【韓国越境EC事情】 同年代の心を捉えて越境ECに取り組む女性ファッション通販「デイリーアバウト」

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 韓国のECサイトは、越境ECに積極的な動きを見せていて、現地向けカスタムサービスの提供を受けることにより、日本のユーザーからも関心が高まっています。このコラムでは、ECプラットフォーム企業「cafe24」を通じて、越境ECに取り組むヒットショップとその理由について、ご紹介します。

 今回は、高校時代に立ち上げたブランドで成長を遂げ、越境ECに取り組んでいるファッション通販「デイリーアバウト(http://dailyabout.jp/)」を取材しました。

20万円余の資金で高校時代に起業

 2007年、当時高校生だったパク·キョンリ氏は、20万円余の資金でファッションECサイトを立ち上げました。それから10年以上に渡って、ファッションブランド「DAILY ABOUT(以下、デイリーアバウト)」を経営しています。最近では、日本、中国、英語圏市場向け越境ECにも積極的な取り組みを行っています。

 起業から2013年頃までは、10代女子向け衣類で成長を遂げました。当時デイリーアバウトが販売していた「スクールルック」や「修学旅行コーデ」などは、現在20代の韓国女性たちにおいて「懐かしい思い出の商品」と言われています。

 起業初期のことについてパク氏は、こう語ります。「私は、当時高校生だったため、大人よりも素早く10代の感性を捉えることができました。そこにEC運営のノウハウが加わり、徐々に成長することができました。韓国では良いアイデアさえあれば、活用性の高いECインフラ環境を通じて、自分のブランド構築が可能な環境が整っています。」

 このように成長を遂げてきたパク氏は、2014年に、主要ターゲットを10代から20代に変更し、運営戦略の全面的な見直しを行いました。パク氏が20代半ばを越えた時点で、10代から20代になったリピーター顧客に向けて新たなスタイル提案が必要だと判断したからです。

 その結果、現在「デイリーアバウト」全顧客の内、20代の割合が70%に達しています。これに加え10代後半のユーザーも増えたことで売上実績がさらに伸びるようになり、同ショップ専用アプリの累計ダウンロード数は、累積7万件を超えるほど人気を集めています。

越境ECによる海外売上比率、日本市場が70%

越境ECによる海外売上比率、日本市場が70%

 2016年から、デイリーアバウトは、越境ECへ取り組みを本格的に開始しました。その一環として、グローバルECプラットフォーム「cafe24」を通じて、海外向けECサイトを構築し、海外ユーザーにお馴染みの決済システムや宅配サービスを提供しています。

 デイリーアバウトは、英語や中国語向けECサイトも運営していますが、海外売上の主な実績は、日本市場においてです。韓国国内での実績を除いた海外実績のうち、日本市場の割合は70%を占めています。

「 デイリーアバウト」パク社長との一問一答

Q:日本市場で成果を上げている背景をお聞かせください。
A:注力する国として、色んな国を検討した結果、日本市場を最優先市場に決めました。日本人ユーザーは、気に入った商品があるECサイトを忘れずに、再訪問してくれます。このユーザー特性が弊社と合致したことが、その理由です。今後も高品質な服やリーズナブルな価格、トレンドを求める顧客の心を常に観察してまいります。

Q:今後の取り組みをお聞かせください。
A:弊社は主要ターゲットする年齢層を変更しましたが、国を問わず多くの女性が、絶え間なく新しいファッションを求めています。このようなニーズに効果的に対応しながら、価格面のメリットを揃えることができれば、自然な成長が可能だと思います。他社とは差別化された新しいトレンドを取り入れたデザインを作り、日本ユーザーに提案していきたいと思います。

総評

 今回ご紹介したデイリーアバウトのパク氏は「同年代の消費者ニーズ」を捉える戦略を通じて成長を遂げてきました。パク氏本人が10代だった頃には10代女子の、20代半ばになってからは女性OLの心をとらえながら、韓国や日本で信頼性を高めるための取り組みが有効だったと言えるでしょう。