日本郵政決算発表、EC市場の伸びを実感

福島 れい

日本郵便、最終利益472億円、前期比+113.1%

 日本郵政グループの2016年度3月期決算が発表された。2015年11月の上場後初の決算となり、注目を集めたが、グループ連結での最終利益は4259億円で前期比-11.7%となり、厳しい結果となった。

 日本郵政グループ各社の最終利益は次の通り。日本郵便株式会社(以下、日本郵便)は最終利益472億円で前期比+113.1%、株式会社ゆうちょ銀行(以下、ゆうちょ銀行)は最終利益3250億で前期比-12.0%、株式会社かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命保険)の最終利益は848億円で前期比+4.4%となった。

 日本郵便では、総取扱物数が前期比+0.2%となり、2001年度以来14年ぶりの増加となった。このうち郵便物はアジア宛てのEMS・国際小包など国際郵便の増加や、マイナンバー通知カード差出があったものの、前期比0.9%減。 ゆうパックの取扱物数は、e コマース市場の拡大と中小口営業活動の強化により、3期連続で増加。ゆうメールも、5.3%の増加となった。

 一方でゆうちょ銀行は、日銀のマイナス金利導入による金利低下で業績が悪化。グループ全体の足を引っ張る形となった。

 2017年3月期の見通しとしては、日本郵政の利益で3200億円、日本郵便の利益で120億円とされている。日本郵便が掲げる重要施策の1つには「受取利便性の高いサービス展開や営業力の強化による収益力向上」とあり、EC市場が拡大する中、配達時不在による再配達の課題解決に向けた動きも予感させるものとなっている。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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