eBayが2020年度第4四半期の販売トレンド（日本からの出品）を公表

2021/02/09

ECのミカタ編集部

イーベイ・ジャパン株式会社（所在地：東京都渋谷区、代表取締役社長：岡田雅之）は、2020年度第4四半期（10‐12月）の期間に日本セラーから出品されたアイテムの販売動向を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

売れ筋商品ランキング

2018年から再ブームを起こしているポケモンカードの人気が海外でも爆発。取引個数は、11月に発売された新商品「シャイニースター」が1位に輝いた。2位となったのはポケモンカードのイラスト公募企画優秀作品を商品化したもので、このような日本限定の商品が海外では非常に人気だという。

また新型コロナウイルスの影響を受けた在宅需要も継続し、DIYで重宝するマキタのインパクトドライバ、アナログレコードの音質を向上させるナガオカのステレオカートリッジ、自動車補修用のスプレーガンと、日本が海外に誇る有名メーカーの商品がランクインした。

カテゴリー取引額ランキング

取引額ランキングは、感謝祭やブラックフライデー、クリスマスなど海外の年末ギフト需要やご自愛需要が影響し、女性向けのブランド品や、おもちゃ関連と趣味性の高い商品が好調だった。また、前回8位に登場したトレーディングカードは前述のポケモンカード人気の影響もあり、4位とさらなるランクアップを果たした。

カテゴリー成長率ランキング

取引額のうち、前年同期比で大きく成長したカテゴリーでは常連のファッションや腕時計を押しのけ、トレーディングカード、ビデオゲーム、自動車パーツという新鮮な顔ぶれとなった。この一年、ビデオゲームはコロナ禍における巣ごもり需要、自動車パーツはや日本車の海外人気拡大を背景に人気が定着しつつあるようだ。今回前年比で491％と驚異的な伸び率を見せたトレーディングカードも、今後越境ECの新たな上位人気カテゴリーとして定着するか注目と言えそうだ。

2020年第4四半期越境ECトレンドまとめ

◆新型コロナウイルスと年末商戦の影響で売上は堅調に推移

同社によれば、コロナ渦での外出自粛や在宅時間の増加と、それに伴う消費行動の変化により、利用者は引き続き増えており、年末商戦時の売上も増加した。コロナの影響を濃く反映したものとして、DIYがトレンドとなり、工具やカーパーツの需要が増えている。また米国では11月後半から12月に渡ってサイバーウィーク＆年末商戦が繰り広げられ、ご褒美需要として高価格帯商品が売上を伸ばしたほか、趣味にお金を使う人も多く、ポケモンカードやビデオゲーム、ギターなども好調で、eBayの売上も堅調に推移した。年末商戦時は世界的に物量が増えることにより配送トラブルが多くなるが、昨年は、クーリエ（国際宅配便）に変更するセラーも多く、商品が届かないといった問題は減少しているという。

◆トレーディングカードカテゴリーが大きく成長

売れ筋商品ランキング位となったハイクラスポケモンカードは、年末商戦時に発売され、日本国内でも入手困難になるほどだったが海外でも同様に人気を集めの売上も伸ばした。トレーディングカードはカテゴリー全体でも人気で、投資目的で購入するバイヤーや、高額で取引されるカードも増えているという。そういった情報がメディアなどで露出されることで、さらに取引が活発になる好循環を生んでいるとしている。

◆今後の予測

2021年第1四半期（1月～3月）は新型コロナウイルスの感染拡大で世界中の多くの人が自宅待機を強いられていることから、昨年同様の巣ごもり重要の高まりを予測。プラモデル、ビデオゲーム、パズルやぬいぐるみなど自宅で遊べる商材の売上が上がる見込みだとしている。2月後半には米国で始まるタックスリターン（日本での確定申告に近いもの）に伴い高価格商品の取引が上がると予測。また昨年の感染拡大初期にみられた、航空便の減少により商品が届かないなどの配送トラブルは、クーリエ（国際宅配便）の使用により、昨年よりさらに減少するだろうとしている。また高級腕時計は年明け現在も前述の真贋保証サービスの効果により好調で今年の前半も続くと予測している。真贋保証は、さらに中古ブランドバッグ＆アクセサリーカテゴリーにもサービスを拡大予定で、それを受けて同カテゴリーが活性化されることも見込む。成長株のトレーディングカードは、米国では投資の対象とするコレクターも増加しており今後も世界的な市場の成長が見込そうだ。中でも日本語版ポケモンカードの人気は年も継続中。今年はポケットモンスターが周年を迎え、海外ではとして予告トレーラーも登場しており、ポケモン関連商品の更なる人気拡大が期待される。そのほか、ソーシャルディスタンスを取る中で楽しめる趣味（カメラ、車、DIY）やスポーツ（釣り、ゴルフなど）の人気再上昇も予測されるとしている。

このように、ブラックフライデー、クリスマスなど海外の年末ギフト商戦や、長引く新型コロナウイルスの影響などが各ランキングに反映される中、大きな動きを見せたのが驚異的な成長率をみせたトレーディングカードのカテゴリーだった。特に「ポケモンカードゲーム」（以下、ポケモンカード）は日本限定商品が相次いで発売されたこともあり人気が爆発。売れ筋商品のを独占したほか、カテゴリーランキングの順位を押し上げるなど、トレンド全体にも影響を与えたようだ。