楽天市場で使える広告とは? 運用方法から費用などを解説
・楽天広告のタイプ
・それぞれの楽天広告の特徴
・各楽天広告の費用
・各楽天広告のメリット・デメリット
・まとめ
コロナ禍でネットショッピングのニーズが高まり、楽天市場に出店をした企業も増えているのではないでしょうか。
しかし、出店したはいいものの、アクセス数や売り上げが上がらないと悩む人も多いと思います。
そこで今回は、楽天市場においてアクセス数、そして売り上げを伸ばすために欠かせない手段である楽天広告についてご紹介します。
楽天広告のタイプ
まず、楽天広告の広告方法のタイプを紹介します。
楽天広告には、「掲載型広告」「配信型広告」「成果報酬広告」の3つのタイプがあります。
それぞれ説明していきます。
掲載型広告
掲載型広告は、ディスプレイ型広告ともよばれ、PCやモバイルのサイト上に広告を表示する方法です。
楽天市場のトップページやジャンルページ、特集ページなど多くのユーザーの目に留まる場所に掲載されています。
「楽天市場広告」や「特別大型企画」がこれにあたり、このどちらの広告も掲載されただけでは料金はかからず、ユーザーがクリックした際に課金されるシステムとなっています。
また、特別大型企画の広告は開催の1~2ヶ月前に購入が締め切られてしまうため、早めの購入決定が必要になります。
配信型広告
配信型広告とは楽天から会員ユーザーに配信されるメールマガジンの中にバナー広告として掲載されるものです。
ユーザーの閲覧・購入履歴などから絞った、特定のジャンルに興味のある人にダイレクトに広告を出すため、おすすめニュース広告とも呼ばれます。
ユーザーの履歴から絞られた特定の対象者に向けた限定セールスなど、商品に元々興味を持っている会員への訴求効果が期待できます。
近年では、掲載系広告と一緒に配信するのが一般的です。
「楽天配信」と「店舗配信」の二種類があります。
成果報酬型広告
成果報酬型広告とはクリックやクーポンコード取得、コンバージョンなど、さまざまな成果に応じて費用が発生するものです。
成果が出た時点での費用発生となるため、自社の店舗までたどり着くことが保証されています。
したがって、費用対効果が一番わかりやすく、予算を無駄にすることなく、安心して利用することができます。
「RPP広告」「クーポンアドバンス広告」「CPA広告」「楽天ターゲティングディスプレイ広告」などがあります。
それぞれの楽天広告の特徴
広告方法のタイプ別特徴、そしてどのような広告があるか理解できたところで、それぞれの広告について細かく見ていきましょう。
楽天市場広告
楽天市場広告は掲載型の広告で、楽天市場内の様々な場所に表示され、掲載期間があらかじめ設定されている露出型広告です。
掲載場所やフォーマットは多岐に渡りますが、商品写真やキャッチコピーを掲載して、任意ページに誘導する形式が最も一般的になっています。
目玉商品や売れ筋商品を掲載し、商品そのものの認知度をあげることが可能です。
楽天スーパーセールやお買い物マラソンなどの楽天が開催するイベントに合わせて出稿することで、急激なアクセス数の増加が望めます。
しかし掲載型の広告は、楽天市場をなんとなく見ていたユーザーが訪れる可能性が高くコンバージョンが少なくなりがちなため、広告から移動した先のページでユーザーの心を掴む必要があります。
したがってコンバージョンを上げるには広告特集ページを作り、そこから様々な商品を見てもらう、またはクーポンや割引施策を行なって購買意欲を高める必要があります。
特別大型企画
特別大柄企画も楽天市場広告と同じ掲載型の広告で、広告予算を多くかけることのできる、売り上げ実績のある会社向けの広告方法です。
「大口予算枠」と「超目玉枠」の二種類があり、どちらも必ず掲載できるとは限らず、楽天が売り上げ実績や広告予算の高い店舗から調整して掲載する店舗を選んでいます。
大口予算枠はスーパーセールやお買い物マラソンなどの楽天の開催するイベント期間に、200万円以上の予算を投入して広告枠を購入しないと、使用できない広告枠です。
希望の広告枠を選択して広告費が200万円に達しても楽天側からの調整がかかるため、必ず出稿できるわけではなく、さらに希望ではない枠まで選択して無理やり200万円という条件をクリアする必要も出てきます。
次に、超目玉枠ですが、こちらは広告費がかからない広告となっています。
この広告枠には、楽天が開催する広告を盛り上げるための協賛商品が掲載されるため、楽天が提示する条件を満たすことが必要です。
楽天のイベントが成立するのは、その期間に店舗が割引やポイントアップなどのキャンペーンを行うためであり、これを促すために、楽天は条件付きで無料広告掲載を行なっています。
楽天配信と店舗配信
楽天配信と店舗配信はどちらも配信型の広告ですが、主に誰がメールを作成するか、また配信先のユーザーに差があります。
楽天配信は、楽天が閲覧履歴等をもとにして、購入見込みのあるユーザーに対して商品選定とメール作成を行い購入を促すものですが、店舗配信は店舗側が、すでに商品購入の履歴があるユーザー向けに購入後のフォローアップや再購入を促すアプローチをするためにメール作成を行います。
どちらも広告の配信先の選定と配信は楽天が行います。
配信型の広告では、メルマガによって配信されるため、メルマガの開封率によってクリック数やコンバージョン数も変化します。
したがって特に店舗側がメール作成を行う店舗配信では、開封してもらうためのタイトルの工夫が必要になってきます。
また、楽天配信では競合商品も同じメール内で配信されるため、CPC(Cost Per Click = クリック単価)の設定が重要になります。
同じような商品が羅列された際、ユーザーは低価格なものを選ぶことが多いため、競合商品の価格によってCPCを変更するという対策を行うと効果的な広告の活用が可能です。
RPP(Rakuten Promotion Platform)広告
RPP広告とは、ユーザーの検索結果ページに広告が掲載される検索連動型の広告です。
楽天市場内におけるリスティング広告ともいえ、ユーザーが検索したキーワードとマッチした商品の「商品名」「キャッチコピー」「商品説明」を楽天が自動で表示させる仕組みになっています。
RPP広告枠はPCでは上位3枠、スマートフォンでは上位5枠と決まっており、検索結果の上位枠に表示させることによって商品ページへの流入を増やすことができます。
RPP広告は初期設定の状態だと、楽天の店舗運用システム(RMS=Rakuten Merchant Server)に登録されているすべての商品が広告対象となってしまうため、広告費を無駄にすることなくRPP広告を活用するには除外商品の設定や、商品やキーワードごとのCPCの設定が必要になります。
クーポンアドバンス広告
クーポンアドバンス広告は楽天トップページやジャンルページ、検索結果ページなど様々なページに掲載される、クーポン付の露出広告です。
ユーザーの検索履歴などからパーソナライズして配信を行い、クーポンの取得ごとに課金されます。
ユーザーがクリックした際にクーポンが発行されるため、コンバージョンにはつながりやすいですが、クーポン使用時ではなく発行時に課金されるという点には注意が必要になります。
また、ユーザーマッチング配信とキーワードマッチング配信の2つの方法で配信を行うため、購入意欲の高いユーザーにアプローチできるという面もあります。
CPA広告
CPAとはCost Per Actionの略で1件のコンバージョンを得るためにかかるコストである、顧客獲得単価のことを指します。
つまりCPA広告とはコンバージョンに対して広告費が発生する成果報酬型の広告になります。
楽天のCPA広告ではユーザーが広告をクリックして720時間以内に広告経由で発生した売り上げに対して、20%の費用が発生します。
入稿作業がなく、広告の設定がないため非常に簡単に配信することができますが、すべての商品が広告対象となってしまうため、特定の商品だけを広告に出すことができません。
ただし、すべての商品が掲載されるというわけではなく、楽天側で選定されて配信されます。
TDA(ターゲティングディスプレイ広告)
TDA(ターゲティングディスプレイ広告)は2020年3月からリリースされた楽天の新広告で、店舗側が設定したセグメントにバナー広告を配信できるというものです。
「閲覧履歴画面」「お気に入り画面」「ランキング画面」「レビュー画面」などこれまでのバナー広告ではアプローチしていなかった面に広告を掲載するのが特徴で、楽天市場内の見に掲載されるため、買い物をしにきているユーザーに対して効率的に広告を表示することができます。
バナー画像の入稿は必要ですが、あとは予算、配信期間、配信対象を選定するだけで、楽天が自動で合致するユーザーを選定して配信してくれます。
各楽天広告の費用
TDA(ターゲティングディスプレイ広告)は2020年3月からリリースされた楽天の新広告で、店舗側が設定したセグメントにバナー広告を配信できるというものです。
「閲覧履歴画面」「お気に入り画面」「ランキング画面」「レビュー画面」などこれまでのバナー広告ではアプローチしていなかった面に広告を掲載するのが特徴で、楽天市場内の見に掲載されるため、買い物をしにきているユーザーに対して効率的に広告を表示することができます。
バナー画像の入稿は必要ですが、あとは予算、配信期間、配信対象を選定するだけで、楽天が自動で合致するユーザーを選定して配信してくれます。
各楽天広告の費用
それぞれの広告の特徴の次に気になってくるのは、広告にかかる費用でしょう。
下記の表はそれぞれの広告にかかる費用と、課金システムをまとめたものです。
楽天の広告の課金システムはクリック型、もしくはクーポンやコンバージョン獲得時の課金が多く、ターゲティングディスプレイ広告以外は成果報酬に伴った課金であることがわかります。
次に、各広告の費用について細かく見ていきます。
楽天市場広告
・40,000~1,200,000円と比較的高価で幅広い料金設定
・掲載枠の場所や掲載期間によって費用の変化が激しい
・楽天が開催するイベント時には大幅に費用が上がる場合がある
・予算調整には注意する必要あり
特別大型企画
・大口予算枠:最低でも200万円の広告枠の購入が必要
・超目玉枠:「商品価格50%off」などの条件がつく
・超目玉枠の割引額などは店舗負担のため注意が必要
・多くの広告費用をかけられる実績のある企業である必要がある
楽天配信と店舗配信
・楽天配信:最低設定額5,000円〜
・店舗配信:最低設定額30,000円〜
・どちらもクリック単価の設定は自由
・無駄のない広告運用をするにはクリック単価の設定が重要になる
・予算を超過した分のクリック課金は発生しない
・予算オーバーになるリスクがない
RPP広告
・クリック単価:25円〜1000円
・月予算:5000円〜
・予算消化後は広告配信停止
クーポンアドバンス広告
・クリック単価:40円〜60円
・月予算:5000円~
・クーポン使用時の割引額は店舗負担
・クーポンの割引率は4%以上であれば自由に設定可能
CPA広告
・広告費:広告経由の売上の20%
・コンバージョンが発生しない限り広告費は発生しない
・720時間以内に広告経由で発生した売り上げ全てに課金される
TDA(ターゲティングディスプレイ広告)
・0.8~1.8円/1回の表示あたり
・最低出稿額:100,000円
・入稿したバナーは予算を消化し切るまで変更できない
各楽天広告のメリット・デメリット
それぞれの広告の価格帯が分かったところで、最後にメリット・デメリットを紹介します。
楽天市場広告
楽天市場広告は楽天市場のページに広告が掲載されるため、多くのユーザーに接触できるという特徴があり、商品やショップの認知度を高められるというメリットがあります。
また、入稿すれば必ず出稿されるので、競合他社の実積を機にすることなく広告を出すことができます。
しかし、認知度を高める施策むけの広告であるため、ターゲットを絞らずに配信され直接的な購入につながりにくいというデメリットもあります。
さらに広告の上位枠を獲得しなければなかなかクリックされず、費用対効果を上げるのが非常に難しいです。
特別大型企画
特別大型企画は楽天の開催するイベントに合わせた広告のため、クリック数の大幅な増加を狙うことができ、売り上げの増加につながりやすい広告です。
しかし、大口予算枠では最低でも200万円以上、超目玉枠では商品50%offといった大きな割引額の負担など、店舗への負担が大きいというデメリットもあります。
楽天配信と店舗配信
購入見込みのあるユーザーや、すでに購入履歴のあるユーザーに配信を行う楽天配信や店舗配信では、ユーザーの好みのジャンルや購入履歴から、ユーザーにあった商品の配信をするため、広告を見た人の高いコンバージョン率を期待することができます。
しかし、楽天配信では競合商品が同じメール内で配信されるため、競合商品への対策を行わなくてはいけません。
また、楽天配信も店舗配信もどちらもメールによっての配信となり、メールを開いてもらわない限り広告を見てもらえないというデメリットがあります。
RPP広告
RPP広告は、最低クリック単価と月予算の決定のみで楽天が運用してくれるため、広告運用の初心者でも扱うことのできる広告です。
さらに検索結果の上位に広告商品を表示することができるため、多くの購買意欲のあるユーザーを商品ページに流入できるというメリットがあります。
しかし、デフォルトの状態では出品しているすべての商品が広告対象となるため、広告したい商品以外は除外する設定を行わないと、無駄な広告費を消費するというリスクがあります。
クーポンアドバンス広告
クーポンアドバンス広告は、検索時に、検索結果のトップに表示され、さらにクーポンがあることによって購入につながりやすいというメリットがあります。
また、クーポンによって売り上げが大幅に伸びた場合、その結果を商品の価格の見直しの際に役立てることも可能です。
しかし、ユーザーマッチングやキーワードマッチングに基づいた配信となるため、小規模や新規参入の店舗の場合、配信までに時間がかかるといったデメリットもあります。
CPA広告
CPA広告はコンバージョンがない限り広告費がかからないため、まとまった広告費の準備が難しい店舗でも広告を出せるというメリットがあります。
売り上げに対して課金されるせいか報酬型のため、売れないのに予算だけ消化されるというリスクはありません。
さらに、お買い物マラソンやスーパーセールなど、閲覧者が多い場所に広告が掲載されるため、多くの人の目に留まる可能性が高いです。
しかし、ユーザーが広告をクリックしてから720時間以内に購入した広告経由の商品全てが課金対象となるため、まとめ買いをされると広告掲載商品ではない商品分の負担も発生するため、広告費が高額になるというリスクもあります。
TDA(ターゲティングディスプレイ広告)
TDAでは楽天の独自のユーザーデータをもとにターゲティング配信を行うことができるというのが大きなメリットです。
楽天内でのユーザーの行動履歴でセグメントを設定し最適な広告配信ができるため、ターゲットとするユーザー層に高価的なアプローチをすることが可能です。
また、目的に応じてバナーデザインを自由に製作できるというのも嬉しいポイントです。
ただ、バナーに修正が必要な際にはバナーの再入稿まで行う必要があるため、楽天何の他の広告よりも配信までに時間がかかることはネックとなります。
さらに、一度配信をしてしまうと予算を消化し切るまで広告の配信を止めることができないため、バナーの変更などが予算消化後までできないというデメリットもあります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、楽天で配信される各広告の特徴や費用、メリットデメリットについて紹介しました。
楽天広告にはさまざまな広告があり、メリットデメリットもさまざまです。
自社の店舗の規模や商品数、さらにかけられる広告費に合わせた最適な広告を利用し、効率的な広告運用を行なっていきましょう。