ヤマトと日本航空の連携で実現!フランス・パリで日本の農水産品を提供するアンテナショップを開設

ECのミカタ編集部

ヤマトホールディングス株式会社(本社:中央区銀座、代表取締役社長:山内 雅喜、以下「ヤマトグループ」)と、日本航空株式会社(本社:品川区東品川、代表取締役社長:赤坂 祐二、以下「日本航空」)は、日本の生産者のフランスでの新たな販路拡大、フランスの消費者のより豊かな生活の実現に貢献するために、日本の新鮮な農水産品の輸出入手続きから、各種輸配送、現地販売までをトータルで提供するプロジェクトを開始することを公表した。

今回の両社の提携によるプロジェクトの第一弾として、フランス・パリにて日本の農水産品の販売およびテストマーケティングを行うアンテナショップ「Le goût du Japon」を、Workshop ISSE 内に2018 年9 月上旬より開設する。

「Le goût du Japon」は、直訳すると「日本の味」を意味する。日本の美味しい食材をフランスに届けることで、消費者のより豊かな生活に貢献したいという思いがこめられているとのことだ。

フランスでの実店舗販売までをトータルに提供

フランスでの実店舗販売までをトータルに提供サービス概要図

新プロジェクトでは、ヤマトグループと日本航空が持つそれぞれの機能を連携させ、商品の調達から日本・フランス間の輸出入及び配送、販売場所の提供、実店舗での販売までをトータルに提供することで、日本の生産者が容易にフランス・パリに輸出し販路を拡大できるサービスを提供する。

フランス国内での配送は、欧州第二位の国際エクスプレス事業を行うDPDグループに属し、フランス国内最大手のエクスプレス事業者であるクロノポスト社と連携して遂行するとのことだ。

<サービス概要>

【主な役割】

①ヤマトグループ
・日本国内からフランスまでの各種輸送に関わる手続き業務
・商品提案(取引先の生産者・事業者や、各都道府県・国などの行政と連携)

②JAL
・日本フランス間の航空輸送
・機内誌での宣伝や機内食活用などによる販促・インバウンド喚起
※現地販売は、フランス国内で日本食材を扱う店舗、レストラン、卸を運営するWorkshop ISSE が実施。

【サービス利用によるメリット】

① 日本の生産者
・国内販売取引のみでフランスでの販売が可能となる
・商品について、フランスでのテストマーケティング(嗜好調査)が可能となる

② フランスの消費者
・日本からの産地直送の「旬」な食品を、自国の販売店で新鮮な状態で入手することができる

アンテナショップ「Le goût du Japon」を開設

アンテナショップ「Le goût du Japon」を開設

両社では、プロジェクト開始に至った背景として、次のような要素を挙げている。日本国内における食品産業の市場が、少子高齢化や人口減少に伴い縮小が見込まれる一方で、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、海外での日本食や日本食材への需要は高まりを見せている。

そうした「和食」への関心とニーズの高まりに呼応する形で、日本国内の農水産品の生産者や企業も拡大する海外市場への販路拡大の検討を活発に進めているそうだ。特にフランス共和国は、もともと日本に対する関心が高かったことに加え、先日の日欧EPAへの署名や、日仏交流160 周年を記念したジャポニスム2018 の開催、また食に造詣が深いといった文化的背景もあり、日本企業にとっては非常に魅力的な市場ともなっている。

一方で、日本の生産者が海外への販路拡大を図るにあたっては、煩雑な輸出入手続きや現地での販売先の開拓、言語の壁などが課題となり、多くの生産者が進出を諦めてしまうという状況があったという。特にフランスなどEU は食品に関する安全基準が厳しく、輸出入に関わる各種許可申請や輸入禁制品などをしっかりと把握した上での対応が求められる点も撤退の原因となっていたようだ。

その様な日本の生産者や企業が抱える課題を解決し、現在日本の国策の1つともなっている地域活性化・地方創生を実現および農林水産物・食品の輸出額1兆円の目標達成に貢献するため、これまで日仏間で輸送業務やそれに関わる各種輸出入手続きを行ってきた両社がこのたびプロジェクトを発足したのだ。

その第一弾として日本の農水産品の日本からフランスまでの輸出入手続きからフランス・パリ市内の配送までをトータルで行うことができるプラットフォームの構築と、フランスのパリ中心部に位置するWorkshop ISSE内に、販売する拠点としてアンテナショップ「Le goût du Japon」を開設し、日本の農水産品の販売およびテストマーケティングを行うことにしている。

さらなる販路の多様化を検討

さらに今後の展開として、アンテナショップでの直接販売だけでなく、日本食レストランへの食材の提供や、クロノポスト社のフランス国内におけるネットワークを活用し、ECで注文を受けた商品をフランスの消費者に直接届ける等、販路の多様化を検討していく方針だ。また、将来的にはDPDグループのネットワークを活用した事業拡大を行っていく計画でもあるという。

アメリカが保護主義的な政策に転じ、同国が参加する形でのTPP発効が暗礁に乗り上げる中、日本・EU経済連携協定が2018年7月17日に署名に至り、世界のGDPの約3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する見込みとなった。

俄然、日欧を結びつける経済面での結びつきが強化される形になったわけだが、これはECの面でも、もちろん新たな局面とも言える。特にフランスは、これまでも食文化を含む日本のカルチャーや伝統に対して高い関心が寄せられてきただけに、ヤマトホールディングスと日本航空が手を組んで進められる今回のプロジェクトは、日本の農水産品のみならず、多くの事業者にとって新たな展開を可能にする朗報となることだろう。

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