味の素とインアゴーラ、協働モデルで中国越境ECビジネス開始

ECのミカタ編集部

 中国向け越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)プラットフォーム」を運営する、Inagora(インアゴーラ)株式会社(所在地:東京都港区、以下「インアゴーラ」)と、味の素株式会社(所在地:東京都中央区、以下「味の素」)は、販売・マーケティングの協働モデルで越境ECビジネスを開始することを発表した。

 『豌豆公主(ワンドウ)』は中国ユーザー向けショッピングアプリで唯一の日本商品特化型サービス。日本企業は初期費用・固定費が無料で出店ができることから、中国で既に人気の商品からまだ中国ユーザーの認知度が低い商品まで約27,500商品(2017年3月現在)もの多岐にわたる品揃えを実現しており、人気の要因の1つとなっている。

 日本商品特化型であるため商品を陳列して販売するだけではなく、企業ブランド・商品の詳細情報や、商品の使い方や利用シーンをまとめた動画・記事コンテンツを提供するなどユーザーに対して多角的にアプローチすることが可能だ。

 その『豌豆公主(ワンドウ)』と日本のメーカーと中国の消費者を結んでくれるのが『豌豆(ワンドウ)プラットフォーム』。日本企業が海外進出を検討する際に必ず課題となる「情報の越境」「物流の越境」「決済の越境」のすべてを解決してくれるワンストップソリューション型のBtoBtoC越境ECプラットフォームである。

 日本企業と中国人ユーザー間の文化的ギャップを吸収するため日本企業と「出店」または「仕入れ」のモデルにて提携し、『豌豆(ワンドウ)プラットフォーム』が初期費用・固定費ゼロで中国ユーザー向けに商品の翻訳、物流、決済、マーケティング、顧客対応、他(多)チャンネル展開などの全工程を代行してくれる。日本のメーカーは当社の日本国内倉庫に商品を配送するだけで、国内ECショップを1店舗追加するよりも簡単に、巨大な中国市場に進出することができるというものだ。

『豌豆公主(ワンドウ)』で広がる『味の素』の越境EC

 その「豌豆(ワンドウ)プラットフォーム」を運営する、インアゴーラと手を組んだのが「味の素」だ。味の素は越境ECに関する全社戦略方針の検討に際し、情報・物流・決済などの課題をワンストップで解決できるサービスの独自性・先進性を評価し、越境ECパートナーとしてインアゴーラを選定した。

 これまでも仲介業者等を経由することで味の素の商品を『豌豆公主(ワンドウ)』で購入することは可能だったが、協業モデルで商品の安全性・信頼性の向上のほか、味の素の越境ECにおける販売やマーケティングをインアゴーラが全面的に代行することが可能になった。

 主に取り扱う商品は、中国の消費者の「健康」「時短」のニーズに沿った商品で、約10種類展開する。今後はさらに商品数を増やし、展開地域における日本の食文化の浸透を目指すとしている。

異国の文化と日本企業の商習慣を丁寧に埋めていくインアゴーラ

 日本におけるメーカーと小売の関係は、伝統的な商習慣とともに構築されてきたものであって、その意味で、新しい流通を作ると言うのは一筋縄ではいかない。例えて言うなら、食品関係と化粧品とではまるで異なり、インアゴーラは、まずメーカーが直接販売できる環境の整備を丁寧に進めて行くことで、新しい流通を作ろうとしている。

 大手の味の素がここに入ってきたと言うのは、その第一歩としてすごく意味のあることだろう。中国越境ECに進出する企業は増加の一途をたどる。どの企業がどのように動くいていくのか注視していきたい。

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