ヤマト運輸、首都圏翌日便を実現し、農水産品の販路拡大を支援。眠る自治体の力

ECのミカタ編集部

 沿岸バス株式会社( 北海道苫前、以下「沿岸バス」)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社( 東京都中央区 、以下「ヤマト運輸」)および北海道天塩町(町長:浅田弘隆)は、8月28日に三者による連携協定を締結した。

  天塩町は北海道の北部にあり、国内第4位の長さの天塩川の河口に位置する。漁業と酪農が主要産業である。昨年7月から国の地方創生人材支援制度で齊藤啓輔副町長が着任し、各種施策を進めている。

 今回、首都圏への翌日配達を実現し、農水産品などの高付加価値化や販路拡大による地方創生、バス路線網の生産性向上などを目的として、9月1日(金)より、天塩町~豊富町間の路線バスで「ひと・もの協働輸送(客貨混載)」を開始する。

遠隔という弱みの解消、食資源の高付加価値化

 北海道北部に位置する天塩町地域は都市部から遠隔地にあたり、これまで宅急便を首都圏に送った場合、到着するのが翌々日だった。

 天塩町の主な食資源である魚介類や農産物(乳製品)、山菜などは鮮度が重要であり、商品の高付加価値化のためにも、物流の改善による都市部など大消費地への配送時間の短縮が求められていた。

 そこで今回の三者連携による取り組みにより、当日(午前中)受付の宅急便を沿岸バスの路線バス(天塩町~豊富町)に混載し、航空輸送することにより、首都圏へ翌日午前中に配達することが可能となった。

 これにより、天塩港で当日朝に水揚げされた魚介類も、翌日午前中には東京のレストランに届けることが可能となる。

眠る自治体の力

 この取り組みは、「沿岸バス」という既存の資源をシェアリングエコノミーとして利用することで、運送の効率化に成功している。運送についてはECと切っても切れない関係であり、そこに自治体との連携を絡めることで、販路の開拓や食資源の高付加価値化という相乗効果を生み出している。

 ここで注目すべきは、自治体との連携により、地方創生にも一役買っているということだ。ふるさと納税のように、ECを通した地域との連携も、今後注目である。眠っている自治体の力との連携は、新たなECの潮流を生み出していくだろう。

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