ヤマト運輸の中国クロスボーダー物流が加速 ロジザード社との提携によって上海にロボット活用の物流センターを展開

ECのミカタ編集部

ロジザード株式会社のグループである龍騎士供応鏈科技(上海)有限公司(本社:中国上海、執行董事:金澤茂則 以下「ロジザード」)と、ヤマトホールディング傘下の雅瑪多国際物流有限公司(本社:中国広州、董事長松本光市、以下「YIL」)は、両社が連携し企画していた、YILが上海地区で展開する上海ロジセンター(上海市嘉定区)での自動搬送ロボット(以下「AGV」)を活用した物流センターの運用が開始されたことを公表した。

拡大する中国ECに対応した最新物流システムを構築

ロジザード社のグループである龍騎士供応鏈科技と、ヤマトホールディング傘下のYIL(本社:中国広州、董事長松本光市)は、両社が連携し企画していた、YILが上海地区で展開する上海ロジセンター(上海市嘉定区・AGV)を活用した物流センターの運用が開始されたことを公表した。

中国国内でのeコマース市場の拡大は周知の通りだが、特にキャンペーン実施の際の物量波動への対応は、「作業人員を増やす」という旧来の手法に頼らざる負えない点が大きな課題だったという。さらに人件費の高騰や作業員不足の課題は、中国においても日本と同様な情勢にあり、中長期的な対応を必要としている。

これらの課題に対処するため、ロジザードが中国企業にOEM提供するWMS「e-倉管」と、北京极智嘉科技有限公司(Geek+)のAGVとの連携による自動化物流システムの構築プロジェクトにて、3PLであるYILと倉庫内の運用を共同で企画し、稼働をスタートさせたのだ。

中小規模の荷主にも対応可能

中小規模の荷主にも対応可能

ロジザード社が提供する「ロジザードZERO」は、2012年9月に販売を開始した自社開発のクラウドWMS (倉庫管理システム)だ。高いコストパフォーマンス、幅広い業態の荷主を管理しうる柔軟性、導入までのスピード感、365日電話対応可能なサポート体制を誇る。

そして何より「システム会社」としてではなく顧客に寄り添って1社1社丁寧に導入支援を行う「サービス会社」としての姿勢が評価され、既存ユーザ及び業界周辺企業による紹介・口コミを中心に実績を伸ばしてきた。

導入実績は1000現場以上、とWMS業界において圧倒的な実績トップクラスのシェアだ。同社の開発したAGV連携システムは、3PLが要求する「複数荷主」の運用が可能となる設計だ。これまでのAGVシステムは荷主単位での個別導入が主だったものであり、採算上、大規模な荷主向けとされていた。

同社のクラウドWMS『ロジザードZERO』はAGVの運用を標準化することで、複数の荷主間でAGVや棚等の設備をシェアすることが出来る。これによって自動化設備のコストを最小化(投資回収期間の短縮)すると同時に稼働を最大化(=生産性増加)することが可能となった。これは日本に先行して中国企業にOEM提供するWMS「e-倉管」での稼働となったものだ。

今後も自動化設備との連携企画を共同で進める

同社では今後の展望として次のように述べている。

「YILにおける第一弾の導入は、eコマース事業を展開されている既存顧客から開始いたします。その後、他荷主へ順次適用する予定です。当社は引き続き稼働支援を行い、より標準的に活用できる機能の企画を進めて行くと同時に、今後もAGVにとどまらず様々な自動化設備との連携企画を共同で進めてまいります。また同時に、ロジザードにおいて、クラウドWMS『ロジザードZERO』へ順次機能移植を行い、日本の3PL企業へAGVの活用を提供できる体制を作り、サービスの拡充を進めてまいります」

このように拡大する中国のEC市場とそこに立ちはだかる物流における深刻な課題に対応し、さまざまな規模の荷主に対応する特徴的な内容となっているようだ。越境ECの加速に向けて心強い物流ソリューションとして大いに期待される。


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