買物では来店前にスマホ経験56.8%、来店中のスマホ経験者51.8%/スカイライトコンサルティング

急速に進むネットとリアルの融合


スカイライトコンサルティング株式会社と子会社の株式会社シンクエージェントが、生活者のオムニチャネルにおけるスマホ行動について共同調査を行った。
調査により、次のようなことがわかったという。

● 買物の前にスマホを使って店舗や商品の情報収集をした経験がある人は、全体の56.8%。
特に小さい子供のいる既婚女性では、71.9%が事前に情報収集を行っている。
また、ファッションこだわり層では、店舗営業時間の確認(51.2%)やフロア・マップの事前チェック(41.0%)が多い。

● 買物中にスマホを利用した経験がある人は、全体の51.8%。
中でも「家電こだわり層」では、全体の48.8%が店頭でみた商品の相場価格や最安値を調べた経験あり。

● 買物(来店)後にスマホでアクションする人は全体の24.4%。店でみた商品をあとで買ったことがある人は、全体の15.5%であった。

実店舗ではしばしば買い物客がその場あるいは自宅へ戻ってネット上の商品と比べて安い方を購入する「ショールーミング」が、売り上げ等に影響を与えると問題視されることもあるが、こうしてみるとネットから実店舗へ流れるO2O(Online to Offline)も相当に多いことがうかがえる。

求められるオムニチャネルへの対応


今回の調査により、生活者の「オムニチャネル行動」が年代や居住地域を問わず、定着しつつある実態が浮き彫りになった。また、顧客のライフステージや購入する商品のジャンルによって、オムニチャネルの「行動パターン」が異なるという事実も明らかになった。

店舗、通販、ネットというような複数チャネルを、たとえば高齢者向けには店舗で、若年層に特化した商品はネットで、主婦層向けの商品は通販で使い分けるマルチチャネル的な発想は、高齢者もスマホを持つようになった今、すでに過去のものになりつつある。

商品の認知から購買に至る一連の購買行動については、すべてのチャネルを連携して併用するオムニチャネルに対応していかなければならない。それはわかっているが、まだまだ手探りの部分が大きい。

「オムニチャネル元年」とも言われた今年もあと2ヶ月。ネットとリアルの融合が進み、ビジネスは大きな過渡期の瀬を渡っているように思われる。