「常連様」を逃さないマーケティング 〜消費行動・継続理由を把握する〜

ECのミカタ編集部

 一般社団法人日本リテンション・マーケティング協会(以下 JRMA)は、企業の顧客維持・育成の関心の高まりに応え、10品目にわたる商品・サービスの利用状況に関する消費者調査を実施した。現代の消費行動の流れ、利用商品の継続理由などを調査している。この調査は様々な企業のマーケティング活動に応用できるのではないだろうか。

 リテンション・マーケティングとは、既存顧客との関係性を維持・育成していくマーケティング活動のこと。つまりはリピーターのための消費行動マーケティングといったところだろうか。

 2016年に活動を開始したJRMAでは、生活者の消費行動に関する意識調査とともに、10品目の商品・サービスに関しての使用率、関心度、リテンション率、使用期間など、様々な角度での消費者の利用実態を調査。同時に、利用理由、満足度、スイッチング状況、変更理由など、多面的な角度で、生活者の商品・サービスの継続利用に関する実態の把握を試みた。

 その結果、情報化社会、飽和市場と言われる昨今、自己を確立した生活者は、個々の自己に合致した、自分らしい消費行動を心掛けていることが浮き彫りになったという。どのような結果が出たのか見てみたいと思う。

【調査実施概要】

・調査対象者:20歳~69歳の男女
・調査地域:全国
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2017年3月24日~3月29日
・調査対象品目:化粧水/男性用髭剃り/青汁/クレジットカード/鎮痛剤・頭痛薬/シャンプー/携帯電話/自動車保険/タバコ/美容室・理容院 以上 10 品目

 調査対象10品目中、関心度が高い品目は、美容・健康関連の化粧水・青汁・シャンプーおよびタバコだったという。しかし青汁は現銘柄の使用期間が10品目中、最も低く15か月だった。また、商品と利用理由の関係性では、青汁・シャンプー・化粧水・鎮痛剤は非常に近しい関係だったという。

他にも
・クレジットカードは、関心度は低いが、使用期間は長く、満足度も高い。
・なぜスイッチングをするのか?では、全品目すべてで「他に使いたいブランドが出来たから」が理由
・変更理由として、自動車保険、携帯電話では、価格が安かったがトップの理由
・タバコについて、1 年以内に銘柄変更した人の約半数が普通のタバコから電子タバコへと変更していた。
など、様々な消費行動と理由が浮き彫りになった。

「常連様」を逃さないためのマーケティング活用

 「顧客との永続的関係性の構築」は商売の原点、と言われているが、それを構築し、継続していくためには、やはり相当の努力が必要である。とかく企業は新規顧客の獲得に躍起になりがちだが、既存顧客との関係性もきわめて重要。こうした動向調査の結果などもチェックしておく必要は大いにあると思う。是非とも今後のEC事業に役立ててみてほしい。

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