ヤマト、宮崎と連携! 流通網が高齢者の命を救う

ECのミカタ編集部

ヤマトが地方自治体と協力

宮崎県日南市と、ヤマトホールディングス(以下、ヤマト)傘下のヤマト運輸株式会社(以下、YTC)、ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ株式会社(以下、YMM)は、高齢者の安心安全な生活を支援するため、西日本で初となる「高齢者の見守り支援」と「高齢者世帯向けリコール製品回収の取り組み」に関する連携協定を締結し、2月18日14時00分より日南市役所にて調印式を行った。

サービスの具体的な内容としては、以下の通りである。

(1)配達時の見守りサービス
配達先の高齢者が長期間不在や体調不良などの異変があった場合、自治体に報告する。

(2)リコール製品の回収支援サービス
リコール製品の情報を、自治体の刊行物などと一緒に高齢者の自宅に宅急便でお届けする。もし、リコール製品が見つかった場合には、迅速に商品の回収を行う。

サービスの導入メリットとは?

サービスの導入メリットとは?

このサービスの導入メリットと目的について、まず過疎化が進む地方自治体の特徴としては、高齢者は多く暮らしているにも関わらず若者は都心部へ流れてしまう。高齢者だけでのコミュニティでは買い物をするのも一苦労であり、また、身の回りの細かい面倒も自分で何とかこなしていくしかない。

そんな高齢者の身に何かが起こったとき、そのSOSに気付いてあげられる存在が少ないことが事実であり課題であるのだが、ヤマトが全国各地で観光支援や高齢者の見守り支援などの地域活性化・課題解決を行政・地方自治体(Government)と一緒になって取り組む「プロジェクトG」を推進していることにより、自治体は高齢者の長期不在や体調不良などの情報をもとに、市の職員や民生委員などが直接訪問し、異変に速やかに対応することで、住民サービスの向上に取り組める。

また、高齢者は、自らのSOSに応えてもらえるという点のみならず、リコール製品のチラシを、YTCのセールスドライバーから対面で受け取ることで、必要な情報を簡単に入手することができる。さらに自宅から対象製品が見つかった場合、チラシ記載のコールセンターに電話するだけで、迅速に回収され、安心・安全な生活を実現できるというのだ。後は、単に、誰かと直接顔を合わせて、話相手になってもらうことが、過疎化した自治体に居住する高齢者にとって何よりも重要なことなのである。

そして、リコール実施業者には、これまで新聞やテレビなどでは情報が届きにくかった高齢者にリコール製品の情報を効果的に伝達でき、回収率の向上につながるというメリットがある。実際にこれは、昨年4月、秋田県湯沢市とYTC、YMMが連携し、高齢者の方を対象としたリコール製品回収の告知を行ったところ、4,320世帯中4件のリコール製品の発見に繋がったという実績から言えることだ。

ヤマトの時代に沿ったビジネス

ヤマトの時代に沿ったビジネス

1976年に「クロネコヤマトの宅急便」で日本に物流のイノベーションを起こしたヤマト。日本全国を網羅した宅配ネットワークを構築し、地域や個人に密着して顧客のニーズを満たすさまざまな配送サービスを生み出してきた。今回のように、地域の課題解決に一歩踏み出したサービスはその一例である。

ヤマトは自社が全国にもつネットワークを活かし、自治体や企業と連携しながら、「高齢化社会」という現代社会の問題に「物流の力」で向き合っているのだ。常に時代が抱える問題と向き合ってビジネスを展開していくことが、結果として社会貢献に繋がっている。そんなヤマトには、無限の可能性を感じずにはいられない。


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