フィリピン越境、ポイント利用は商品と交換!?(GMOリサーチ調べ)

ECのミカタ編集部

越境ECに効く!日本とフィリピンの認識の違いが明らかに!

GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社(以下、GMOリサーチ)は、GMOリサーチが保有する日本とフィリピンのモニターを対象に『ECサイトにおけるポイント利用実態調査』を実施した。

この調査は日本ではすでに浸透しているECサイトとポイントシステムの組み合わせについて、アジアでの利用実態を把握することを目的に実施したものであり、調査対象国としてフィリピンを選んだのは東南アジア諸国の中でも高い成長率を維持しているためである。

調査結果は下記にまとめる。
○ECサイトの利用頻度
・「月に2~3回以上」 日本:53.1%/フィリピン:32.0%
・「月に1回程度」 日本:33.5%/フィリピン:34.0%
ECサイトの利用頻度が高い人は日本で半数を超えるが、フィリピンでは3割程度となった。日常生活における浸透度は日本のほうが高いと言える。一方で、月に1回程度利用する人の割合は両国でほぼ変わりなかった。2つの結果を合わせて考えると、毎月1回以上利用しているの割合は日本で約8割、フィリピンで6割強という結果になり、日本ほどではないがフィリピンでもネットショッピングは普及しているといえる。

○ECサイトを利用する理由
日本:
・「ポイントがたまるから」 58.0%
・「店舗より値段が安かった」 52.3%
・「手軽に買い物ができる」 50.5%
上記3つの理由が半数を超え、インセンティブや金額などのお得さや手軽さがECサイトでの購入理由の大きな要因になっている。

フィリピン:
・「手軽に買い物ができる」 47.3%
・「探していたものが見つかったとき」 42.1%
・「店舗よりも値段が安かった」 36.3%
・「支払いが選べる」 31.7%

フィリピンでは上記が主な理由となっており、利便性以外の動機は日本より低いことがうかがえる。

○ECサイトでの購入商品
日本:
・「書籍/CD/DVD/」 76.3%
・「食品/飲料/酒類」 64.5%
・「衣料品/下着」 62.3%
・「家電」 57.5%
・「服飾雑貨」 50.8%
このような商品が5割を超えており、様々な商品がECサイトで購入されていることがわかる。

フィリピン:
・「家電」 53.0%
・「服飾雑貨」 50.1%
・「衣料品/下着」 49.0%
フィリピンではこのような商品が約5割となったがその他の商品の購入経験が少なく、買い回り品がECサイトで購入される傾向にあることがうかがえる。

○ポイントの利用経験
日本:93.3%/フィリピン:66.3%
ポイントの利用経験は上記のようになり、日本ではポイントシステムがかなり浸透していることがうかがえ、フィリピンではまだまだ普及の余地があることがわかる。

○ポイントサービスの利用理由
・「ポイントで買い物ができる」 日本63.5%/フィリピン66.5%
・「商品が安くなる」 日本:41.6%/フィリピン:48.7%
・「購買しなくてもポイントを貯められる」  日本:16.6%/フィリピン:53.0%
・ 「ポイント交換商品が多い」 日本:14.7%/フィリピン:47.8%
・「景品と交換できる」 日本:11.0%/フィリピン:44.8%
・ 「独自の商品に交換できる」 日本:4.6%/フィリピン:27.0%

買い物ができたり、安くなったりという理由は両国で共通であった。違いが顕著で出た「購買しなくてもポイントを貯められる」「ポイントの交換商品が多い」の回答からは日本とフィリピンとのポイントサービスの仕組みが異なることがうかがえる。また、「景品と交換できる」「独自の商品に交換できる」という回答からはフィリピンではポイントに付随する特典への期待が高く、こちらも日本とフィリピンのポイントサービスの仕組みの違いがうかがえる結果となった。以上が今回の調査結果である。


調査の分析をまとめる。
今回の調査で日本とフィリピンにおけるECサイトの位置づけや、ポイントシステムの利用目的の違いが明らかになった。日本では8割を超える人が月に1回以上定期的に利用しており、購入されている商品の幅も広いことから、生活に密着していることがわかった。一方フィリピンでは利用頻度は月1回程度が最も多く、耐久消費財やファッション関連商品を購入するために活用されており、日本ほど浸透していないことが明らかになった。ポイントに関しては、日本では購入理由としてポイントを貯められることが挙げられているがフィリピンではそれほど高くないことから、フィリピンでのECサイトの利用者・頻度増加には、ポイントのような付加価値の向上が必要なのかもしれない。ポイントシステムに関して今回明らかになったこととして、フィリピンのポイントサービスは日本と異なり、景品交換やほかの商品にも交換できることなども期待されていることから単純に商品を安く交換できるメリットだけでなく、商品の交換を促進することでより魅力的なサービスとして発展していくと、GMOリサーチは分析している。

越境ECの対象国として注目の集まっているフィリピンに対する調査で、日本との認識の違いが明らかになった。ポイントの利用目的が日本と異なっている点に関しては、日本と同じ方法で販促ができないため重要な情報であると言える。ポイント戦略などで差別化を図ってきたECショップが越境ECを考える場合、商品の仕掛け方などを見直す必要があると思われる。双方の利用者のECサイトの認識を正しく理解し、戦略的に越境ECを進めていく必要があるだろう。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事