SNSの投稿画像をAIで解析。ブレインパッドの技術で商品の「素」の利用状況を知る

ECのミカタ編集部

 株式会社ブレインパッドは、日本コカ・コーラ株式会社のプロジェクトの一環として、SNSの投稿画像をAIで解析し、ドリンクの消費シーンを分析する取り組みを実施したと発表した。

 食品メーカーにとって、自社商品がどのような生活シーンで消費されているのかを把握することは、消費者心理を深く理解するための重要課題の一つだ。

 消費者へのインタビューやインターネットへの書き込み内容の分析を通じた従来の消費者意識の把握に加え、昨今のディープラーニングなどを用いた画像解析技術の進化を受け、消費シーンの実態をより深く理解することを目的として、機械学習などを用いた画像解析に実績のあるブレインパッドの提供するサービスを活かし、SNSの投稿画像から消費シーンを分析する取り組みを実施している。

 この取り組みでは、SNS上の投稿画像の中から、特定ブランドのドリンクが写った画像のみを抽出し、一緒に撮影されている物体や、背景、人物の表情などから、消費者がそのドリンクを飲むシチュエーションや、一緒に食べられている食料品などを解析。実際の解析工程においては、機械学習を用いて消費シーン以外の画像の排除や、一緒に撮影されている物体の識別を行い、約10万枚の画像の分類・集計が可能となった。

 また、共起ネットワークや階層クラスタリングにより、そのドリンクがどのような生活シーンで飲まれることが多いのかを可視化したり、季節の行事ごとの消費傾向の違いなどを解析した。

大切なのはそのデータをいかに活用できるか

大切なのはそのデータをいかに活用できるか

 こうした技術の進化によってマーケティングはより詳細に深いところまで情報を得ることができるようになった。SNSでの検索では出てこない「素」の利用状況を知ることで今後の商品展開や広告の作り方は大きく変わってくるはずだ。

 MAやCRMによって顧客や見込顧客のデータを蓄積する企業は増加している。しかし、大切なのはそのデータをいかに活用するかだと思う。そのデータから新たな価値をユーザーに提供することで初めてそのデータは「活きた」ものとなる。クリエイティブの部分はまだまだ人間の仕事だ。情報を蓄積する能力では到底及ばないが、人間が楽しいと思える新しいものを0から作り上げるということはAIにはできない。人間がAIではできないクリエイティブな部分に注力できるという意味でそういった技術は活用していくべきだろう。

 つまり、これからAIが普及していくことによって想像もしなかった新しいサービスや商品、価値観が創造されていくということ。その未来を充実したものにするために、柔軟な思考を持って様々な変化に対応していきたいものだ。


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