オオカミ少年は楽天かAmazonかそれとも・・

ECのミカタ編集部

騙されるな!企業のエイプリルフール特集

昨日4月1日は何の日かご存じだろうか。毎日の忙しさでつい忘れてしまいそうになるが、エイプリルフールだ。エイプリルフールとは、年に一度の4月1日だけ嘘をついても良い日のことで、実は、エイプリルフールの起源は全く不明とされている(諸説あるが、いずれも仮説の域をでていないらしい)。

以前までのエイプリルフールはそれほど盛り上がりを見せていないような印象であったが、最近では様々な企業が”嘘”のプレスリリースなどを発表し、消費者からの注目を集め、企業のブランディングに繋がっている。今年も、4月1日に日付が変わった途端に、各社エイプリルフールのニュースが次々にリリースされた。

ではここで問題。以下の企業のプレスリリースのうち、1社だけ「嘘ではない」プレスリリースがある。どの企業が、嘘をついているのか、本当のニュースをリリースしているのか、あなたはわかるだろうか?

エイプリルフール、嘘をついている企業はどこだ?

エイプリルフール、嘘をついている企業はどこだ?

楽天
楽天株式会社(以下、楽天)は、同社HPにて「よなよなの里・夢の空缶詰め合わせセット」(税込888円)の販売を開始した。この商品は缶ビールの詰め合わせなのだが、缶の中にはビールは一切入っていない。何が入っているのかは謎のまま、商品の説明書きには「相手先に贈る場合は、冗談の通じる方をお選びください。」と記載されている。そう、この商品ページにはしっかりと注文フォームが用意されており、誰かに贈り物としてプレゼントできるようになっている。果たして真相は・・・?

DeNA
株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)が運営するオンライン総合旅行サービス「DeNAトラベル」は、4月1日付で社名を「DeNAトラブル」に変更したと発表。新生「DeNAトラブル」では、ツアー内容、電話対応、出国時から帰国時にまでの各段階で様々なトラブルを用意し、今まで以上にスリリングでエキサイティングなプランを提供できるようになったという。「二度と行きたくない国ランキング」を毎日メルマガで配信してくれるらしい。

Amazon
Amazon.co.jp(以下、Amazon)は、4月1日から「LIFE STYLE OF TONY STARK(ライフスタイル・オブ・トニー・スターク)」ブランドの取り扱いを始めた。「アイアンマン」ことトニー・スターク氏の世界観を表現した商品をそろえる。Amazonはウォルト・ディズニー・ジャパンと協力し、MARVEL(マーベル)のアメリカン・コミックス(アメコミ)やその映像化作品に登場するキャラクターの中でもひときわ人気の高いアイアンマン、トニー・スターク氏を起用した15商品をそろえている。

講談社

株式会社講談社(以下、講談社)は、ヒト型多脚ロボット『Paper』(ペイパー)の発売について発表した。『Paper』は、1秒に1ページのスピードで本をスキャンし、読み込んだ本は子供への読み聞かせなどに使えるほか、AIが理解し日々の生活の手伝いに活用できる。充実のおまけ機能のひとつには、<モスキートキラー>も搭載されており、レーザー光線で虫を殺せるという。

ソニー
ソニー株式会社(以下、ソニー)は人気映画「ゴーストバスターズ」で知られる、ゴーストを捕まえる装置「プロトンパック」の開発に成功したことをエープリルフールである4月1日に発表した。この「プロトンパック」は、ソニーが30年を超える年月を費やし、同社のエンジニアと専門家のジリアン・ホルツマン氏とで共同開発した。「プロトンパック」には最先端の小型超電導加速装置を搭載し、水素プラズマ細胞から抽出されるプロトン(陽子)の動きを加速させることで、ゴーストの捕獲が可能になった。

嘘の情報を発信するリスク

以上の企業のなかで「嘘をついていない1社」を見分けることができただろうか。答えは・・・Amazonだ。しかし、これだけ多くの名だたる企業がエイプリルフールに便乗していると、いくら本当のニュースをリリースしても、消費者から「嘘なのでは?」と疑われてしまうようだ。というのも、このAmazonのプレスリリース記事には、「エイプリルフールではない」と、何度も注意書きがなされている。

この背景には、昨年2015年4月1日、Amazonがエイプリルフールでもなんでもないプレスをリリースしたところ、消費者に信じてもらえなかったのだという。

エイプリルフールは年に一度の楽しみであり、企業の個性がでるため消費者にも注目されるが、あまりイベントにとらわれた”嘘”のニュースばかりリリースしてしまうと、本当に伝えたい情報が埋もれてしまうのではないだろうか。各企業が社会に大きな影響力を持つことを自覚し、情報の発信には敏感になっていきたいものである。


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