サウンドハウスが楽天店を「怒り」の閉鎖、振込先の楽天銀行一本化に抗議

「日本の商習慣ではありえない」口座の統一


楽器や音響機器販売のEC大手サウンドハウスは11月19日、楽天市場に出店している通販ショップの運営を取りやめたことを明らかにした。楽天が銀行振り込みの振込先を「楽天銀行 楽天市場支店」に統一したことに対する抗議としての引き上げである。

抗議文によると、サウンドハウスはこれまで3年間、楽天市場に商品を掲載してきたが、今回、楽天が一方的に決済口座としては楽天銀行の口座に一本化するということを決めて告知してきたことに対し、「出店店舗の銀行口座を勝手に開設し、決済用口座としてはその口座しか認めないということは、これまでの日本の商習慣ではありえない」ということである。

サウンドハウスは楽天に詳細な説明と即時撤回を求めたが、納得できる説明もなく、口座の取り消しも実行しないことが判明したため、やむを得ず、楽天との取引を中止することにしたという。

「楽天あんしんショッピングサービス」のための施策が裏目に?


サウンドハウスの抗議文は、次のように続いている。

「国内トップのインターネット事業を営む楽天が、自社グループの利益のみを追い求め、出店している店舗に対して一方的にこのような暴挙を行うことについて、弊社では理解することも容認することもできず、今回の措置を取ることとなりました。

日頃より楽天をご利用されているお客様にはご迷惑をおかけすることとなりますが、何卒状況をご理解いただきたくお願いする次第です。
なお、楽天以外の外部ショッピングサイトは継続して営業致します。
サウンドハウスでは引き続きお客様にご満足いただくために、数多くの商品を、最低価格でご提供してまいりますので何卒よろしくお願い申し上げます。」

楽天は現在、ユーザーに対してより安心して楽しく買い物をしてもらうための取り組みとして、「楽天あんしんショッピングサービス」を推進している。
銀行振り込みの振込先を「楽天銀行 楽天市場支店」に統一するのもその一環だ。
楽天の説明では「楽天市場では、お客様により安心してお買い物していただくため、楽天が決済の窓口となって決済代金の流れを確認できる仕組みをご用意いたします」ということである。

しかし、この楽天の施策は、受け止め方によりさまざまに解釈できそうだ。