『食べチョク』のビビッドガーデンが6億円の資金調達を実施 マーケ強化・人材開発・採用・食べチョク物流構想などへ投資

【上段左から】デライト・ベンチャーズ 南場智子、NOW 梶谷 亮介、NOW 中島 弘貴、デライト・ベンチャーズ 永原健太郎

【下段左から】 VOYAGE VENTURES 高田絹子、ビビッドガーデン 秋元里奈、ジャフコ 小沼晴義、マネックスベンチャーズ 和田誠一郎

※敬称略

株式会社ビビッドガーデン(本社:東京都港区 代表取締役社長:秋元里奈)は、株式会社ジャフコをリードインベスターとして、既存株主であるマネックスベンチャーズ、VOYAGE VENTURES、デライト・ベンチャーズ、NOWから総額6億円の第三者割当増資を実施した。

ヤマト運輸と連携も予定

オンライン直売所『食べチョク』を運営するビビッドガーデンは、ジャフコをリードインベスターとして、既存株主であるマネックスベンチャーズ、VOYAGE VENTURES、デライト・ベンチャーズ、NOWから総額6億円の第三者割当増資を実施した。

『食べチョク』は、生産者から直接食材などを購入できるオンラインマルシェだ。野菜・果物をはじめ、米・肉・魚・飲料といった食材全般や花を取り扱っている。また好みに合う生産者を選んでくれる野菜定期便「食べチョクコンシェルジュ」や旬の果物が届く定期便「食べチョクフルーツセレクト」があり、定期的な取り寄せができるのも特徴だ。

さらに友達と分けあえる「共同購入」の機能や販売前に商品を取り置きできる予約機能などもあり、ライフスタイルに合わせた様々な買い方を提供している。2020年7月に登録生産者数2,200軒を突破し、8,000を超える品々が出品されている。

資金調達の背景・目的

資金調達の背景・目的

同社によれば、農業従事者の平均年齢は67歳で、農業従事者数は減少の一途をたどっており、廃業を決める生産者も少なくないという。そうした農業の現場が抱える課題を前に、一次生産者の販路を広げる「食べチョク」の仕組みをより早く多くの生産者に利用してもらうために、今回のシリーズBの資金調達を行ったそうだ。今回調達した資金は『食べチョク』のサービスを一層強化するべく主に以下の用途に充てるとしている。

・新規顧客獲得のためのマーケティング強化
・人材開発、幹部人材の採用強化
・物流サービスレベルの向上(食べチョク物流構想への投資)

◆今回の引受先
・(新規)株式会社ジャフコ
・(既存)マネックスベンチャーズ株式会社
・(既存)株式会社VOYAGE VENTURES
・(既存)株式会社デライト・ベンチャーズ
・(既存)株式会社NOW
*敬称略、順不同

生産者のこだわりが正当に評価される世界へ

各投資家とキーパーソンからは次のようなコメントが出されている。

・小沼晴義氏(株式会社ジャフコ プリンシパル)

「ビビッドガーデン社が運営する『食べチョク』は、全国のこだわりの生産者から、自分が食べたい・家族に食べさせてあげたい、新鮮な野菜、果物、肉、魚、を手軽に購入できる、旬の食材を楽しめる、世の中に無くてはならない存在です。創業者の秋元さんをはじめとして、運営に関わる方々の『想い』が込められているサービスと感じています。これからも、生産者と消費者との双方の満足度を高める努力を惜しまない会社として、また消費者から繰り返し繰り返し利用される『食』のマーケットプレイスとしてのさらなる成長を期待していますし、ジャフコとしても全力で応援していきます」

・和田誠一郎氏(マネックスベンチャーズ株式会社 代表取締役)

「世の中のあらゆる環境は大きく変化しました。この環境変化を冷静に見極め、『農家のこだわりが正当に評価される世界』の実現に向けて、我々が何をするべきか。課題に真摯に向き合い、一つ一つ実現してきた秋元さん率いるチームメンバー全員を心から尊敬します。生産者様、購入者様を始めとする多くの人々に支えられて、大きく飛躍したビビッドガーデン。新しい株主、新しい仲間を迎え入れ、社会に不可欠なサービスとなるべく、さらなる拡大に向けて、チームメンバー全員と共に邁進してまいります」

・高田絹子氏(株式会社VOYAGE VENTURES インベストメントマネージャー)

「既存株主としてこの一年、数々のアライアンス、キャンペーン施策を遂行させてきたビビッドガーデン社に伴走でき、喜ばしく思います。多様な企画力、関係各所との調整力に裏打ちされた数多の施策の積み重ねがあるからこそ、今回コロナ禍においても、生産者向けに、どこよりも機動的に、全方位、全力での支援体制を敷くことができたといえます。各種施策を通じ、社員の方々の個々の経験と実行力が増し、ビビッドガーデン社は、より有機的で力強い組織体へと進化しています。今回新たな株主としてジャフコ社がジョインすることで、各方面とのアライアンス強化も期待できます。ビビッドガーデン社が生産者にとって必須のインフラの一つとして役割を果たせるよう、“チーム食べチョク”で共に力を合わせていきたいと思います」

・南場智子氏(株式会社デライト・ベンチャーズ マネージングパートナー)

「チーム秋元は見事順調に前進を続けています。農家や顧客の声を聞き、トレンドを捉え、組織体制を強化し、そして明るさと勢いを失わずに、積極的な事業展開を推進中。DeNA時代からずっと秋元さんを見ている私にとっては、嬉しくて、眩しくて、最高です!農家、消費者、そして日本を元気にするビビッドガーデンの更なる発展に向けて、デライトベンチャーズは全力でチーム秋元を支えて行きます」

・永原健太郎氏(株式会社デライト・ベンチャーズ プリンシパル)

「ビビッドガーデン社にはちょうど一年前、ファンドが立ち上がって間もないタイミングで投資をさせて頂きました。当時から秋元さんは生産者さんにどう貢献するか、そしてユーザーさんに美味しい野菜を届け素晴らしい体験をいかにしてもらうかを第一に、事業に邁進されていました。コロナという誰も予想しなかった情勢の中、ブレることなく湧き出る秋元さんの熱量に感化され、素晴らしいメンバーも集い、強力な株主も加わりますます楽しみになってきました。デライト・ベンチャーズとして引き続き応援できることを楽しみにしています」

・家入一真氏(株式会社NOW 共同代表取締役)

「コロナという全世界を襲う未曾有の災害に、たくさんの方々が今、困難を強いられています。こういった時にこそ動けずに、何がスタートアップだ、何がプラットフォームだ、と個人的に思います。今こそビビッドガーデンにできること。それは、これまで愚直に全国の生産者さんと向き合ってきたビビッドガーデンだからこそできる、生産者さんの物語や哲学といったオフラインアセットのオンライン化なのだと思います。株主として、そしていち起業家として、秋元さん率いるビビッドガーデンを引き続き応援していきます」

・梶谷亮介氏(株式会社NOW 共同代表取締役)

「最初の投資から約2年、僭越ながら、ビビッドガーデンと代表の秋元さんの素晴らしい成長ぶりは目を見張るものがあると感じております。一方、この間、秋元さんとお会いした際(季節問わず笑)、「食べチョクTシャツ」以外を着ている姿を見たことはなく、これは2年前となんら変わりません。一般に、農業×ITという領域で成功することは想像以上に難しいことだと思いますが、秋元さんは生産者様や消費者様への深い愛情をベースに、上記の通り成長され、初志を貫くこと(Tシャツに代表されるように笑)でブレイクスルーしようとされています。この度、NOWとして改めてではありますが、秋元さんを始めとしたビビッドガーデンの皆様のこの思いを応援させて頂きたく、追加投資をさせて頂きました。数年後に「食べチョクTシャツ」を着た皆様が東証の鐘を鳴らす姿を楽しみにしております」

・中島弘貴氏(株式会社NOW キャピタリスト)

「生産者のこだわりが正当に評価される世界を実現する"と強い信念を持った秋元さんのもとに優秀な仲間が集まり、これまで以上に『食べチョク』チームのパワーを感じています。世の中が大きく変化している中で、『食べチョク』が生産者様とユーザー様を繋ぎ、多くの人に食を通して幸せを届けて欲しいと思います。NOWも『食べチョク』の成長を全力で応援していきたいと思っております」

・ビビッドガーデン代表 秋元氏

「食べチョクがスタートして間も無く3年。創業から一貫して『生産者のこだわりが正当に評価される世界』を目指し走ってきました。月に1,479万円を売り上げる方が出てくるなど、少しずつ食べチョクが貢献できることは増えていますが、まだまだ進捗は1%程度。生産者さんにとってより価値のあるサービスにするために、今回の資金調達を実施しました。調達した資金は購入者・生産者さんの利便性向上、物流強化に充てて参ります。新規株主としてジャフコ社に参加いただき、また多くの既存投資家の皆様が追加出資を決めてくださったことは大変嬉しく、心強いです。サービスや資金だけでなく組織も強化し、さらなるスピードで生産者さんに貢献していきます。今後の食べチョクにご期待ください」

ビビッドガーデンは前述のように「食べチョク物流構想」を進めている。その第一弾として、9月頃からヤマト運輸とシステム連携を開始予定だ。これにより、生産者は今までより簡単に発送作業をすることができるようになるという。また、「食べチョク特別送料」の提供も開始される見込みだ。食のECとして、生産者と消費者をつないできた同社は、今回の資金調達を通して、さらなる飛躍と日本の農業の支援へ向けて新たな歩みを進めることになりそうだ。

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