楽天クレカ決済の変貌で消費行動の劇的変化!

石郷“145”マナブ

<論点>
ポイントは2点。決済が一括でできるようになること。そして、決済が一括でできるようになるに伴い、全ての店舗にクレジットカードを標準装備を促し、決済方法の整備をしていくということだ。

 楽天株式会社(以下、楽天)が運営する「楽天市場」でものを買うときに、ちょっと不都合に思うこと、なかっただろうか。実は、来月に正式に、各店舗には発表されることになるが、楽天市場での決済の流れが、今年の7月に、少し変化することとなる。それは今話した不都合に答えるものである。

 今までを思い浮かべよう。仮に、楽天市場において、複数店舗で商品を購入するとき、どれだけカゴの中に一括で商品を入れようとも、いざ決済となると、一回一回、店舗ごとにやっていたのだ。「楽天市場」では「おかいものマラソン」といって、複数店舗でまたがって購入する企画があるのにもかかわらず、だ。ある意味、これが普通だったのかもしれないが、面倒なのはいうまでもない。

 そこで、7月にこれを上の図のように【一括で決済】できるようにする。たとえ、何店舗にまたがってそれぞれの店舗でいくつ購入しようとも、店舗ごとの決済にはならず、スッと一回の決済で、すべての店舗の商品がまとめて決済が完了するのだ。これにより、個々の店舗での別決済であれば、優先順位の低い商品の店舗はその煩わしさから、お客様自身が購入をすることすら断念していたことも考えられるが、決済が一回で済むなら、それもない。まとめ買いを促進でき、むしろ複数店舗で購入することが楽しくなる。決済における利便性の向上は、売上の向上も引き寄せてくれるのである。

一括購入で楽天市場での購入単価、品数が増加の可能性

 また、楽天は、今回の仕様変更を契機に、決済方法の整備をしていく意向だ。もともと9割がた「楽天市場」への出店店舗に関しては、クレジットカード決済を備えているが、一部、まだ備えていない店舗があり、その店舗に関しても、クレジットカード決済を標準装備するように促し、上記の施策がすべての店舗でできるようにしていくことになる。

 すべてが共通した決済フローになることで、お客様に「楽天市場の決済のしやすさ」を訴求できる。そこには、時代のニーズもあって、実に、クレジットカードの使用は、楽天市場の決済の全体の8割を占めていることからも、こうした動きは店舗、お客様に歓迎されるものと、楽天は判断しているようだ。ここで、先日のカードを使うことによるポイント施策のPRも効いてくるだろう。

 思うに、僕の場合、生まれて初めてクレジットカードを手にしたのは、某百貨店に並んだアパレル用品を購入するのがきっかけであった。その百貨店自体のクレジットカードと共に、現金で払うこと以外の購入スタイルを身につけた。クレジットカードとは、当たり前な話、ショッピングと親和性が高く、幸いなことに、楽天にも楽天カードというものもあって、ショッピングから決済まで楽天ブランドで、ひとつながりになるだけの土壌がある。ここで、決済がやりやすくなるという衝撃は、特に初心者にとっては大きくて、今、僕が話で触れたように、あの時と同様、今回のような取り組みが、楽天であるがゆえに、一層、信頼を持って自然に、クレジットカードで購入する門戸を開く契機となり、ひいては、ネット通販の人口を増やすキッカケにもなるように思えた。

 これがまた、時に、楽天ID決済において、独自ドメインの購入にも恩恵を与えることになるかもしれない。その意味で、お客様に新たな価値を生み出す重要なポイントとなる施策であり、この決済の動きは、楽天出店店舗ならずとも、注目すべき変化であり、施策だといえるだろう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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