、まさにAmazonはECの場所であり、メディアだなと思った。

ネット通販の幅は年々広がっているという事実

 ネットショップにおいては、もはやAmazonがこれだけ力を入れていることからも分かる通り、大型で、しかもすごく薄い有機ELテレビのようなものが売れるという現実を受け止めたい。これは、太田さんとの話で「通常のネット通販の延長線上に、ごく当たり前に、こういう商品を買う習慣ができつつある」ことを実感し、また、だからこそ、ネット通販の扱う商品の幅は広がっているように思う。大事なのは、この現実を見る限りにおいては、ネット通販に求められる商材も変わってきており、扱う商品の常識も変わろうとしていることを実感することのように思う。

 変わりゆくネット通販は、こうして新たな商品が扱えるという事実を持って、今まさに新たな商機が生まれようとしているのだ。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

石郷“145”マナブ の執筆記事