【まとめてみた】C2Cに参入!ヤマト運輸の狙いとは?

ECのミカタ編集部

今、フリマアプリ、C2C市場に関する大きなニュースが相次いでいる。その中心にいるのが、ヤマト運輸だ。大手フリマアプリのメルカリ、楽天のラクマ、そしてYahoo!Japanのヤフオク!とサービス提携を進め、最近ではコンビニエンスストア、特にファミリーマートにそのサービスを拡張している。この流れから、C2C市場に関するヤマト運輸の狙いが見えてくる。

ヤマト運輸とC2C市場、これまでの提携まとめ

まずは昨年からのヤマト運輸とC2C市場の提携の流れを振り返ってみよう。

●2015年4月1日
「メルカリ」がヤマト運輸と提携、
「宅急便」「宅急便コンパクト」「ネコポス」をリーズナブルに
利用できる「らくらくメルカリ便」のサービス開始。

●2016年2月1日
Yahoo!Japan「ヤフオク!」がヤマト運輸と提携、
「宅急便」「宅配便コンパクト」「ネコポス」をリーズナブルに
利用できる「ヤフネコ!パック」のサービス開始。

●2016年3月7日
楽天「ラクマ」がヤマト運輸と連携、
投函サービス「ネコポス」と小型荷物宅配サービス「宅配便コンパクト」を
「ラクマ定額パック」として全国一律の価格で提供開始。

●2016年3月10日
メルカリ「らくらくメルカリ便」、
(ヤマト運輸の配送サービス提携)
ファミリマートでも受付可能に。

●2016年3月14日
Yahoo!Japan「ヤフオク!」、
(ヤマト運輸の配送サービス提携)
ファミリーマートでも受付可能に。

以上が、最新のニュースまでの流れだ。

C2C市場の今後とヤマト運輸の動向

 これまでの流れを振り返ってみると、やはり日本最大のフリマアプリである「メルカリ」が、サービス提携の先を行っているのが分かる。それに続き、Yahoo!Japan「ヤフオク!」、楽天「ラクマ」が同様に提携を行ってきた。先行者は新規ユーザー獲得に有利ではあるが、各社に同様のサービスが行き渡れば、ユーザーは他の部分でサービスを選ぶようになる。

 「ラクマ」は楽天会員にとってはより便利なフリマアプリであるし、「ヤフオク!」は、売りたい人と買いたい人というシンプルな売買のフリマアプリとは違い、日本最大級のオークションサイトということで、売る人と買う人が共に出品商品の価値を創出し共感するという軸がある。当然、それぞれの場の特性によりユーザーの層は違ってくるだろう。ヤマト運輸としては、各社と偏りなく提携することで、より広くユーザーを獲得できるということになる。

 さらに、フリマアプリもオークションも、いずれもC2Cの市場であるということもポイントだ。というのも、ヤマト運輸の配送料は競合他社と比べると高めだ。対企業となるとどうしても安さが優先されるため、不利になる。だが消費者にとっては、安さももちろん大切ではあるが、丁寧さや安心感など、ヤマト運輸がまさに得意とするところが重視される傾向にある。特にフリマやオークションなど、思い入れのある商品を扱う場合はなおさらだ。しかも各社と提携することで、ヤマト運輸自体の負担も軽減できる可能性がある。

 C2C市場への参入はヤマト運輸にとって、競合他社に真似のできないヤマト運輸の特徴を活かし、効率的に顧客を獲得する道と言えるのではないだろうか。


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